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梅雨入り前に確認! 自宅の雨漏りを防ぐ点検方法とメンテナンス

  • 2025.5.15

6月~7月序盤の梅雨時期は、連日の雨となる日が多く「雨漏り」の心配が増す季節です。小さな漏水も、放っておくと、建物の内部が大きく損傷したり、修理費用が高額になったりすることも少なくありません。

この記事では大切な自宅を守るために、雨漏りを防ぐ点検方法とメンテナンスのポイントをご紹介します。

雨漏りはどこから発生する? 主な原因と侵入経路

雨漏りは建物を劣化させるだけでなく、室内の湿度や、カビの発生などにも影響を与えます。そのため、早期の対応が重要です。

ただし、天井や壁から水が落ちてくるような明らかな雨漏り以外の、潜在的な雨漏りの有無については、専門的な知見を持っていない人が目視で確認しても判断するのは難しいのが実情です。

とはいえ、末永く自宅を良好な状態に維持するために、ちょっとした違和感に気付くことは大切です。

まずはチェックリストで確認!

特別な道具を使うことなく、目視で確認できる雨漏りのセルフチェックリストを紹介します。
まずは自宅のそれぞれの箇所で、あてはまる項目がないか確認してみましょう。

●屋根
□ 天井や屋根裏に水シミがないか
□ 天井や壁から水滴が落ちてきていないか
□ 雨の日に屋根裏から水滴の音が聞こえないか

●雨どい(主に横どい)
□ 雨どい周辺の壁に水シミがないか
□ 雨どいの接続部分や周囲に水漏れの痕跡がないか
□ 雨の後、雨どいに水が溜まった状態となっていないか

●外壁
□ 室内壁に濡れた跡・変色・シミがないか
□ 外壁のひび割れ部分から雨水が侵入した形跡がないか
□ 外壁の継ぎ目・配管貫通部・換気口周辺のコーキング劣化がないか

●窓周辺
□ 窓枠の下部や角に水が溜まった跡がないか
□ 室内側の窓枠にシミ・変色・カビがないか
□ 窓ガラスやサッシに雨水の侵入跡がないか

●バルコニー
□ バルコニーの床面に水が溜まり続けていないか
□ バルコニー下部の天井(軒天)部分に水シミがないか
□ 排水口周りに水の逆流や漏水跡がないか

●室内(室内環境)
□嫌な臭い(カビ臭さ、湿った木材の臭いなど)がないか
□長雨時に高湿度となっていないか
□カビの発生が目立つようになっていないか

それぞれのチェックポイントについて、以下で詳しく解説します。

チェックポイント1:屋根

雨漏りは、屋根材(スレート、瓦など)のズレ、破損、または経年劣化した防水層(※)から発生することが多いです。雨水はこれらの隙間から内部に浸入します。特に屋根の接合部分や谷部分(雨水が集中する場所)は、漏水が生じやすい部位となります。
※防水層:屋根、建物の屋上、バルコニー、外壁などに施工される、雨水の侵入を防ぐための保護層のこと。防水機能を有した塗装・建材で構成される。

また、太陽光パネルなどが設置されている屋根では、太陽光パネルと屋根との接続部から漏水するケースがあるため注意が必要です。

屋根の形状によっても雨漏りのリスクが高まります。特に「複雑な形状の屋根」「屋根勾配の緩い屋根」「陸屋根(平らな屋根)」は漏水のリスクが高まるため、定期的な点検をおすすめします。

チェックポイント2:雨どい(主に横どい)

雨どい(主に横どい)の詰まりや破損が原因で雨水が正常に排水されず、溢れ出した水が屋根・外壁を通じて建物内部に侵入することがあります。

枯れ葉や泥が詰まることで排水能力が低下し、雨水が溜まることで雨漏りが発生します。積雪量の多い寒冷地では、雪が横どいに積もったままの状態が継続することで雨漏りのリスクが拡大します。
また、雨どいの接続部の劣化や破断も漏水の原因となります。

チェックポイント3:外壁

外壁のひび割れや接合部分(外壁材接合部・窓枠・配管周り)の損傷や、コーキング劣化に伴い雨水が隙間から侵入します。特にモルタルやコンクリートの亀裂は水を吸い込む性質があり、室内に水が入り込む原因となります。

また、外壁塗装が劣化した場合は、外壁材の防水性が低下し、雨水の浸透につながる恐れがあります。

チェックポイント4:窓周辺

窓枠のシーリング材(コーキング)の劣化やゴムパッキンの隙間が原因で雨水が入り込みます。窓周辺は施工不良(窓まわりの防水施工不良)が起きやすく、特に窓の下部や角は漏水が発生しやすい箇所です。

強風を伴う雨のときは、屋外と屋内の気圧差によって、窓の隙間から雨水が侵入し、室内に水が漏れてくることがあります。
また、古い窓枠では構造的に防水性能の弱点を抱えているケースもあります。

チェックポイント5:バルコニー

バルコニーでは、防水層の剥がれや排水口の詰まりが主な原因となり、漏水が生じることがあります。雨水が適切に排水されない場合、溜まった水が建物内に浸透するリスクが高まります。

さらに、バルコニー床材の劣化や施工不良によってわずかな隙間が発生し、そこから漏水が起こることがあります。特に長期間メンテナンスがされていないバルコニーは注意が必要です。

雨漏りを防ぐためのメンテナンス方法

雨漏りを防ぐためのメンテナンス方法としては自分で行う「セルフメンテナンス」と「専門業者へ委託する方法」があります。

自分でできるメンテナンス

雨漏りを予防するために心がけておきたいメンテナンスのポイントを挙げます。

 屋根・雨どい・バルコニーの排水口を定期的に点検し、ゴミや落ち葉を掃除する。

 外壁や窓枠周辺にひび割れや隙間がないかを確認する。必要に応じて市販の防水テープやコーキング材で応急処置を行う。(その後に専門業者へ修繕を依頼)

 数年・数十年単位でのメンテナンス計画を立てておく。

住宅に使われている各種建材(屋根材・壁材など)は年月と共に必ず劣化します。こまめに点検・お手入れをすることを心がけましょう。

タイミングとしては、台風シーズン前後や梅雨の前にお手入れをしておくことが望ましいです。安全第一で作業することを心掛け、無理をせず、手が届かない場所は業者に任せることも大切なポイントです。

専門業者への依頼

専門業者によるメンテナンスは、雨漏りを未然に防ぐ効果的な手段です。屋根や外壁、防水層などのプロによる点検は、隠れた問題(潜在的リスク)を見つけ出す助けになります。

特に長年メンテナンスを行っていない場合や、自分では対処が難しい屋根、大規模な劣化・破損がある場所は、業者に依頼することをおすすめします。

業者選びをする際には、必ず見積もりをとり、内容をよく精査することが大切です。できるだけ複数業者から見積もりをとり、各社の内容や金額を比較、検討すると良いでしょう。

なお、専門業者による「漏水有無の検査方法」としては、主に以下の4つがあります。
・目視検査
・散水検査
・発光液検査
・赤外線サーモグラフィー検査

検査方法の違いによって、検査時間・検査費用が異なることを認識しておくことも大切です。

まとめ

雨漏りは、放置する期間が長くなるほど、建物のダメージが深刻になります。そのため早期の点検とメンテナンスが重要です。

定期的に簡単なセルフチェックを行い、必要に応じて専門業者に相談することで、大切な住まいを適切に守ることが可能になります。

〈執筆者プロフィル〉
榑林 宏之
一級建築士(BAUMPLANNING一級建築士事務所 代表)
中堅ゼネコン設計部を経て独立、一級建築士として活動。自然環境への取り組み(自然との共生)の一環として自然災害・防災(主に地震災害・防災)研究及び啓蒙活動を推進しています。

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