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救急箱の中身リスト! 災害に備えて準備しておこう

  • 2025.4.29

災害の備えとして必要な「救急箱」。具体的にはどんなアイテムを用意したらよいのでしょうか。

今回は、家に置いておく救急箱と、非常用持ち出し袋に入れる救急箱に分けて、入れておきたいアイテムのリストや保管上の注意点を紹介します。

災害時に備えて救急箱を用意すべき理由

なぜ災害時に救急箱が必要になるのでしょうか。
それは、「大きな災害時には命に関わらない病気やケガに割ける医療リソースがなくなるから」です。

病院に人が殺到するような状況では、重症者を優先的に対応します。災害時には病院も被災して閉鎖したり、各地に開設された救護所では、限られた設備・物資・医療従事者での対応となったりすることも考えられます。そのような中で軽症者が医療機関や救護所に押しかけると混乱が生じます。

また、物資不足により、ドラッグストアなどでいつもどおり医薬品を購入することも困難です。しかし、災害時には慣れない避難生活や普段と違う食生活で、いつもより体調を崩しやすい状況が続きます。

こういったことから、ある程度は自分で対処できるように救急箱が必要になるのです。

災害時は、家屋に危険が無ければ在宅避難が基本となります。家に置いておく救急箱は、平時はもちろん災害時にも活躍するものにしたいですね。また、自宅外に避難する場合も考えて、非常用持ち出し袋にも救急箱も用意しておきましょう。

家に置いておく救急箱の中身リスト

まずは家に置いておく、日常生活から災害時までをカバーする救急箱の中身を考えてみます。
基本的なアイテムのリストはこちらです。

【医薬品】
・総合感冒薬
・胃腸薬
・解熱鎮痛剤
・うがい薬
・目薬
・湿布薬
・消毒液
・かゆみ止め薬
・虫よけスプレー
・持病の薬

【その他衛生用品】
・マスク
・体温計
・使い捨て手袋
・ばんそうこう
・包帯
・テープ
・ガーゼ
・ハサミ
・ピンセット

医薬品

災害後の生活を考えてみると、生活リズムが崩れたり、ストレスが多かったりと、体調を崩しやすい状態といえます。災害時には感染症のリスクも高まるため、風邪薬があると頼りになります。
普段であれば鼻水や咳などの症状に合わせた風邪薬を購入することもありますが、救急箱の中にはどんな状況にも対応できるように「総合感冒薬」を入れておくと良いでしょう。

また、普段と違う食生活やストレスから胃腸の調子を崩すこともあるため、胃腸薬があると安心です。頭痛や生理痛になりやすい人は解熱鎮痛剤も必要です。
このように、自分や家族ならどんなものが必要になるか想像して、救急箱の中身を見直してみましょう。

一般的によく使われる薬にプラスして、持病やアレルギーのある人はそれに対応する薬も必要になります。

かゆみ止めや虫よけスプレーは、特に夏場の必需品です。トラブルに対処するだけではなく、トラブルを未然に防ぐのも重要です。

【備えのポイント】
・子どもがいる家庭では、子ども用の薬を別に用意したり、子どもから大人まで使える製品を準備したりすると良いでしょう。
・使い方がすぐ確認できるように、用法容量が書いてある説明書(添付文書)は必ずセットで置いておきましょう。
・目薬は家族の人数分用意するのが良いでしょう。共用すると眼病が感染する可能性があります。
・病院からもらった処方薬は、患者にあわせて量などを調整して処方されます。処方された本人しか服用することができません。本人以外が服用すると、思わぬ副作用が出ることがあります。
・現在処方されている薬がある場合、お薬手帳(コピーでもOK)も一緒に置いておきましょう。

衛生用品

医薬品にプラスして、衛生用品も必要です。
マスクは感染症を防ぐために有効です。また、災害後の片付けの際に粉塵を吸い込まないようにマスクを着用することもあります。多めに用意しておきましょう。

そして、使い捨ての手袋は手当ての際の必需品です。災害時は気軽に手が洗えず清潔を保ちにくく、血液に触れたり、吐しゃ物を処理したりするタイミングで感染するリスクがあります。手当てをする人が身につける手袋を用意しておきましょう。

ばんそうこうや包帯のほかに、包帯を止めるためのテープ、包帯を切るためのハサミも必要です。
災害時にはガレキを処理する際にトゲが刺さってケガをするトラブルも多いため、ピンセットを持っておくと処置がしやすいですね。

持ち出し袋に最低限入れておきたいもの

非常用持ち出し袋に入れる救急箱を作るなら、どんな中身が良いでしょうか。

非常用持ち出し袋は、自宅外に避難する際のためのものです。災害が発生した直後の避難先は、近隣の避難所や、親類・知人の家になることが多いでしょう。そこで手に入りにくいものを優先的に入れておきます。

非常用持ち出し袋に入れておける量には限りがあるので、必要最小限のアイテムをなるべくコンパクトにまとめたいですね。

基本的なアイテムリストはこちらです。

【医薬品】
・総合感冒薬
・胃腸薬
・解熱鎮痛剤
・うがい薬
・目薬
・湿布薬
・消毒液
・かゆみ止め薬
・虫よけスプレー
・持病の薬

【その他衛生用品】
・マスク
・使い捨て手袋
・ばんそうこう
・包帯
・テープ

家に置いておく救急箱とほとんど中身は変わりませんが、ハサミやピンセットなどの道具は公設の避難所などのものを使用できる可能性もあるので、必要に応じて用意しましょう。

マスクは大勢の人が共同生活を送る避難所では感染症予防のために必須のアイテムです。
一方、医薬品においては自分に合ったものを必要なときに必要な量手に入れるのが難しくなります。そのため、家に置く救急箱と同じような内容を、少し量を減らすなどしてなるべくコンパクトに入れておくと良いでしょう。

また、一部の坐薬や点眼薬など、冷所保管(15℃以下で保管)の指定がある医薬品は、適した場所に保管できずに劣化してしまうことがあります。持ち出し袋に入れるものは、常温保管(30℃以下で保管)できる医薬品を選ぶと良いでしょう。

薬にも使用期限があるため見直しが必要

食品と同様に、薬にも使用期限があります。今用意している薬の使用期限が切れていないかチェックしてみてください。市販の医薬品にはパッケージに使用期限が記載されています。

とくに持ち出し袋に入れている救急箱は使用頻度が低く、期限切れが起きやすくなります。家に置いておく救急箱とあわせて、劣化や使用期限切れが起きていないか、1年に1~2回程度、定期的にチェックする機会を作るのがおすすめです。

また、医療用のテープやばんそうこうにも使用期限があるので、こちらも忘れずにチェックしておきましょう。

救急箱の保存場所にも注意

一般的な薬の保管温度は室温保存の薬の場合30℃以下、冷所保存の薬で15℃以下、また凍結する場所での保管は不可とされています。製品によって適した保管温度が変わってくるので、よく確認しましょう。

特に夏場の自動車内など、気温が上がりやすい場所に放置しないように注意しましょう。
普段使いと非常用の救急箱を同じにする場合、緊急時にすぐ手に取れる場所に置いておくことをおすすめします。地震などの災害を考えると、ほかの物に埋もれて取り出しにくい状況にならないような場所に保管しておくことも重要です。

また、小さな子どものいる家庭では、誤飲事故を防ぐため、子どもの手の届かない場所での保管が必須です。

まとめ

災害時には医薬品が入手しにくく、普段どおり病院を利用するのは困難です。普段は大きなトラブルにならないようなことでも、ストレスの多い避難生活で体調不良が長引き、より大きなトラブルにつながるかもしれません。あらかじめ備えておいた救急箱で、早めに対処できるようにしておきましょう。

災害時になりやすい病気、自分や家族に普段から起こりやすいトラブルを考えてみて、自分の救急箱にはどんなものが必要か、検討してみてください。紹介した基本のアイテムリストからアレンジして中身をカスタマイズしてみてくださいね。

<執筆者プロフィル>
シマサキアヤ
フリーランスライター

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