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31年前、日本中が心を弾ませた“都会的ラブソング” バブル崩壊後の渋谷を彩った“恋の魔法”

  • 2025.5.20

「1994年、どんな音楽が街を彩っていたか覚えてる?」

渋谷系と呼ばれるムーブメントが全盛を迎え、音楽もファッションも“自分らしさ”がキーワードになりはじめた90年代中盤。その真ん中にいたのが、小沢健二。

彼が1994年にリリースした『ラブリー』は、まさに“90年代的おしゃれ”と“恋の高揚感”を詰め込んだ、唯一無二のポップソングだった。

今でもCMやテレビで耳にするこの曲は、“時代の音”でありながら、いつ聴いてもフレッシュな輝きを放っている。

軽やかでいて、心が跳ねる“恋のはじまりの魔法”

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(C)SANKEI

イントロが流れた瞬間に広がる、心のきらめきとざわめき。跳ねるようなギターカッティングのリズム、陽気なブラスサウンド、ファンキーで洗練されたアレンジ。

恋をしたときの“ただただうれしい気持ち”を、飾らずストレートに歌い上げる。でも、そこに込められているのは単なるポップさではない。

果てしなくお茶目で、だけど真剣で、照れくさそうなラブソング。まるで、恋に落ちたときの気持ちを、ありのままの言葉で語ってみせるような、そんな“小沢健二らしさ”が詰まっている。

渋谷系ムーブメントの象徴、“音楽でおしゃれする”感覚

小沢健二は、単なるシンガーではなかった。音楽、ファッション、言葉遣い、すべてをひっくるめて“カルチャー”を提示した存在だった。

『ラブリー』のリリース当時、街のCDショップでは“渋谷系”というジャンルが棚を占め、小沢の楽曲はその中心にあった。でも彼の音楽は、単にスタイリッシュなだけでなく、どこか文学的で、都市に生きる若者の感情の機微を繊細にすくい上げていた。

“軽快でおしゃれだけど、ちゃんと響く”そんなバランス感覚が、時代の空気と完璧にマッチしていたのだ。

永遠にラブリーな一曲

1994年という、バブルの余韻と不況のはざまで揺れる時代。その中で、小沢健二は“重たさ”や“哀しみ”ではなく、“軽やかさ”と“遊び心”で人々を魅了した。

『ラブリー』は、恋に落ちる瞬間のあのドキドキを、音と詞で完璧に描いたラブソング。

30年経った今も、変わらず聴き手の心を高揚させ、笑顔にさせてくれる。まさに、“時代を超えてラブリー”な一曲だ。


※この記事は執筆時点の情報です。