伯爵家令嬢の死が、残された人々を破滅に導く――静かなる『ざまぁ』が、ついに幕を開ける！

伯爵令嬢であるロロナ・リュースは、幼い頃からの婚約者である王太子に婚約破棄をされてしまいました。しかし、顔色ひとつ変えず、了承した彼女…。その日の翌日に関係者のもとに届いたのは、なんとロロナの訃報でした。

「これで王太子は自分のもの」と喜ぶ妹、「もっと早く死んでくれればよかったのに」と笑う王太子…。しかし、彼らは知らなかったのです。ロロナの死がもたらすのは、けして幸運だけではないということを――。

疎まれた美しき令嬢・ロロナの死と、残された人々の破滅を描いた『私が死んで満足ですか？』（あばたも/漫画 マチバリ/原作）。今回は、こちらの作品をご紹介いたします！

王太子・ベルビュートの葛藤

王太子・ベルビュートと、リュース伯爵の娘・ロロナが婚約をしたのは、まだ幼い頃。物心ついたときからロロナはベルビュートの側にいて、なにげない瞬間や勉学の時間、社交場でのダンスなどを共にしていました。その月日は、実に14年にわたります。ベルビュートとしては、ロロナに対して深い愛や恋心があったわけではありません。しかし、長い年月を一緒に過ごしていたため、ロロナに多少の情はありました。

ところが、いつからかベルビュートは、ロロナのことを疎ましく思うようになりました。学業、そして容姿…。すべてにおいて優秀な彼女に、恐怖を感じるようになったのです。次第に、ロロナの妹であるルミナに心を開くようになり、ルミナとの婚約を目指すようになるのでした…。

ロロナの妹・ルミナの苦悩

ロロナの訃報を受けたルミナは、悲しむ素振りをして、心のなかでは大喜びしていました。これで家もベルビュートも、私のもの…。そんな彼女にも、実は知られざる苦悩がありました。

ルミナの母は平民出身で、ロロナの母が亡くなったあとに努力の末リュース伯爵の目に留まり、結婚。そんな母を自慢に思っていたルミナでしたが、現実はルミナ母娘に優しくはなく…。「成り上がりの毒婦」「しょせん平民」などと、周囲からは疎ましく思われていました。

せめて自分は母の足枷にならぬよう、必死に努力を重ねたルミナ。しかし、それでも姉であるロロナのほうが優秀であり、周りからも同情されてしまう始末。何もかもが姉にかなわず、悔しい思いを募らせます。

伯爵家管財人・シェザムの悲しみ

ロロナのことを疎ましく思うベルビュートとルミナとは違い、ロロナに感謝する者もいました。その人物は、リュース家の管財人であるシェザム・ベルマン。使用人たちに給金を配れなくなり、どん底にいたところに、お嬢様であるロロナが現れ声をかけてくれたのです。

ロロナに事情を説明すると、翌日にはロロナがお金を用意してくれました。しかしそれは、ロロナが彼女自身の装飾品を売って得たもの。「もう一人で辛い思いはさせない」、そう言ってくれた彼女のおかげでリュース家は成り立っていたため、ロロナの死は、シェザムを絶望させるのでした…。

まとめ

ロロナを疎む者がいれば、感謝する者もいましたが…。どちらにせよ、彼らの身に待ち受けているのは、幸運だけではない！？ロロナの死によって、もたらされるものとは、いったい何なのでしょうか？静かなる『ざまぁ』展開の幕開けに、胸が高鳴りますね…！

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「私が死んで満足ですか？」©あばたも・マチバリ／アルファポリス

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