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性の問題、生活観の違い…結婚と現実。「ウェディングウォーズ」から読み解く、男女の選択とは

  • 2025.5.28

「愛され方がわからない」カップルが抱える“レスのリアル”

(C)AbemaTV, Inc.
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人生の節目としての「結婚」。それはたしかに、おめでたくて祝福されるものであるはずなのに。ABEMAの婚活サバイバル番組「ウェディングウォーズ」3〜4話では、その理想の裏側にある「不安」や「価値観のズレ」を真正面から浮かび上がらせていく。参加カップルたちが、それぞれの抱える悩みや課題に直面するのを見るたび、何度も「これは人ごとじゃない」と感じられてならない。カップルたちが抱える性の問題、生活観の違い、そして、過去と未来をどうつなぐか。そのリアルすぎるテーマを通して浮き彫りになるのは、「結婚ってなんだろう?」という問いである。

3話では、ハトミ(28)とさやか(26)のカップルが直面する、セックスレスの問題が浮き彫りになる。さやかはスキンシップを“愛情”として必要としているのに対し、ハトミは「恋愛にセックスは必要なのか?」という問いを抱え、身体的な事情も相まって積極的になれない。

このギャップは決して表面的なものではなく、二人の価値観の深層に根ざしている。どちらかが間違っているわけではない。でも、このままでは一緒に生きていくのは難しい。そう気づいてしまったとき、どう選択するか。結婚を目前にしているからこそ、逃げずに向き合わざるを得ないのがこの番組の過酷さだ。

他カップルとの関わりが、結婚観を“ほぐして”いく

(C)AbemaTV, Inc.
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「ウェディングウォーズ」が面白いのは、カップルたちが他のカップルと関わり合うことで、自分たちの関係を相対的に見つめ直していくところにある。

たとえばハトミは、みずほ(29)と図書館で語り合い、自身の悩みを素直に打ち明ける。そしてその話を聞いたひろむ(29)は、相手をジャッジすることなく、事実ベースで受け止め、共に考えようとする。これがまた、いい意味で“普通”で、見ていて安心する関係性だった。

振り返れば、サユリ(30)が「みんな浮気の心配してないんだなって思った」と語る場面も印象的だった。浮気という不安が前提にある恋愛ばかり経験してきた人にとっては、こうした共同生活の中で“信頼を前提にした関係”に触れるだけでも、価値観が揺さぶられるのだろう。

互いに向き合えるかどうかがすべて

(C)AbemaTV, Inc.
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ひろむが離婚歴あり・子持ちであることが明かされる場面では、正直「これは揉めるぞ」と身構えてしまったが、みずほの反応は穏やかだった。「(子どもと)一緒に住みたいと言われたら?」「望んでいるなら。ひろむの仲間みたいなものだから」と、あっさり言ってのける。これはもう、愛というより“信頼”の域だろう。

一方で、マミモン(27)&柴助(26)カップルや、ハトミ&さやかカップルのように、相手と向き合いきれないまま、不安や不満を言葉にできずにため込んでいく関係も描かれる。この差は何だろう?もしかすると、“安心して本音を言える関係”であるかどうか、それだけかもしれない。

問題があるのは当たり前。でも、その問題を「一緒に考えよう」と言えるかどうか。そこに、カップルとしての根本的な違いがあるのだと感じた。

「1000万円」より大事な、“わたしたち”の形

(C)AbemaTV, Inc.
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第2回脱落デスマッチ「出会いの一本橋」は、ルールの残酷さが光る種目だった。プール上の平均台で、対岸の恋人と中央でハグできなければ脱落──そんな極限状況のなか、だいご(26)&ちひろ(26)カップルは落水し、脱落。

でも彼らは、番組の外で晴れて入籍。まさに“脱落=敗北ではない”ことを体現してくれた。

1位を取ったのは、なんとみずほ&ひろむカップル。この結果にもまた、彼らの絆の深さがにじむ。

お金が目的で来ていたはずの人たちが、少しずつ「この人と生きたいかどうか」に真剣になっていく。その過程こそが、この番組の最大の見どころかもしれない。

3〜4話を通して強く感じたのは、結婚って“制度”でも“条件”でもないのだということ。大事なのは「自分はこの人と本音で向き合えているか?」という問いにYESと答えられるかどうか。

「ウェディングウォーズ」は、キラキラした恋リアとは違って、泥くさく、汗ばみながら、でも確実に視聴者の心にリアルを突きつけてくる。

この番組を観て、「ああ結婚ってやっぱり面倒くさそうだな」と思う人も、「でも、こういうふうに誰かと生きられたらいいな」と感じる人もいるだろう。そのどちらの感情も、きっと間違ってはいないのだ。

(北村有)

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