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降水量とは?「非常に激しい雨」や「猛烈な雨」のリスクを解説

  • 2025.6.9

雨の降り方を示す指標の一つに、降水量があります。「1時間に50mmの非常に激しい雨」「1時間に100mmの猛烈な雨」とニュースや天気予報で見聞きしても、実際には「どのくらいの雨量かイメージしにくい」という方もいるでしょう。

降水量は災害発生の目安にもなるため、どのくらいの雨が降ると危険なのかを把握しておくことが大切です。

この記事では、大雨災害に備えるために知っておきたい降水量について解説します。

<こちらの記事もよく読まれています!>→記録的短時間大雨情報とは? 避難時の注意点を解説

降水量とは

降水量とは、一定の時間内に降った雨・雪・ひょうなどがどこにも流れ去らず、そのまま溜まった場合の水の深さです。単位はミリメートル(mm)で表します。

例えば、「1時間に1mm」の降水量の場合、降った雨がそのまま溜まった場合の水深は0.1cmです。1㎡あたりの水量は1ℓ(重さ約1kg)となります。つまり「1時間かけて、1m四方に500mlペットボトルの水を2本ほどまいた量」とイメージするとわかりやすいでしょう。

また、「1時間に10mm」の雨なら1㎡あたりの水の量は10ℓです。「1時間に100mm」の雨なら1㎡あたりの水の量は100ℓとなり、強い雨の様子がイメージできるのではないでしょうか。

1時間降水量と雨の降り方と災害のリスク

気象庁は、1時間雨量に応じて雨の強さを5段階に分けています。

上の表を踏まえると、1時間雨量に応じて以下のように気象災害のリスクが高まることがわかります。

・1時間10mm~20mmの雨:長く続く場合は災害のリスクが高まる
・1時間20mm~30mmの雨 内水氾濫や土砂災害が発生する可能性が出てくる
・1時間30mm~50mmの雨:内水氾濫や土砂災害のリスクが高まる
・1時間50mm~80mmの雨:内水氾濫や土砂災害のリスクがより高まる
・1時80mm以上の雨:大規模水害や大規模土砂災害などのリスクが高まる

注意点としては、同じ雨量でも地域や地形、インフラ設備の状態によって災害リスクが異なってくる点です。場所によっては、上記の目安よりも少ない雨量で災害が発生する可能性もあるため注意しましょう。

日本における1時間降水量の過去最高記録

日本国内での1時間降水量の過去最高記録は153mmです。なお、1時間降水量が150mmを超えた事例は過去に5回あります。

ちなみに、1時間153mmを記録した千葉県香取の豪雨は発達した低気圧によるもので、千葉県内では1,033件の床下浸水、121件の床上浸水、10件の一部損壊が発生しています。

1時間に100mm前後の雨で発表される気象情報

1時間に100mm前後の猛烈な雨が降ると「記録的短時間大雨情報」が発表される場合があります。災害発生の危険性を伴う短時間の大雨を観測、または解析された場合に発表される気象情報です。

都道府県によって基準は異なるものの、基本的に「1時間降水量80mm~120mm」の場合に発表されます。

記録的短時間大雨情報が発表された際には、気象庁「キキクル(危険度分布)」にアクセスし、災害のリスクが高まっている場所などの気象情報を詳しく確認しましょう。

1時間に50mm~100mmの雨は増加傾向にある

近年は「1時間に50mm~100mm」の短時間豪雨が増加傾向にあります。短時間豪雨の怖いところは、急激に災害リスクが高まること。雨が降り出して数十分で災害が発生して避難の判断や避難行動が遅れてしまい、災害に巻き込まれる危険があります。

直近10年間(2015年~2024年)の「1時間降水量50mm以上」の発生回数は、統計期間の当初10年間(1976年~1985年)に比べ、約1.5倍に増加しています。

また、直近10年間(2015年~2024年)の「1時間降水量100mm以上」の発生回数は、統計期間の最初の10年間(1976年~1985年)に比べて約1.8倍に増加しました。

こうした変化には地球温暖化も影響していると考えられており、今後も短時間豪雨が増加すると予想されます。

時間降水量と災害リスクの関係を知って、豪雨災害に備えましょう。

〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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