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元客室乗務員「やめてください」機内で乗客から「臭くて我慢できない!」苦情の“原因”に驚愕

  • 2025.5.28
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出典:Photo AC ※画像はイメージです

皆さま、こんにちは。元国際線CAのかくまるめぐみです。

飛行機に限らず、公共交通機関を利用された際に “匂い” が気になった経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?

今日は、ある “匂い” が原因でお客様から「我慢できない!」と苦情の声があがったエピソードをご紹介します。

お客様の訴えー「臭くて我慢できない!」

この日、私は南国リゾートへ向かう国際線に乗務していました。

リゾート路線は、通常のフライトとは違う特別な雰囲気に包まれています。

搭乗されるお客様の表情は明るく機内には笑顔があふれ、客室乗務員にとっても楽しいフライトとなることが多いものです。

この日も例外ではなく、楽しい雰囲気のままお食事のサービスを終え、ギャレー(機内のキッチン)で片付けをしていました。

すると、男性のお客様がギャレーのカーテンを少し開けて声をかけてきたのです。

「すみません、前の席からの匂いが…臭くて我慢できないんです!」

状況を理解できない私は「匂いでございますか?」とお聞きすると、その方は少し呆れたような表情を浮かべながら「見れば分かりますよ」とおっしゃいました。

目撃した驚きの光景とその “匂い” の正体とは?

すぐに確認に向かうと、そこには若い女性3人組のお客様が楽しそうにおしゃべりをしながら、ネイルケアをされている光景が目に飛び込んできました。

しかも、マニキュアだけでなくペディキュアまで塗っていらっしゃったのです。

きっと、これから始まるリゾートを満喫するために、ビーチやプールで映える綺麗なネイルでおしゃれを楽しみたかったのでしょう。

その気持ちは、同じ女性として十分に理解できるものです。

ただ、その座席周辺にはマニキュア特有のシンナーのような刺激的な匂いが漂っており、他のお客様が困惑されるのも無理はありません。

CAとしての難しい判断と対応

お客様が同じ乗客である相手の方に「やめてください」とは言いにくいものです。

ですから、こうした状況では客室乗務員の出番となります。そこで、私は女性のお客様方に丁寧にお声がけしました。

「お客様、大変申し訳ございません。マニキュアの匂いが苦手な方もいらっしゃいますので、ご配慮いただけますでしょうか?」とお伝えすると、驚いた表情の3名様。

しかし、すぐに「え?ごめんなさい。臭かったですよね」とご理解いただき、男性のお客様も安堵されたご様子でした。

お客様の楽しい気分に水を差すようで心苦しく感じましたが、他のお客様の快適性を考えると、やはりお声がけせざるを得ません。

とはいえ、こうしたお声がけで立腹されるお客様も稀にいらっしゃるので、お声がけの際は内心ハラハラしているのが客室乗務員の本音です。

リゾート気分と公共マナーの境界線

例の3人組のお客様はリゾートへ向かう高揚感や、お友達同士という集団心理から生まれた行動だったのでしょう。

機内は乾燥しているためマニキュアも乾きやすく、フライト時間も長いのでネイルケアするには適した環境かもしれません。

しかし、やはり機内は公共のスペースです。小さなお子様や、体調がすぐれない方がいらっしゃることも考えられます。

どんなに楽しい気分であっても、周囲の方々への配慮を忘れずにいたいものです。

客室乗務員は、すべてのお客様に快適な空の旅をお楽しみいただけるよう、時には心苦しいお願いをすることもあります。

ただ、それは決して楽しい雰囲気を壊したいからではなく、お客様全員が気持ちよく過ごせる環境を保つためとご理解いただけると嬉しいです。

改めて、小さな配慮と思いやりの大切さを実感するフライトとなりました。

それでは、楽しい空の旅を!


ライター:かくまるめぐみ
大学卒業後、日系航空会社に客室乗務員として入社。国際線をメインに乗務し、世界中を飛び回る。結婚を機に退職し、イタリアへ移住。現在も家族とともにイタリアに在住し、Webライターとして活動。客室乗務員の経験から培った「細やかな心配り」を大切に、コラム記事からSEO記事まで幅広く執筆中。