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千葉の中止はナゼ? 日本で「保育園」建設に必要な条件3つ

  • 2016.4.29
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こんにちは、ママライターの広瀬まおです。

『保育園落ちた日本死ね!!!』というブログをきっかけに改めて注目を浴びた“保育園問題”。

入園を心待ちにしているママや待機児童が多い中、千葉県市川市の私立保育園が周辺住民の反対にあい、建設中止になるというショッキングなニュースも報道されました。

●働きたいママにとって、保育園の増加は切実な問題!

保育園問題を巡って、ママたちからは「内定を取ったのに入れなかった」「育休がもう終わるのに入れない……仕事を辞めろってこと?」という声が漏れ聞こえます。

私自身、入園できずに無認可の保育所を使いましたが、ひと月の代金が非常に高く、なんのために働いているのかわからなくなるほどでした。

そんな中での保育園建設中止のニュース。「保育園増やすことの課題ってなに?」を調べてみました。

●保育園を建設するために必要なことって?

まず、保育園を建設しようと思ったら、厚生労働省が定めた基準 を守る必要があります。

そのガイドラインには、園舎の広さや、園庭の有無、細かな設備や人員配置にいたるまで、かなり細かく決められています。

自分の身を自分では守れない子どものために、先に国が環境を整えてあげようという考えですね。これらがクリアされて、初めて保育園建設の許可が下ります。

では、保育園を建設するのためには何が必要なのでしょう。

●なにはともあれ土地の確保

保育園の建設にあたり、必要なのはまず土地です。建物を建てる場所がなければ、お話になりません。

厚生労働省のガイドラインでは、園の最低限の広さも決められています。

千葉県市川市の私立保育園の建設中止問題では、「車が相互で通行できない狭い道を登園ルートにするのは園児に危険が及ぶのではないか」という指摘がありました。

登園・降園で園児だけではなく、その保護者も行きかう通園ルートにも配慮が必要になります。

●実は難しい? 保育士の確保

園児を保育するにあたって、プロの保育士を雇う必要があります。

厚生労働省のガイドラインによると、0歳児は3人に保育士1人~ などと細かく設定されています。

しかし、保育士の数は年々減少。理由は給料の安さだと言われています。他の公務員と比較すると、9万円ほど収入が低いのが現状です。

そのため、どんなに「子どもが好き」という気持ちを持っていても、仕事として続けるのが難しい……と感じる人が増えているのです。

●何より大切な、周辺住民の理解

土地を用意し、人員を確保し、許可が下りたから作って良いかと言うと……そうでもありません。

空き地の中にぽつんと保育園があるだけならば可能でしょうが、そこは厳しい日本の住宅事情。近隣の住民の皆さんへの説明を行わなければなりません。

特に、隣接したお宅にはきちんと事情を説明する必要がある でしょう。誰だって、隣にいきなり保育園ができたらびっくりします。

「私たちにも静かに暮らす権利がある」というのは、千葉県市川市の私立保育園の建設中止問題で周辺住民が述べた意見ですが、それも一理あります。

最初から保育園があると知って住むことと、静かな場所だからと気に入った土地に保育園が建つのとでは話が違います。

そこで大切になるのは、周辺住民との話し合いです。住民の皆さんの不安をひとつずつ、消していくことが大切になります。

「うるさくなるんじゃないの?」

「家のものに悪戯されないかしら」

「保育園が必要なのはわかる。でもなぜこの場所なんだ?」

周辺住民の皆さんは、頭ごなしに反対しているわけではありません。ただ、不安なのです 。

そのため、彼らが抱えているクエスチョンを拾って、誠実に答えていく必要があります。

世田谷区では、建設反対をする住民に「地域の一員として仲間に入れてもらいたい」と説明会を何度も開催した結果、地域密着型の保育園ができた事例もあります。

ただ、そういったケースは非常に稀です。

2004年に放送された『クローズアップ現代』(NHK)では、周辺住民の理解を得られぬまま建設した結果、日中でも園児の姿が見えぬよう分厚いカーテンを引く保育園が紹介されています。

子どもは、隠さなければならないものではないはずです。せっかくの保育園、できれば地域に受け入れてもらいたいものですね。

そのために必要なのが、相互理解。ママやパパの事情、地域の人たちの事情。譲り合って、双方にとって良い結論になるよう、歩み寄りながら話し合えたら理想ですね。

【参考リンク】

・児童福祉施設最低基準 | 厚生労働省(PDF)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/tuuchi-04.pdf)

●ライター/広瀬まお(コピーライター)

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