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【くみっきー】ギャル時代、ルックスで悩んだこと

  • 2025.4.19

【モーニング娘。】がきっかけでメイクを始めた。【浜崎あゆみ】を見てギャルメイクに開眼!

──メイクに興味を持ったきっかけは?

舟山久美子さん(以下くみっきー)
当時、大流行していたモーニング娘。のまねをしようと、放課後、友だちと顔にシールを貼ってみたり、水で落ちるおもちゃの化粧品を塗ったりしたのがメイクデビューです。メイクで顔の見え方や印象が変わる、その魔法みたいなところに夢中になり、お小遣いで百均コスメを買っては親には内緒でメイクの“コソ練”していました。そうすると、お友だちが「教えて」って頼ってくれるのがうれしくて。自信のないタイプだったから、自分の存在価値を上げてくれるメイクにのめり込みました。

──そんなアイドルメイクから、ギャルメイクへとシフトするきっかけは?

くみっきー 浜崎あゆみさんのALBUM『LOVEppears』とシングル『appears』(1999年リリース)のジャケット写真で話題になった“黒AYU”“白AYU”。初めて見たとき、これは芸術だ、と衝撃を受けたことを憶えています。特に“白”は、当時、ギャルと言えば“ガングロ”だった時代だったから概念が覆ったというか……ギャルって自由でいいっていう私の中にある発想の根本的な部分を築いてくれた気がします。

発売当時、大きな話題となった「黒AYU・白AYU」のジャケ写

発売当時、大きな話題となった「黒AYU・白AYU」のジャケ写

白AYUのメイクを見て研究に没頭!

白AYUのメイクを見て研究に没頭!

ギャルだけど、顔は焼かない。「白くみっきー」「黒くみっきー」のメイク戦略

──くみっきーさんも『Popteen』モデル時代に黒ギャルから白ギャルへ“転身”されました。そこにはどんな理由が?

くみっきー シンプルに紫外線に肌が弱かったっていうのがひとつ。日焼けしても赤くなって終わるだけなのに肌に負担を感じていたので、「肌が救われた」とホッとした、というのが本音(笑)。だから、もともと顔だけは焼いてなくて。必要に応じてメイクで“黒”を演出していただけだったので、“転身”はとてもスムーズにできました(笑)。

黒くみっきー(写真左)

黒くみっきー(写真左)

白くみっきー(写真右)

白くみっきー(写真右)

──“白くみっきー”になり、変わったことは?

くみっきー まず、似合うメイクがガラッと変わりました。“黒肌”のときは、グレーのアイシャドウと目のまわりを囲んで長くて濃いアイラインでデカ目にして、マスカラも何十回と塗り……というインパクトの強いメイクと相性がよかったけれど、“白肌”では、それがすべて違和感になる。どうすれば、白肌で目を大きく見せることができ、“白くみっきー”の魅力にできるのか、と毎日、毎日、全パーツのメイクの色や塗り方をひとつひとつ研究し直しました。そうやって辿り着いたのが“甘ギャル”です。

くみっきー流「甘ギャル」が完成するまで。撮影で意識していたのは「レタッチ不要」

2009〜2014年まで。甘ギャルメイクもどんどん進化

2009〜2014年まで。甘ギャルメイクもどんどん進化

左上:「Popteen」2009年3月号 発売/角川春樹事務所
右上:「Popteen」2010年2月号 発売/角川春樹事務所
右下:「Popteen」2011年11月号 発売/角川春樹事務所
左下:「Popteen」2014年10月号 発売/角川春樹事務所

──それまでクールな印象が強かったギャル界に女の子らしい“甘ギャル”旋風を巻き起こしたくみっきーさんですが、どのようにあのメイクを思いついたのでしょうか。

くみっきー 一生懸命クールなギャルになろうと努力してもしっくりこなかったので、思い切って甘さを盛ってみたらすごく反響があったというのが始まりです。マスカラで盛るよりつけまでスッキリと見せる、シャドウはグレーをやめてブラウンに、チークやリップをピンクに……と変えていく中で、読者や編集部の方などの反応を見て、何度も軌道修正しながら、みんなが好きだと思ってくれるものを探り当てていった、いわば“好感度ギャルメイク”なのです。当時、ギャルというだけで不良っぽく扱われ、清潔感とはかけ離れたイメージを持たれていたので、可愛さで世間の印象を変えたいという気持ちが強かったのかも。ギャルメイクは、今の子たちが韓国アイドル風のメイクを楽しむように美容の方向性に過ぎないということを認めてもらいたかったのだと思います。そんなイメージ改革の手段でもあった“甘ギャル”は、想像以上に世間から評判がよく、身近なところではギャルを大否定していた父のリアクションが大きく変わりました(笑)。

“甘ギャル”がきっかけで『Popteen』で表紙に抜擢され、メイクを特集していただく機会が増えたのですが、時給1000円というお給料をもらう以上、雑誌に貢献したいな、と思うようになって。撮影のときにスタッフの方にも迷惑をかけないよう写真をレタッチ(修整)しなくてもいいようにメイクを完璧に仕上げることにもこだわっていました。

甘ギャル時代の必須・盛りアイテムは下まつ毛とピンクチーク

──これがなければ、甘ギャルになれない!というマストアイテムは?

くみっきー “つけま”です! まぶたの上下につけていましたから。ドーリーウインクのNo.2を上まぶたにつけてスッキリと目の横幅を広げて、下は地まつげ1本1本にマスカラを塗り、ピンセットで束感を出したら、目尻にNo.5を短く切って貼り付けてたれ目をつくるのがお約束でした。甘ギャル時代は、アイシャドウもアイラインもどうでもいいと思っていたくらい“つけま”至上主義でした(笑)。

青みピンクのチークも外せないアイテムですね。練りタイプのチークを頬の高い位置に入れて、パウダーチークでまわりをぼかすのだけど、その入れる範囲や色の濃さで“可愛い”の方向性が変わってくるから、企画趣旨や服に合わせて、毎回、変えていました。

左・ドーリーウインク No.2 SWEET GIRLY ¥1320/コージー本舗右・ドーリーウインク No.5 REAL NUDE ¥1320/コージー本舗

左・ドーリーウインク No.2 SWEET GIRLY ¥1320/コージー本舗
右・ドーリーウインク No.5 REAL NUDE ¥1320/コージー本舗

くみっきー 舟山久美子さん

2025年現在、撮影時のメイクは、目尻にドーリーウインク サロンアイラッシュ01、チークはクリニーク ポップ 01、リップはコスメデコルテ ルージュデコルテ クリームグロウ 05Gを使用。

ギャル時代のダイエット事情。アザができるまでコロコロローラーやってたことも

──多感な年頃が中心の『Popteen』モデルの中には体型が変わってしまう子も……。ずっとスリムだったくみっきーは、どういった管理をしていたのか気になります。

くみっきー ショーに出るからそれまでに絞りたい、という短期集中的なことはありましたが、基本的には、なにごとにおいても10年、20年というスパンで考える性格なので、その先の未来に体がボロボロになるようなダイエットはしませんでした。コツコツ努力を続けることは得意だったから、四六時中、脚にゴリゴリローラーを当てていて、やりすぎてアザになったりも……。でも、当時、『Popteen』のモデルはみんな努力をしていたので、それくらい当たり前という意識でしたね。

くみっきー 舟山久美子さん

「見た目について言われること」「比較されること」の最前線にいた時代。乗り切るためにやったこと

──人前に出る仕事だから、誰かと比べられ、批判される対象になることもあったと思います。その環境で心が折れずにいられた理由は?

くみっきー 「メイク、全然可愛くない」「すぐ消える」……と、私を否定する言葉が身近に溢れていました。落ち込んだときもあるけれど、冷静に考えると私を傷つけるために知らない人が発した言葉で悩むのは時間がもったいないな、と。それで批判の声も少なくなかった掲示板を見るのをやめました。そう強くいられたのは、美容の力が大きかったと振り返ってみて感じます。自分のコンプレックスと向き合うために研究したメイクに対する自信が心の芯になっていましたから。美容って努力した分だけリターンがあるし、経験値も上がる。それと人生も同じことだな、と。未来につながるために時間を費やそう……、その考えは、当時も今も変わりません。

PLOFILE

くみっきー 舟山久美子さん

ブラウス¥14850、ワンピース¥23100/ともにクレイミー ピアス¥3740(mimi33)、リング[2個セット]¥4400、バングル¥2970(アネモネ)/サンポークリエイト

舟山久美子(くみっきー)
1991年生まれ。34歳。モデルとして「Popteen」、「with」などで活躍後、タレントとして人気に。肌を土台から整えるスキンケアブランド「Herz skin」を立ち上げ、コスメ開発も手掛ける。VOCEを始め、美容スキルを発信する美容家としても話題の的に。

Instagram:@kumikofunayama
YouTube:@Kumiko_Funayama
X:@informationkumi
公式ブログ:KUMICKY 舟山久美子オフィシャルブログ
公式HP:herz-jp.com

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撮影/岩谷優一(vale.) モデル・ヘアメイク/舟山久美子 スタイリング/秋永知香 取材・文/金子優子

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