1. トップ
  2. 41年前の今日、日本に降臨した“新時代の異彩なロックバンド” 世界的大ブレイクに繋がる“伝説の前夜”

41年前の今日、日本に降臨した“新時代の異彩なロックバンド” 世界的大ブレイクに繋がる“伝説の前夜”

  • 2025.5.21

「41年前の今日、どんなロックが日本の街角を震わせていたか覚えてる?」

1984年5月21日、アメリカのロックバンド、ボン・ジョビ(英語:Bon Jovi)がファーストアルバム『夜明けのランナウェイ(原題:Bon Jovi)』で日本デビューを果たした。

当時、まだ無名だった若き5人組が、アメリカ・ニュージャージーから放ったこの一作。タイトル曲「夜明けのランナウェイ(原題:Runaway)」が日本の洋楽ファンの間でじわじわと話題になり、数年後に続く世界的大ブレイクへの布石となる重要な起点となった。

一夜にして世界は変わらなかった――だが“何か”が始まった

undefined
(C)SANKEI

ボン・ジョビの名を世界に知らしめるのは、1986年のサードアルバム『ワイルド・イン・ザ・ストリーツ(原題:Slippery When Wet)』に収録された「禁じられた愛(原題:You Give Love a Bad Name)」や「リヴィン・オン・ア・プレイヤー(原題:Livin' on a Prayer)」のヒットを待たねばならなかった。

だが、その“伝説の前夜”とも言えるのが、1984年のこのファーストアルバムだった。

全体的にはまだ粗削りで、バンドの個性もこれから…という雰囲気。しかし「夜明けのランナウェイ」のメロディと切ないシンセサウンドは、“ただのロックバンド”とは違う何かを感じさせる力を持っていた。

「夜明けのランナウェイ」が見せた、メロディアス・ハードロックの新時代

80年代前半、LAメタルやヘヴィメタルの勢いが加速する中、ボン・ジョビはハードなギターサウンドにポップなメロディを融合させるスタイルで異彩を放った。

特に「夜明けのランナウェイ」に込められた哀愁と躍動感は、当時の若者にとって“共感できるロック”として刺さった。メンバーのルックスやキャッチーなコーラスも相まって、日本では早くも支持を集めていく。

彼らが後に“アメリカン・ドリーム”の象徴として君臨するとは、まだ誰も知らなかった時代。しかし、1984年のこのアルバムには、確かにその“光”が宿っていた。

時代を越えて鳴り続ける“最初の一歩”

ボン・ジョビがロック史にその名を刻むまでには、ヒットと試行錯誤の積み重ねがあった。だが、その最初の一歩が、この『夜明けのランナウェイ』だったことに間違いはない。

日本においては、本国よりも早く注目された点も見逃せない。洋楽文化が根付き始めた昭和の終盤、日本の若者は敏感に“新しいロックの匂い”を嗅ぎ取っていた。

「夜明けのランナウェイ」は41年が経った今も、“世界的ロックスターの出発点”として色褪せることなく、聴く者にあの頃の“始まりの熱”を届けてくれる。


※この記事は執筆時点の情報です。