ダイアナ妃のコートが、オークションに出品されない理由

地雷撲滅やホームレス支援といったチャリティ活動に加え、その装いでも注目を集めてきたダイアナ妃。生前から妃のドレスはいくつもオークションにかけられてきたが、コート類が出品されてこなかった理由が明かされた。「ダイアナ妃は、持ち物を人に贈っていたのです。彼女のコートがオークションにかけられたのを見たことがないでしょう？ 1月や2月の凍てつく寒さの中、執事スタッフ、友人たちの運転する車でロンドンの街中を走り、ホームレスの人を見つけると自分のコートをあげていたからです。それが彼女の生き方でした。注目を集めようとせず、ひそかにそうしていたのです」

こう話すのは、オークション「Princess Diana's Style & A Royal Collection」を開催するジュリアンズ・オークションズの共同設立者兼エグゼクティブディレクターのマーティン・ノーランだ。『PEOPLE』のインタビューで、「今回のオークションを通じて、ダイアナ妃がいかに寛大だったかを知りました」と称賛を惜しまない。1986年に着用したキャサリン・ウォーカー（CATHERINE WALKER）によるイブニングドレス「ファルコン」や、1988年に身に着けたベルヴィル・サスーン（BELLVILLE SASSOON）のフローラルデイドレス、数々のイベントで手にしてきたディオール（DIOR）による「レディ ディオール」のバッグなど、300点以上が出品される。

また「レディ ディオール」は、1995年にダイアナ妃がグラン・パレで開催されたポール・セザンヌ回顧展のオープニングに出席するためパリを訪れた際、当時の仏大統領夫人ベルナデット・シラクから贈られたものだ。ダイアナ妃が愛用したことから、当初の「ディオール シュシュ」から名称を「レディ ディオール」に変更したことでも知られる。

オークションは、6月26日（現地時間）にザ・ペニンシュラビバリーヒルズで開催され、収益の一部はダイアナ元の遺志を継ぎ、筋ジストロフィーと関連疾患の患者を支援する慈善団体に寄付される。

Text: Tae Terai

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