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【イワシの栄養】「入梅いわし」とは?梅雨の時期から旨みと栄養が増す真イワシに注目!イワシの効果的な食べ方や相性の良い食材を解説

  • 2025.6.13

そもそも「入梅(にゅうばい)」とは?

、脂がのって美味しい「入梅いわし」
、脂がのって美味しい「入梅いわし」

「入梅いわし」をご存知でしょうか。6月の梅雨の時期に水揚げされる真イワシのことで、産卵前で身が大きく、脂がのって美味しいと言われています。この記事ではイワシの栄養についてクローズアップしたいと思います。

入梅は雑節(季節が移り変わる目印)の一つで、気象庁が発表する梅雨入りとは異なります。6月11日頃を指し(日付は毎年変わります)、暦では入梅から約30日間が梅雨の時期となります。現在のように気象情報が発達していなかった田植えの日取りを決める目安として使われていたそうです。

▲「入梅」は暦の上で「梅雨の時期に入る日」を表わしています。
▲「入梅」は暦の上で「梅雨の時期に入る日」を表わしています。

春から夏へ季節が移り変わる時期で、イワシ、アナゴ、梅、シソ、そら豆などが旬を迎えます。この頃に旬を迎える食べ物には、夏バテ予防や疲労回復に役立つ栄養が豊富に含まれています。そんな“入梅フード”の一つがイワシなのです。

イワシには幅広い年代に嬉しい栄養が凝縮!

▲イワシのDHAとEPAの含有量は魚の中でトップクラス!
▲イワシのDHAとEPAの含有量は魚の中でトップクラス!

イワシは、良質なたんぱく質に加え、骨を作るカルシウムなどのミネラル、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを同時に摂れる優秀な食べ物です。成長期の子どもさんはもちろん、骨粗しょう症予防のために大人も食べたい魚の代表格。

体内でほとんど作ることができない必須脂肪酸であるDHAやEPAを多く含み、脳を活性化させたり、血液をサラサラにして動脈硬化などの生活習慣病を予防したりする働きが注目されています。脂の乗った入梅イワシは、DHAやEPAの栄養の恩恵を期待できそうです。

さらに、イワシにはコレステロール低下作用や肝機能を活発にするタウリン、細胞の老化予防や更年期障害の改善をサポートするミネラルのセレンも多く含まれています。ゆらぎ世代や働き盛り世代の強い味方でもあるのです。

イワシの栄養を効果的に摂れる食べ方と組み合わせ

イワシに含まれる脂肪酸のDHAとEPAは脂身などに含まれ、加熱すると脂と一緒に栄養も溶け出してしまします。ですので、脂をできるだけ逃さない工夫が必要です。

鮮度の良いイワシであればお刺身でいただくのが栄養面ではベストですが、衛生面やアニサキス(寄生虫)のリスクもあり、一般家庭の食卓にはあまりおすすめできません。

新鮮な刺身用のイワシに出会えたら、食酢に漬けて保存性を高めた「イワシのマリネ」にして楽しんではいかがでしょうか。筆者おすすめの食べ方は、流れ出た脂も旨みエキスとして利用できる煮物料理。昔ながらの「イワシの梅煮」は、梅干しの酸が疲労回復を促して魚の身と骨もやわらかくする理にかなった調理法です。また、ミネラルのセレンは、β(ベータ)-カロテン、ビタミンE、ビタミンCと一緒に食べると抗酸化作用の相乗効果が期待できるので、トマトやパプリカと合わせた煮物やアヒージョもおすすめの食べ方です。

まとめ

春から夏へ季節が移り変わる目安となる「入梅」。季節の変わり目は体調を崩しやすい時期です。イワシを食べて英気を養い、夏に負けない体づくりをしましょう。イワシを選ぶ時は、イワシ全体を見て頭が小さく見えるイワシは脂がのっている可能性大ですよ。

※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学-食品成分と機能性-』東京化学同人,2017、藤原昌高著『からだにおいしい 魚の便利帳』高橋書店,2010、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、『知っておきたい魚の基本 新装版』えい出版社,2020

(野村ゆき)

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