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春のアムステルダムで【チューリップ】を満喫♡ オランダ国民のチューリップ愛と名所3選を解説!

  • 2025.5.2

2024年12月からオランダ・アムステルダムで生活している、フリーアナウンサーの小山瑶さん。オランダって、どんな国? なにが素敵なの? そんな素朴な疑問に、現地に住んでいるからこそ分かるリアルな情報を交えて教えていただきます。今回はオランダを象徴する花・チューリップについて。なんて美しいの! 小山さんのチューリップ愛あふれる素敵なレポートを、貴重なお写真と共にお楽しみください♡

オランダ国内は春がチューリップの最盛期です。3月下旬から街中の道端に突然、チューリップの花壇が3メートルおきに並び始めました。4月にはその花壇はさまざまな色や種類のチューリップが満開の花を咲かせ、街を彩ってくれています。そもそもなぜオランダがチューリップと深い関係があるのか、気になりますよね。そんな歴史や魅力あふれる有名なチューリップ園、キューケンホフ公園にもいってきましたのでレポートしたいと思います♡

裏話①チューリップはオランダ原産ではない!

もともとの歴史をたどると、チューリップはなんとトルコなど中央アジアが原産。チューリップという名前はペルシャ語でターバンの意味なんです。16世紀ごろ、中央アジアでは観賞用として王族や貴族の間で親しまれていたそうです。そのうちのオーストリア大使が球根を持ち帰り、ウィーンの植物学者に贈ったことがきっかけでその植物学者がオランダのライデン大学の植物園でチューリップ研究を重ね、1594年にオランダで初めてチューリップの花が咲きました。

裏話②チューリップは世界初の"経済バブルを起こした花"

当時、ライデン大学の植物園のチューリップの花は珍しく、キレイだと人気で、球根を盗む事件が発生したり学者の自宅の庭に忍び込んでは悪さをする人がいたりするほどだったそう。1620年から1630年にかけて、オランダ国内ではチューリップの熱狂がピークを迎えます。それは「チューリップの球根で家が買える」と言われるほどの人気ぶりで、アムステルダム証券取引所にチューリップ専用の市場が開設され、プロのトレーダーが参入するほどだったそう。しかしその熱狂ぶりは続かず、1637年にこれ以上の価値がないと思った人々が一気に売り始め、一晩で100分の1までに価値が下がりました。資産を失った多くの人が続出し、社会問題にまで発展。その後は、今現在の価格とあまり変わらないようです。

オランダのチューリップ畑。同じ色を広範囲に栽培しています。4月中旬から出荷もピークを迎えているよう。

裏話③人気種はウイルス感染したものだった?

赤と白の縞縞模様のチューリップ(センペル・アウグストゥス)は、当時「神が生み出した奇跡的な模様」だと高値で取引されていたそうです。その価値はなんと1球根で一軒の家が買えるほど! ただ、実際は“チューリップ・モザイクウイルス”という病気による、突然変異が生み出したものなんだとか。病気が生み出した美しさ……この話を聞くと、なんとも言えないモヤモヤ感が湧いてきます。

手前の赤白のチューリップがセンペル・アウグストゥスに近い模様です。

裏話④実は、チューリップは「国花」ではない!

ここまで話しておきながら、チューリップは国花ではないんです! オランダを象徴する花として、2019年にチューリップを正式な国花にしようというキャンペーンがあったそうですが、反対意見が多く採択されなかったようです。オランダは世界一の球根輸出国。だからこそ、どの花にも敬意を払う国の文化であることから、チューリップだけを国花には定めない、という考え方だそうです。

おすすめスポット①毎年100万人が訪れる【キューケンホフ公園】

キューケンホフ公園は、ヨーロッパで暮らし始めてからすぐに知った観光地。実は私、3年前にもこの場所を訪れています!その時は5月上旬でチューリップも一部は枯れてしまっていましたが、今年は4月中に訪れたのが絶好のタイミングだったので満開のチューリップを楽しむことができました♡
 
 

3年前の様子。公園内にはカフェやレストランもあり、一日中楽しめます。運がよければ風車と満開のチューリップと共に写真が撮れるかもしれません!

キューケンホフ公園を訪れるなら、毎年4月の10日前後がベストタイミングかもしれません。
 
ちなみにチケットは事前予約制で、ベストタイミング時期に入ると急に値段を上げて販売してる代理店なども出てきたり、チケットが売り切れてしまったりという問題も起きるので、早めに予約することがオススメです。私は前日に予約してアムステルダム市内からのバス往復チケット付きで35ユーロ(日本円で約5,682円)でした。他のサイトだと55ユーロ(約8,930円)のものもありました。かなり差がありますね……!

オランダを代表するチューリップ公園。2024年に75周年を迎え、世界各国から春の季節に合わせて観光客が訪れます。

アムステルダムの中心から公園までの直行バスが10分間隔で運行しています。ハイシーズンはバスに乗るまで1時間はかかりました。バスと入場チケットのセットで35ユーロ(日本円で約5,680円※ハイシーズン時)。

キューケンホフ公園とアムステルダム市内にある広大なフォンデル公園は、デザイナーが同じです。

毎年球根の植え替えをしていて、フレッシュで美しいチューリップの花を楽しむことができます。

キューケンホフオリジナルグッズは、ここでしか買えないと大人気! 持ち手がチューリップになっている折り畳み傘は8.95ユーロ(約1,452円)

可愛らしいチューリップの花が描かれているクッキーボックス。見た目も楽しめますよね♡ 7.95ユーロ(1,290円)

オリジナルキャップ。文字のところにチューリップの刺繍が施されています。個人的に好きなデザインでした。おみやげにも喜ばれそうですよね! 14.95ユーロ(約2,426円)

おすすめスポット②アムステルダム市内のチューリップ美術館

アムステルダム市内にも、チューリップの歴史を知ることのできる美術館があります。オランダのチューリップ文化の変遷のほか昔の文献、美術館の入り口前にはショップもあり、珍しい品種の球根やチューリップをモチーフにしたオリジナルグッズを一年中、購入することができますよ!
 
アムステルダムチューリップ美術館の入場料は 7ユーロ(約1,136円)。アムステルダム中央駅から徒歩20分ほど。街並みがとてもキレイなので、歩いて向かっても一瞬に感じてしまうほどです♡

チューリップにある「xxx」のマークはアムステルダムを象徴するもので、ペスト・洪水・火事から守ろうという十字架を指しています。それにチューリップが加わって、とてもおしゃれ。

おすすめスポット③アムステルダム最大の花市場

花文化が栄えるオランダ、アムステルダムには花市場と呼ばれる観光地もあるんです! その歴史は150年以上もあり、多くの観光客で賑わっています。
 
アムステルダムは花屋の数も多く、ダッチフラワーアレンジメントと言われるオランダならではの装花方法もあるほど花の文化が身近にあります。なかでもこの花市場は、お花好きにはとくにおすすめしたいスポット。アムステルダム中央駅からトラム2,12,17で、約10分程度。ここでしか買えないチューリップをモチーフにしたグッズも目白押しなので要チェックですよ!

船上に花屋が立ち並んでいるのも、アムステルダムならではの光景ですよね♡ これも世界で唯一の風景なんだとか。

市場ではチューリップの球根が売られていました。チューリップ以外にもさまざまなお花の球根が季節に応じて販売されています。なかには野菜の種も売られていましたよ。

あふれんばかりの色とりどりのチューリップ。幸せな気持ちになりますよね♡ 50本単位で買っていく姿も多く見られましたよ!

今回はチューリップにフォーカスしてみました。オランダの友人も、チューリップは「春の始まりを告げるシンボル、もはや国花だ!」なんて言っていました。日本でいうと桜のような存在のようです。
 
ヨーロッパに住んでいると、「桜が大好き」というヨーロッパ人に、多く出会います。日本人として誇りを感じていましたが、オランダの誇れるポイントのひとつがチューリップであることは間違いないな、と感じながら可憐で美しいチューリップを楽しんでいます。もしオランダを訪れることがあるなら、ぜひチューリップが美しい春の季節をオススメします!
 
Dag!

text : HARUKA KOYAMA

※記事内の日本円価格は2025年5月のレートで換算しています

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