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災害の備え方は人によって違う?性格診断をもとにした新・防災対策とは

  • 2025.5.1

1120人の調査で傾向を分析

災害はいつ襲ってくるかわからないもの。いざという時のために備えが必要だとはわかっていてもつい後回しにしたり、考え込みすぎてどう対策して良いかわからなくなったりすることはありませんか? 考え方、感じ方は人それぞれ。みんなが同じことをするより、自分に向いている対策から始めた方がやりやすいし、効果的なのではないか、という考えのもとにスタートしたのが「せいかくぼうさい」というサイトです。今回はこのサイトについてご紹介します。

パーソナライズド防災研究所を設立

このサイトをつくったのは、防災や減災教育やアドバイスなどを幅広く手がける一般社団法人減災ラボと、一般社団法人防災ジオラマ推進ネットワークをはじめとしたメンバーです。きっかけになったのは、メンバーの1人の20代の女性の体験でした。大学時代、仲の良い友人と暮らしていたその女性は、「自分は備蓄もしっかりするタイプなのに、友人は『なるようになる』というタイプ。同じ年代でも防災に対する意識や行動は全く違う」と感じたそうです。この体験をもとにメンバーで議論を重ね、「一人ひとりの深い部分、性格のようなところにフォーカスを当てないと、防災意識の向上、防災行動につながらないのではないか」という仮説が生まれ、それを調査するため、「パーソナライズド防災研究所」をつくることになりました。

性格と防災対策の関係

研究所をつくったメンバーたちは、さっそく性格傾向を分類する論文を調査しました。いくつもの分類法があったのですが、もっとも基本的な指標をもとに性格を6つのパターンに分類。それぞれの性格傾向の人が、どんな防災意識を持ち、具体的にどんなことをしているのか、また何をきっかけに防災に関心を持つのかなどについて、1120人の男女にインターネット調査を行いました。特に注目したのが、どんなことなら興味を持って防災対策に取り組むきっかけになりそうかという「防災スイッチ」で、このスイッチに注目しながら、具体的な防災対策の提案を構築していったそうです。

実際にやってみた

この取り組みに賛同した株式会社エー・アール・シーの協力のもと、仙台市が実施している仙台BOSAI-TECH試作開発支援プログラムに採択され、2024年、現在の形でWebサイトがオープンしました。

私も診断をやってみました。1~2分ほどで、すぐ結果がでてきます。
ネタバレになるので、結果を詳しくお伝えすることは控えますが、私の防災スイッチは「食品や日用品の日頃の買い置きが、災害時にも役立つことを知った」「ふだん使っているものや食べているものが、災害時にも役立つことを知った」など、手軽にできる、と気づいたことから、防災行動を実践する傾向があるとのこと。

言われてみれば、決心して隅から隅まで調べるよりも、できれば毎日の習慣の延長線上に防災対策があればいいな、と思っている自分に気づきました。納得の結果でした!

防災ワークショップでも活躍

作成メンバーの1人、上島(かみじま)洋さんによると、「せいかくぼうさい」は防災ワークショップでも役立っているそうです。ランダムにグループ分けすると、どのグループでもリーダーとなる人の意見が目立ち、控えめな人は自分の意見を言わなくなってしまう傾向があるのですが、最初に性格診断をして同じタイプの人たちでグループ分けしておくと、会話が盛り上がり、グループごとに多様性のある意見が出やすくなるそうです。上島さんは「企業のBCPに社員の声を反映したり、社員の意識を高めたりすることに活用するなど、今後はいろいろなシーンでの使い方を提案していきたいです」と話しています。

せいかくぼうさいのサイト(https://pb-lab.jp/seikaku/)。すぐにできますので皆さんもぜひお試し下さい!

<防災ニッポン編集部>

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