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初夜勤、6,000円稼げるはずが…乗客「すみません…出そうです」タクシー運転手を襲った“悲劇”にあ然…

  • 2025.6.10
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

現役で東海地方でタクシー乗務をする20代の女性ドライバー・Aさん。タクシードライバー歴は3年目を迎え、日々さまざまなお客様を乗せて走っています。

今回は、そんなAさんが“初めての深夜勤務の日”に体験した、思い出すたびに複雑な感情がよみがえるというエピソードを語ってくれました。

「深夜割増でいい仕事ができるかも」とワクワクしていた矢先に起こった、まさかの展開とはーー。

初めての夜勤で出会った「不安しかない乗客」

初めての夜勤の日。22時を回り、いよいよ深夜料金が適用される時間帯に入った頃お客さんの自宅からの配車依頼が入りました。

到着すると、玄関から出てきたのは、両肩を男性2人に抱えられた1人の男性。どう見ても泥酔していて、自力で歩ける状態ではなさそうでした。

「こいつを家に送ってほしいんだけど…」と話す付き添いの男性に対し、私は内心「(初めての深夜勤務で)これはちょっと…」と不安に。タクシーは「行き先が言えない乗客」を乗車拒否できるため、念のため「ご自分でご住所を言えますか?」と確認しました。

すると連れの方が「住所?◯◯だよな?言えるだろ?」と泥酔の男性を促し、「◯◯の⬜︎⬜︎…」となんとか番地まで口にしました。

正直、不安は拭えませんでしたが、「住所も言えたし、このルートでメーターは6,000円近く。これは乗せるしかない!」と期待を胸に、乗車を決意。出発直前、「もし途中で何かあったらこの番号に連絡して戻ってきて」と、連れの方が電話番号を渡してくれました。

「出そうです…」

出発して間もなく「もし気持ち悪くなったら言ってくださいね」と声をかけながら、振動をできるだけ避けるように運転していました。しかし数分後、男性が「す、すみません…出そうです」と言い出しました。

慌てて道路の路肩、側溝のある場所に停車し、左後部座席のドアを開けたのですが…少し間に合わず。男性が口に当てていた手から、少し嘔吐物がこぼれ、車内を汚してしまいました。

その後、男性は車外で嘔吐して落ち着いたようで、再び車内へ。私は教えてもらった番号に連絡を入れて状況を説明し、最初に迎えに行った家へ戻ることになりました。

車内で男性は「すみません…すみません……」と繰り返しており、私は「大丈夫ですよー」と返しながらも、内心は「6,000円の仕事が…」「しかも車内も汚れて…」と、がっかりしました。

家に戻ると、最初に男性を支えていた2人が出てきて、「酔いが覚めたらまたタクシーを呼ぶね」と話してくれました。そして私は、営業中断して車内を清掃することに。

「深夜割増=稼げる」だけではない、夜のタクシー乗務の現実

Aさんの深夜割増デビューの日は期待とは裏腹に1,500円程度の売上と、清掃の手間だけが残る“切ないスタート”となってしまいました。

深夜帯は単価が高い反面、泥酔客やトラブルのリスクも高まります。とくに初勤務のドライバーにとっては、トラブル時の対応や判断力も求められ、精神的にも大きな負担となるケースが少なくありません。

深夜のタクシー業務には、想像以上の判断力と柔軟性が求められることを、あらためて感じさせられるエピソードでした。



《取材協力》
現役女性タクシードライバー・Aさん
東海地方で2022年から昼勤のタクシードライバーとして勤務。夫もタクシードライバー。タクシードライバーとしてのモットーは「その場にあった接客を」。好きな道路は国道1号線。

※サムネイルおよび記事内の画像はイメージです。