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梅雨の長雨にはどんなリスクがある? 備えるポイントも解説

  • 2025.6.6

梅雨は、春から夏への移行期に、日本列島で曇りや雨の日が続く期間です。梅雨の期間中は集中豪雨による災害をはじめ、日照不足や高湿度によるカビ、農作物の被害が生じやすくなります。

梅雨の長雨による被害を防ぐには、事前の対策が欠かせません。この記事では、梅雨時に想定されるリスクや対策のポイントを解説します。

<こちらの記事もよく読まれています!>→各地の梅雨入り・梅雨明けはいつ? 気象災害に要注意

梅雨の特徴

梅雨の特徴は、長期間にわたる曇天や雨天、高い湿度です。梅雨の期間は年によってばらつきがあるものの、沖縄や奄美では5月上旬から6月下旬、日本列島では6月上旬から7月下旬にかけて続きます。

梅雨の長雨をもたらすのは「梅雨前線」と呼ばれる停滞前線です。低気圧や台風と違って動きが小さく、停滞するため、大雨が続くこともあります。

なお、気象庁によると2025年の梅雨(5月~7月)は全国的に気温が高めで、降水量は平年並みと予想されています。

日本付近は暖かい空気に覆われやすいため、梅雨前線の活動が活発になって激しい雨の降り方をする可能性があります。また、湿度の高さと気温の高さがあいまって、蒸し暑い日が多くなることも想定されます。

梅雨の長雨のリスクや注意点

ここからは、梅雨時の長雨で生じるリスクや注意点について解説します。

水害・土砂災害

梅雨の時期は、長雨や集中豪雨による水害や土砂災害に注意が必要です。長時間にわたって雨が降り続くと河川の水位が上昇し、洪水や浸水のリスクが高まります。

また、長雨によって地面に水が浸透することで地盤が緩み、がけ崩れや地すべりなどの土砂災害が発生しやすくなります。

農作物への影響

梅雨の長雨や日照不足により、農作物の生育障害が発生しやすくなります。

農地の排水不良は、その1つです。長雨で農地に水が溜まると、冠水や土壌中の酸素不足など、農作物に深刻なダメージを及ぼします。

また、多湿は「いもち病」など、農作物の病気の発症要因となり、品質低下のリスクがあります。

カビや食中毒の発生

細菌やウイルスが好むのは、高温・多湿の環境です。梅雨の時期は食中毒の原因となる細菌が増殖しやすくなります。そのため、梅雨は食中毒が起こりやすい時期であり、食物の取り扱いには十分な注意が必要です。

カビは「20℃~30℃、湿度60%以上」になると増殖しやすいといわれています。カビはアレルギーや感染症、中毒症状など、様々な健康障害のリスクとなるため、注意が必要です。

洗濯物が乾きにくい

梅雨の時期は曇天や雨天が続くことで、屋外に洗濯物を干せる日が少なくなり、日光で乾かす機会が減少します。

また、湿度が高く水分が蒸発しにくいため、洗濯物が乾きにくくなります。

梅雨時の長雨に備えるポイント

梅雨時の長雨に備えるために、気象情報の活用や湿度管理を徹底しましょう。ここでは、それぞれのポイントを解説します。

湿度管理

梅雨の湿気はカビの増殖を促し、食中毒のリスクを高めます。室内の湿度を下げるには、こまめな換気が大切です。

換気の際は窓を2ヶ所開けて、空気の通り道を作りましょう。外から新鮮な空気を入れることで、もう片方の窓から室内の湿気を排出できます。扇風機やサーキュレーターなどを活用して、空気を循環させることもおすすめです。

また、除湿器やエアコンを使って除湿する方法もあります。特に除湿器は持ち運びでき、洗濯物を乾かしたい場合にも便利です。

ほかにも、以下のようなアイテムが湿度管理に役立ちます。

・除湿マット:布団の下の湿気を取り除きます

・結露防止シート:窓ガラスの結露を防止

・浴室乾燥機:中には冷暖房機能があるものも

さまざまな機器やアイテムを活用しながら、梅雨時も適切に湿度を管理しましょう。

梅雨の晴れ間を活用

たとえ梅雨時でも、毎日雨が降り続けるわけではありません。梅雨の晴れ間は存分に活用しましょう。

例えば、布団を外に干して湿気を取り除いたり、シーツやタオルケットなどの大きな洗濯物をしっかりと乾かしたり、家の中に空気を通したりと、湿気を溜めないように取り組むことが大切です。

梅雨の晴れ間を活用するために、日々の天気予報や週間予報をこまめにチェックしましょう。梅雨時は、梅雨前線のささいな動きで予報が大きく変わります。「週間予報では雨予報だったのに、前日になると晴れ予報に変わっている」という場合も少なくありません。

気象情報を活用

梅雨時には水害や土砂災害への備えのほか、農家の方は農作物の管理も必要です。

水害や土砂災害への備えとして、リアルタイムの水害や土砂災害のリスクがわかる気象庁の「キキクル」や「注意報・警報」などの気象情報を活用しましょう。

ハザードマップで災害発生時の避難場所を事前に調べ、避難経路を確認しておくことが安全を確保するポイントです。

また、農作物の管理には気象庁「天候の状況」が便利です。

「天候の状況」では低温、少雨、日照不足などの状況を、全国各地点の気温・降水量・日照時間の5日以上の平均値やその平年差、平年比で確認できます。現在の気象状況について、過去のデータと比較しながら判断できます。

長雨や少雨、日照不足、高温、低温など、平年から大きくかけ離れた気象情報が数日程度続くと予想される場合に発表される気象庁「気象情報」も、適宜確認しましょう。

田頭 孝志

防災アドバイザー/気象予報士

田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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