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飲む美容習慣。毎朝コラーゲンをコーヒーに入れるメリットを専門家が解説

  • 2025.4.28

2018年頃まで、“ひと工夫したコーヒー”がウェルネスの象徴とされていた時代があった。ターメリックを加えた蛍光イエローのラテや、バターを溶かしたエスプレッソが人気を集め、ウェルネスインフルエンサーたちは、規制に縛られない自由な空気のなかでコミュニティを広げていった。

バタフライピーで紫色に染めたラテや、ビーツパウダーを使ったピンクのラテなど、一見ジョークのようでも、実際に存在するドリンクが次々に登場。熱狂的な盛り上がりを見せたが、それなりにお金もかかるトレンドだった。

そしてそのブームは、あっけなく終焉を迎える。サプリメントの存在感は薄れ、代わりに非加熱の生ミルクやハチミツが主役に。オーツミルクの勢いも落ち着き、インフルエンサーたちの冷蔵庫に今あるのはリンゴ酢。かつてのようにアメリカーノにバターを入れる、なんていうアイデアは、いまやすっかり現実離れして見える。

そんな中、流行の波にも“淘汰”にも耐え抜いた唯一のコーヒーアレンジがある。それが「コラーゲン」だ。これはまさに、時代を超えた勝利と言える。

もう何年も、朝のドリンクにコラーゲンを加えるのが習慣になっている。コーヒーでも、抹茶でも、スムージーでも、無味無臭の白いパウダーをさっと混ぜる。それがあまりにも当たり前になっていて、もはや意識することもない。けれど、これはいい習慣だと、自然療法栄養士であり『The Hormone Balance Handbook(原題)』の著者でもあるジェシカ・シャンドは語る。

「コラーゲンは熱に強く、加熱してもその構造が壊れにくいのです。だから私は、朝のコーヒーや抹茶に混ぜるのが好きなんですよ。アミノ酸を手軽に補えるだけでなく、コーヒーによって引き起こされるコルチゾール(ストレスホルモン)の上昇を和らげてくれる可能性もあります」

コーヒーにコラーゲンを入れると、何が起きる?

カフェインで感じる“ソワソワ感”を和らげてくれるだけでなく、コラーゲン入りのコーヒーにはさまざまなメリットがある。

「コラーゲンは、体の組織を支える主要な構造タンパク質です。まるで“接着剤”のように、全身をつなぎとめる役割を果たしてくれます」とシャンドは説明。「肌のハリや弾力を保つのはもちろん、筋肉や骨、爪、髪、そして腸の内壁まで、あらゆる部位の健康を支えているんです」

とくに彼女がコラーゲンをすすめるのは、ペリメノポーズ(閉経前後)に差しかかる女性たち。「この時期は、肌の弾力を保つ働きを持つエストロゲンというホルモンが自然と減少していきます。コラーゲンは、それに伴う肌の変化へのサポートになるだけでなく、関節や筋肉の痛みの軽減にも役立つ可能性があります」

味は? コーヒーが変わってしまわない?

心配無用。無香料タイプのコラーゲンであれば、味はまったく感じない。ただし、注意したいのは“テクスチャー”。量によってはダマになりやすいため、ホットドリンクに加える場合は、しっかりかき混ぜたり、ミルクフォーマーで泡立てたりするのがおすすめだ。

コラーゲンは“たんぱく質”としてカウントできる?

「答えはイエス。ただし、サーモンの切り身や鶏むね肉のような“メインのたんぱく源”とは少し違います」と、シャンドは説明する。「たとえば鶏むね肉は、筋肉の材料となる“高たんぱくな食品”ですが、コラーゲンパウダーは“結合組織に含まれる特定のたんぱく質”を凝縮したもの。役割も、含まれるアミノ酸のバランスも異なります」。

日々のたんぱく質摂取量を意識している人にとっては、コラーゲン由来のたんぱく質は“プラスα”としてカウントするのがベター。9種類すべての必須アミノ酸を含んでいないため、筋肉を作る栄養源としては不十分だが、肌や関節、筋肉の健康をサポートする目的には適している。

高品質なコラーゲンパウダーを選ぶには?

サプリメント売り場にはさまざまなコラーゲン製品が並んでいて、どれが良いのか見極めるのは意外と難しい。そんなときに参考にしたいのが、シャンドのアドバイス。

「マリンコラーゲン(魚由来)なら、“ピュア・加水分解コラーゲン(pure hydrolysed collagen)”という表示があるものを選んでください。持続可能な方法で漁獲されたものが理想的です。もっと一般的なボビンコラーゲン(牛由来)であれば、“グラスフェッド(牧草飼育)”と書かれたものを。ホルモン剤や抗生物質、化学物質の影響を受けていない証です」

なお、ヴィーガンの人向けに「植物性コラーゲン」と呼ばれる製品もあるが、栄養面ではマリン、ボビンコラーゲンには及ばないという。「ヴィーガンコラーゲンの多くは、体内のコラーゲン生成をサポートする植物由来成分を含んでいます。たとえばビタミンCなどですね」

どんな成分も一過性のトレンドで終わることが少なくないなか、コラーゲンが長く支持され続けているのは、それだけ実感できるメリットがあるからこそ。肌や関節、ホルモンバランスなど、年齢とともに気になりやすい変化に寄り添ってくれる心強い存在だ。忙しい毎日の中でも、コーヒーにひとさじ加えるだけなら手間なく続けられる。そんな“小さなルーティン”こそが、未来の美しさをつくっていくのかもしれない。

Text: Morgan Fargo Translation: Makiko Yoshida

FROM VOGUE.UK

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