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各地の梅雨入り・梅雨明けはいつ? 気象災害に要注意

  • 2025.5.16
防災ニッポン

梅雨は、梅雨前線と呼ばれる前線が日本付近に停滞することにより、長期間にわたって曇りや雨の天気をもたらす現象です。

生活に必要な水の確保や、農作物にとって恵みの雨となる一方、毎年のように集中豪雨による水害や土砂災害が発生しています。梅雨の豪雨災害に備えるためにも、梅雨入り前から防災対策を行うことが大切です。

この記事では、各地の梅雨入りや梅雨明けをはじめ、梅雨の特徴や備えるポイントを紹介します。

各地の梅雨入り、梅雨明け

梅雨をもたらす梅雨前線は、南から北にゆっくりと北上するため、一般的には南(沖縄)から順番に梅雨入りして、南(沖縄)から梅雨明けになります。

以下の表に、各地域の梅雨入り・梅雨明けの平均と、梅雨入りや梅雨明けが早かった年、遅かった年をまとめています。

【梅雨入り】

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【梅雨明け】

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防災ニッポン

出典:気象庁「昭和26年(1951年)以降の梅雨入りと梅雨明け(確定値)」をもとに筆者作成

梅雨入り・梅雨明けは、平年に比べて2~3週間ほどズレる可能性があります。これを目安に梅雨への備えを行いましょう。

なお、梅雨前線は東北付近まで北上した後、消滅していきます。北海道で梅雨がないのはこのためです。ただし、年によっては北海道も梅雨と同じような現象が発生し、集中豪雨をもたらす場合があります。

2025年の梅雨入り・梅雨明け予想

気象庁の3か月予報では5月・6月ともに平年と同様の天候が予想されているため、平年前後の梅雨入りになると予想されます。

また、暖候期予報では梅雨の時期の降水量がほぼ平年並となっているため、梅雨明けも平年前後になると予想されます。ただし、6月~8月の気温は高めの予想のため、高気圧の勢力次第では早めに梅雨明けする可能性もあります。

梅雨の雨の降り方は年によって異なる

梅雨の雨の降り方は年によって変わり、「空梅雨(からつゆ)」と呼ばれるように雨がほとんど降らない年もあれば、多雨になる年もあります。

例えば、九州北部の梅雨の降水量は、2020年は平年に比べて192%の降水があったのに対し、翌年の2021年は平年に比べて43%の降水しかありませんでした。

2020年は梅雨前線が日本付近に停滞したことで多雨となり、九州地方では記録的な大雨となって災害が発生しました。一方、2021年は太平洋に梅雨前線が停滞することが多く、雨が降りにくかったため少雨となりました。

梅雨前線の位置は太平洋高気圧の勢力やオホーツク海の勢力によって変わります。

わずかな高気圧の位置の変化でも、梅雨前線の位置は大きく変わるため、梅雨の雨を正確に予想することは難しく、天気予報も変わりやすい特徴があります。

梅雨は気象災害が多い期間

梅雨は気象災害が多いシーズンで、1年~2年に1回のペースで大雨による災害が発生しています。

特に梅雨に多い気象災害として挙げられるのは、集中豪雨による河川の氾濫、浸水、土砂災害です。また、梅雨の気象災害で怖いのは、場所を問わず、どこでも発生する可能性があることです。

例えば、一般的に年間の降水量が少ないといわれる瀬戸内気候に属する瀬戸内海地域においても、2018年の西日本豪雨では岡山県や広島県が大きな被害を受けるなど、時折集中豪雨が発生しています。

これまで集中豪雨を経験したことがない地域でも、梅雨は集中豪雨による気象災害に注意する必要があります。

梅雨に備えるポイント

梅雨の気象災害に備えるためには、気象情報や避難情報、ハザードマップを効果的に活用することが重要です。

避難場所や避難経路を確認し、実際に避難場所までのルートを歩いて確かめておきましょう。気象情報や避難情報の種類もチェックし、情報が発表された場合に的確な行動が取れるように準備しておくことも大切です。

また、梅雨は長期にわたって雨が降ることも多く、災害が長期化する可能性があります。ライフラインが寸断したときに備え、早めに防災グッズの見直しや購入をしましょう。

〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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