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ポール・メスカル、新作映画を『ブロークバック・マウンテン』と比較されるのは「安直だし、モヤモヤする」

  • 2025.5.26
"The History Of Sound" Photocall - The 78th Annual Cannes Film Festival

ポール・メスカルが、カンヌ国際映画祭でお披露目した主演映画『The History of Sound(原題)』を、アン・リー監督によるヒース・レジャージェイク・ギレンホール共演の名作『ブロークバック・マウンテン』(2005)と比べて論じる向きに苦言を呈した。

記者会見で、「個人的には、テントのシーンがあること以外で、『ブロークバック・マウンテン』との類似性は見当たらないと思います。『ブロークバック・マウンテン』は美しい作品ですが、抑圧を描いたもので、本作では基本的に正反対のアプローチを取っています。だから正直に言うと、比較するのは安直ですし、モヤモヤします」と明かす。「僕としては、本作はふたりの男性の愛を讃える映画であって、セクシュアリティからくる抑圧された関係を描いたものではないと思っています」

オリバー・ハーマヌス監督による『The History of Sound(原題)』は、第一次大戦後のアメリカを舞台に、ボストン音楽院で出会ったふたりのミュージシャンが、フォークソングを収録するためにニューイングランドへ旅する様子を描く。主人公のライオネルとデヴィッドを、ポールとジョシュ・オコナーがそれぞれ演じ、クリス・クーパーやモリー・プライス、エマ・カンニング、ラファエル・スバージらが出演する。

2005年に公開された『ブロークバック・マウンテン』は、1960年代のワイオミング州を舞台にふたりのカウボーイが、それぞれ家庭を持ちながらも、20年にもわたり秘め続けた愛の軌跡を綴った作品。ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したほか、アカデミー賞でも最多8部門にノミネートされ、監督賞や脚色賞など3部門に輝いた。

ポールは撮影の4年前、初めて原作に触れたときのことをこう語る。「愛とは非常に複雑なもの……アンドリュー・スコットがドラマ『フリーバッグ』で結婚式の終わりに言うセリフですが、僕も本当にそう思います。突き詰めるのが非常に難しい。本作の脚本では、言葉で表現されたことではなく、行動や目に見えない事柄に現れる点に心動かされました。自分の人生を通して学んだことですが、恋愛関係においては、優しさがひどく過小評価されている。僕らはもっと讃えるべきです」

Text: Tae Terai

エル・ファニング、カンヌ国際映画祭/Elle Fanning attends the closing ceremony red carpet at the 78th annual Cannes Film Festival at Palais des Festivals on May 24, 2025 in Cannes, France.
エル・ファニングドレス/[シャネル(CHANEL)](https://www.vogue.co.jp/tag/chanel) ジュエリー/[カルティエ(CARTIER)](https://www.vogue.co.jp/tag/cartier)
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