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家の中でも雷に注意! 危険な行動と対策を紹介

  • 2025.6.16

雷の発生時には、建物の中への避難が身を守るための基本的な行動です。しかし、家の中にいれば雷の被害にあう危険が全くないかというと、そうとも言い切れません。

この記事では、家の中で雷の被害に遭わないための対策、避けたほうがよい行動などを紹介します。

家の中における雷の対策

雷によって、周囲の電線などに瞬間的に大きな電流が流れる現象を「雷サージ」といいます。雷サージは、電気の配線やインターネットの通信線、水道管などを通って家の中にまで侵入することがあります。

木造の家屋では、雷の直撃により屋根や壁の損壊、火災の発生により住人が死亡するなどの被害が発生しています。

また、高さ20mを超える高層マンションには避雷針の設置が義務付けられていますが、建物の側面に落雷を受ける恐れがあります。

雷の発生時には、家の中にいても次のような点に注意してください。

<こちらの記事もよく読まれています!>→家電やパソコンに影響する雷サージとは?被害と対策を詳しく解説

壁や柱から離れる

雷が発生しているときは、家の壁や柱、天井から1m以上離れましょう。

電話線や電源線に近づかない

雷サージによる過電流は、エアコンやテレビなどの電気製品を壊すこともあります。また、感電の恐れがあるので、電気製品から1m以上離れるようにしてください。

そのほか、インターネットに接続するためのモデムなど、複数のコードに接続している機器は雷サージの影響を受けやすくなります。

ただし、雷が鳴りはじめてから慌てて線を抜こうと近づくのはやめましょう。雷サージを吸収する機能のついた電源タップが市販されているので、事前に雷対策をしておくことをおすすめします。

スマートフォンやイヤホンは、電源線につながっていない状態であれば、雷の発生中に家の中で使用しても大きな危険はないと考えられます。ただし、コンセント経由での充電は避けてください。

入浴は避ける

水道管からも電流が侵入する恐れがあるとされます。水は電気を通しやすいためです。感電を避けるため、念のため入浴やシャワーは避けましょう。

雷の情報は何を見ればわかる?

気候変動の影響により、近年は急な雷雨に見舞われることが増えています。雷の発生や接近を確認する方法を知り、防災に備えましょう。

天気予報

天気予報では雷が予想されるときに、「大気の状態が不安定です」、「雷を伴う恐れがあります」といった言葉を使って天気を解説しています。これらの言葉が使われている日は、天気が急変する恐れがあるので、雷に注意しましょう。

雷注意報

雷注意報は、雷による被害が予想される数時間前を目安に発表されます。雷注意報が発表されたら、状況に応じて屋外でのスポーツやレジャーは早めに切り上げる、中止するなどの対策を検討しておきましょう。

雷ナウキャスト

気象庁が運用する「雷ナウキャスト(雷活動度)」は、雷監視システムならびにレーダー観測などを元に、雷が発生する可能性や、発生している雷の激しさを、1km格子単位で解析しています。

情報は10分ごとに更新され、1時間先の予報まで確認可能です。今いる場所に雷が接近するおおよその時間を確認し、具体的な避難行動に役立てることができます。

積乱雲の接近に伴う変化

雷雲は急に発生することがあるので、天気予報や雷注意報、雷ナウキャストの情報に関わらず、まずは実際の天気の変化に注意することが大切です。

雷は、積乱雲という大きく発達した雲の中で発生します。「急に空が暗くなる」、「冷たい風が吹き出す」「低く黒い雲が立ち込める」「雹が降る」といった天候の変化が、積乱雲の接近と雷の危険を知る手がかりとなります。

雷鳴が聞こえたら要注意

音よりも光のほうが伝わるスピードが速いため「雷が光ってから、音が聞こえるまでに時間がかかる場合には、雷は遠く離れているサイン」といわれています。

しかし、発達した積乱雲の大きさは10㎞以上におよぶこともあります。雷の音が聞こえる範囲は10㎞程度なので、かすかにでも音が聞こえたら、落雷に注意が必要です。

<こちらの記事もよく読まれています!>→雷日数が増えている?その原因と注意すべきポイントを紹介

落雷の危険性が高い場所

雷は背の高い木やビルなどの高い建物など、どこにでも落ちる危険があります。また、周囲に高い建物や遮るものがない開けた場所では、人に直撃する危険性が高くなるので、注意が必要です。

雷が直撃する危険性の高い場所を、4つ挙げてみます。

運動場

部活動中の落雷事故の発生を受け、文部科学省では天気の急変時にはためらうことなく計画を変更・注意するよう、学校などに周知しています。

ゴルフ場

ゴルフ場も落雷の被害が多い場所の一つです。雷が鳴り出したらプレーを止め、クラブハウスに戻るか、コース上に設置された避雷小屋(防雷シェルター)に身を寄せてください。

海岸/川岸

雷は海や川にも落ちることがあります。水遊びの際には、雷が鳴り始めたら速やかに水から上がり、比較的安全な建物の中や自動車の中などに避難しましょう。テントの中はポール(支柱)に落雷する恐れがあり、安全とはいえません。

山頂/山の尾根

山の上も、雷が落ちやすい場所です。天気予報や雷注意報を事前に確認して登山計画を立て、天候が急変した場合でも避難できるよう、山小屋の位置を確認しておきましょう。

また、落雷の危険が高い場所で、傘や釣り竿などを頭上より高く掲げると、雷の直撃を受ける危険がいっそう高くなるので、注意してください。

雷から身を守るには

落雷から身を守る方法を、改めて確認しましょう。

建物の「中」に入る

雷の発生時の避難先は、屋外よりも屋内が安全です。ただし、軒下での雨宿りは落雷の影響を受けることがあります。建物の中に避難してください。

自動車の中は比較的安全

近くに建物がない場合、自動車などの金属製の乗り物の中も比較的安全な避難場所です。雷の直撃を受けたとしても電流は車体の外側を通りますが、衝撃で窓ガラスなどが壊れる恐れがあるので、窓やドアには触らないようにしてください。

木の近くには近づかない

木には雷が落ちやすく、近づくのは危険です。木の下で雨宿りをしていて、木から落雷が飛び移る「側撃雷」により負傷する場合もあります。

<こちらの記事もよく読まれています!>→夏に多い雷は危険!木から人間に「飛び移る」ことも

「雷しゃがみ」のポーズをとる

避難する場所が見つからないときは、その場で「雷しゃがみ」の姿勢をとりましょう。

足のかかとをそろえてしゃがみ、つま先立ちをすることで、地面からの電流が上半身まで流れにくくするのがポイントです。しゃがむ際には両手で耳をふさいで、頭は低くしてください。

雷の被害を受けたらすぐに救命活動を

雷の直撃を受けた場合、命を落とす危険性があります。一方で、状況によっては助かる場合もあります。

落雷で命を落とす原因の多くは、感電による心停止です。落雷で倒れた人には、次のような手順で救命活動を試みてください。

1.「大丈夫ですか」と呼びかけ、肩を叩き、意識や呼吸の有無を確認する

2.反応がないときは「誰か来てください、倒れている人がいます」と大声で人を呼ぶ。その際には119番通報とAEDの手配も依頼

3.胸と腹部の動きをみて呼吸を確認し、正常な呼吸がない場合は胸骨圧迫(心臓マッサージ)またはAEDを使い心肺蘇生を試みる

胸骨圧迫は心肺蘇生の基本で、心停止をしているか判断できない場合でも、ためらわずに行ったほうがよいとされています。AEDは電源を入れると音声ガイドが流れ、電気ショックが必要かどうかも、機械が判断してくれます。

胸骨圧迫(心臓マッサージ)の方法

胸の真ん中に片方の手のひらの付け根をあて、もう片方の手を重ねて組み、腕を垂直に伸ばします。

手のひらの付け根部分に力を込め「1分間に100~120回」のテンポで胸を強く押し続けます(強さの目安は、胸が約5㎝沈むくらい)。

※小児は「片手または両手」で、乳児は「2本の指」で胸を圧迫し、胸の厚さの約1/3が沈むくらいの強さを目安に行います。

※訓練などを受けており、人工呼吸ができる場合は「胸骨圧迫30回+人工呼吸2回」を交互に行います。

二次災害を防ぐために、救命活動は自身の安全を確保しながら行うのが基本です。安全に救命活動を行うことが難しい場合には、救急隊の到着を待つようにしてください。

まとめ

雷の音が聞こえるときは、落雷の危険があります。屋外にいると雷の直撃を受ける恐れがあるので、建物の中や自動車の中に避難してください。

また、家の中では天井や壁、電気機器から1m以上離れるようにしましょう。

<執筆者プロフィル>
山見美穂子
フリーライター
岩手県釜石市生まれ。幼いころ両親から聞いた「津波てんでんこ」の場所は、高台の神社でした。

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