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6月は土砂災害防止月間! 改めて防災意識を高めよう

  • 2025.6.2

毎年のように日本各地で土砂災害が発生しています。特に夏から秋にかけては、梅雨や台風などの大雨により、土砂災害が発生しやすい時期です。

国土交通省では、毎年6月を「土砂災害防止月間」と定め、土砂災害に関する防災知識の普及や警戒避難体制の整備を促進しています。

そこで、土砂災害から身を守るポイントについて改めて解説します。

<こちらの記事もよく読まれています!>→記録的大雨の増加で警戒区域外でも土砂崩れ!国交省が調査開始

土砂災害防止月間とは

土砂災害防止月間は、国土交通省が土砂災害の防止や被害の軽減を目的とした啓発活動を実施し、住民の防災意識向上を促す期間です。1983年(昭和58年)より、毎年6月を土砂災害防止月間と定めており、土砂災害をテーマにしたシンポジウムや防災訓練などを実施しています。

国土交通省の統計によると、土砂災害の平均年間発生件数は、近年増加傾向にあります。

国土交通省の発表によると、1982年(昭和57年)から2023年(令和5年)における土砂災害の平均発生件数は年間1,108件です。2024年(令和6年)は1,433件の土砂災害が発生しており、平均を上回りました。

また、2014年(平成26年)から2023年(令和5年)の10年間における平均発生件数は1,499件で、それ以前の2004年(平成16年)から2013年(平成25年)の平均発生件数1,183件と比較して約1.3倍に増えていることがわかります。

各地で発生する土砂災害

土砂災害とは、大雨や地震、火山の噴火などにより山やがけが崩れたり、崩れた土砂が雨水や川の水と混じって流れたりすることで起こる災害です。人家が近い場所で土砂災害が発生すると、人命が奪われたり、建物が押しつぶされたりするなど被害が生じます。

土砂災害の種類は、大きく分けて「土石流」「地すべり」「がけ崩れ」の3つです。

そして、土砂災害には前兆を伴うケースも多くあります。以下の表に、土砂災害の種類と前兆をまとめました。

前兆がみられる場合は市町村や地域の責任者に連絡するとともに、速やかに避難しましょう。

土砂災害から身を守るポイント

土砂災害から身を守るには、住んでいる場所の安全性をハザードマップで確認し、大雨の際には土砂災害警戒情報に注意することが大切です。土砂災害から身を守る2つのポイントを意識してください。

住んでいる場所は安全か

土砂災害への備えとして、まず自分が住んでいる場所や職場など、普段の生活圏が土砂災害警戒区域に含まれているか確認しておきましょう。

土砂災害警戒区域とは、土砂災害が発生した場合に「住民の生命や身体に危険が生じるおそれがある」と認められる区域です。

また、土砂災害警戒区域の中でも「建築物に損壊が生じ、より住民の生命や身体に危害が生じるおそれがある」と認められる区域は「土砂災害特別警戒区域」に定められています。

土砂災害警戒区域はハザードマップで確認できます。国土地理院の「重ねるハザードマップ」を使って、土砂災害警戒区域を確認する方法をみていきましょう。

重ねるハザードマップ内の「土砂災害」を選択すると、上の図のように黄色や赤色に着色された部分が表示されます。

黄色の部分が土砂災害警戒区域、赤色の部分が土砂災害特別警戒区域です。土砂災害警戒区域をイエローゾーン、土砂災害特別警戒区域をレッドゾーンと呼ぶ場合があります。

生活圏に黄色や赤色に着色された部分がある場合、土砂災害の発生時に巻き込まれる可能性があるため、特に災害への準備が必要です。

土砂災害警戒情報に注意を

強い雨が降り出した際には「土砂災害警戒情報」に注意しましょう。

土砂災害警戒情報は降雨による土砂災害の危険性が高まった際に、市町村が避難指示を発令する際の判断や住民の自主避難の参考となるよう、都道府県と気象庁が共同で発表する情報です。

土砂災害警戒情報は5段階の警戒レベルで出され、災害発生の危険度と住民がとるべき行動を伝えます。「警戒レベル4」の場合は、危険な場所からの避難が必要とされます。

「警戒レベル5」の場合は、すでに災害が発生している状況です。この段階での避難は難しくなります。そのため、警戒レベル4の土砂災害警戒情報が発表された時点で、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域に含まれている場所から避難しなければなりません。

土砂災害警戒情報が発表された際に慌てないためにも、事前に避難場所や避難経路の確認をしておきましょう。

まとめ

近年、集中豪雨や土砂災害は増加傾向にあります。たとえ過去に被害に遭ったことがない地域でも、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域に入っている場合は、土砂災害のリスクがあります。

「自分は大丈夫」と過信せず、土砂災害防止月間をきっかけに土砂災害への備えを見直しましょう。

〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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