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メイキャッパーUDA氏が語る二階堂ふみの魅力「直感的で本能的な知性、みたいなものを感じる」

  • 2025.4.22

[IN THE BACK] vol.3
Starring Fumi Nikaido
“A Hundred Thousand Hearts”
 
俳優とファッションの関係を見直し、新たな表情や一面を引き出すことを試みる連載「IN THE BACK」。今回は動物愛護や環境保護など、社会貢献活動にも積極的に取り組む二階堂ふみさんと、一時預かりで二階堂さんが保護しているカラちゃんに出演いただきました。

ドレス¥104,500、カーディガン¥71,500、ソックス※参考商品(全てイッセイミヤケ)、手に持ったイチジクのオブジェ¥3,850(ソウス)

カーディガン¥208,000、トップス¥150,000(共にアン ドゥムルメステール/エム)

カーディガン¥208,000、トップス¥150,000、カフス¥61,000、スカート¥246,000、ネックレス¥199,000、レッグウォーマー¥8,600、シューズ¥145,000(全てアン ドゥムルメステール/エム)

ドレス¥83,600(イッセイミヤケ)、ネックレス¥3,190,000(ミキモト クロムハーツ/ミキモト カスタマーズ・サービスセンター、クロムハーツ トーキョー)

BEHIND THE SCENES

ここでは連載のディレクションを務めるメイクアップアーティストのUDAさんに、今回のクリエイティブのテーマであり、ふたりの共通点である “藤田嗣治”について語っていただきました。

『視線の奥にある、強さと切なさが 映し出す新たな表情』 ーーUDA

今回の「IN THE BACK」では、俳優の二階堂ふみさんを迎え、UDAさんが心に描く独自の世界観を深く掘り下げた。インスピレーション源となったのは、画家・藤田嗣治の作品《アンナ・ド・ノアイユの肖像》(1926年)で描かれている女性、アンナ・ド・ノアイユ。知性と野性が同居するような彼女の存在に、UDAさんは二階堂さんの持つ複雑な魅力を重ね合わせた。
 
「アンナ・ド・ノアイユを知ったのは、二階堂さんとの会話がきっかけでした。ある撮影でご一緒させていただいた際にアートや音楽の話になり、そのときに藤田嗣治が好きという話になりました。それを聞いた瞬間、腑に落ちる何かがあり、ぜひ二階堂さんに出演してくれないかと、その場でオファーさせていただきました。

一方、会話を進めていくなかで単純に藤田の作品をテーマにすることは安易な考えだと感じました。ただ、彼が描いた《アンナ・ド・ノアイユの肖像》(1926年)という肖像画が頭から離れず、調べてみると彼女は女流詩人で、パリの社交界の花形だった。ジャン・コクトーやマルセル・プルーストからも愛された彼女に、“サロンを開きたい”と言っていた二階堂さんが重なりました。
 
彼女と話していると、左脳的な理屈ではなく、もっと直感的で本能的な知性みたいなものを感じるんです。深層にアーティスト的な感覚を持つ人だなと思いました。藤田が描く女性の澄ましたような、でもどこか可愛げがあって、鋭さも感じる。その絶妙なバランスが、藤田の描くアンナとリンクする感覚がありました。
 
また、役者である彼女にとって、何を感じてここに立つのかが非常に重要だと感じました。だからこそ、二階堂さんが感情移入できる物語を共有することを大切にしました。彼女がどのように感じていたかは定かではありませんが、アンナ・ド・ノアイユという実在の女性に自身を重ね、今までとはまた違った新しい一面を引き出せたように思います。
 
今回の撮影では、アンナの肖像画からインスパイアされたカットも取り入れています。想いを寄せている人が手の届かないところに行ってしまって、それでもその人を追い続けてしまう。見えないものを見ようとする眼差しが、二階堂さんの眼差しとリンクしたんです。彼女の視線の奥にある強さと切なさが、写真に深みを与えてくれました」

ドレス¥275,000※参考価格(ユークロニア)
本ページで出演している“鴉の政所”通称カラちゃんは、二階堂さんが一時保護をしていたわんちゃん。

Profile_二階堂ふみ/1994年生まれ、沖縄県出身。映画『ヒミズ』(2011年)で第68回ヴェネツィア国際映画祭における日本人初の新人賞を受賞し注目を集める。以降、映画・ドラマ・舞台で幅広く活躍し、高い演技力と存在感で主演、助演問わず多くの作品に出演。本年公開予定の映画『遠い山なみの光』では、繊細な心情表現に磨きをかけ、さらなる進化を見せる。
 
Profile_UDA/大手化粧品会社にてPRやマーケティング、教育、店頭プロモーション等さまざまな業務に携わり、その後独立。現在は国内外のエディトリアル、コスメティック、ファッションのキャンペーン広告、ショーなどのメイクアップを担当。2021年に日本の季節にフォーカスした初の著書『kesho:化粧』(NORMAL)を刊行するなど、常に新しいアプローチを試みている。

direction & make-up:UDA[mekashi project]
photograph:YUKI KUMAGAI
styling:TOMOKO KOJIMA
hair:YUSUKE MORIOKA[eight peace]
model:FUMI NIKAIDO
interview & text:MIYU SUGIMORI

otona MUSE 2025年4月号より

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