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【木村文乃さんインタビュー】“死”にまみれた世界で“生”が際立つ。壮大な人間ドラマの中で気づく思い

  • 2025.4.17

Kimura Fumino

木村文乃

出典:シティリビングWeb

「連続ドラマW I, KILL(アイキル)」で元・忍びのお凛を演じる木村文乃さん。人を襲い、喰らう生き物「群凶(ぐんきょう)」との戦いで、自分自身の生きる意味を見つけていく。

「サバイバルスリラーと聞くと、怖そう、グロそうとイメージしてしまうかもしれませんが、メインで描かれるのは壮大な人間ドラマです」

お凛は血のつながらない娘・トキを守るために奔走する。

「お凛は、伝えたい気持ちもぐっとこらえてしまうし、相手を思って動いているのに空回ってしまう。そんな姿が自分の母親と重なる部分もありました。その奥にある言葉や気持ち、共感してもらえないつらさや痛みをわかってしまうと、拒絶ができなくなってしまう。家族間・親子間について考えることがあり、思わず真意に気づいてしまったこと、優しくできなくてごめんと思ったこともあります。この作品でお凛を通してそれを理解できたことが親孝行なのかもと思っています」

全6話の撮影は1カ月半で行われたそう。

「人間は思考があるから諦めるけれど、群凶は人を食べようという本能だけで向かってくる。今までもアクションや殺陣の経験はありましたが、食べようとして襲ってくる相手とは対峙したことがなかったので、とても体力を使いました。登場人物みんなが魅力的で、群凶によって“死”にまみれた世界なのに、すごく“生”に熱い作品です」

そんな群凶との対峙で、役者としての気づきも。

「お凛も生きることを諦めようとする瞬間があったのですが、それが人間なんですとゾンビコーディネーターの方に言われてはっとしたんです。1人の人間を“演じ切る”って、その人の生きる意味や人生の目標を見つけることなんだと気づいたとき、大きなやりがいを感じました。撮影が終わってからも1日ぼやっと過ごすことがもったいないと思うようになり、積極的にスケジュールを立てるようになりました」

そんな木村さんの原動力は?「守る人が増えたことは大きいです。家族もファンの方々も、せめて自分の近くにいてくれる人たちの笑顔はずっと見ていたい。それが私の働く意義です」

木村文乃さんの“働く”インフラ

Q.仕事をする上で大切にしていることは?

下準備、土台作りをすることです。役者の仕事でいうと、役作りという下準備をするとき、以前は家にいるときにまで仕事のことを考えたくない!と思って区別しようとしていたけれど、日常の中にこそ答えがあると思う瞬間が増えています。そこも含めて日常だと思う面白さがあると、最近になって思えるようになりました。

Q.逆境に直面したときにどう対処しますか?

諦めないことです。やってみた上で向いていないことはやめてしまいたくなるけれど、それを嫌いにはなりたくないから、もう少し向き合ってみるんです。すると、まったく初めての人よりはちょっとだけできるようになっています。くじけそうになっても諦めず、この平行線のほどよい距離感でいようと思うようにしています。

【Check】

出典:シティリビングWeb

5月18日(日)放送・配信スタート、毎週日曜22:00

※第1話無料放送(全6話)

混沌の中で“生きる”をテーマに描かれる歴史スペクタクル×本格サバイバルスリラー。関ヶ原の合戦から35年。人を襲い、喰らう生き物「群凶(ぐんきょう)」の発生を幕府は隠ぺいしていた。そんな騒ぎは知らないお凛(木村文乃)は、血のつながらない娘のために旅に出る。一方、“半群凶”の男・士郎(田中樹)は、自分のルーツを知るため、とある人物を探していた。

【PROFILE】

1987年生まれ、東京都出身。2006年のスクリーンデビュー以来、数多くのドラマ、映画に出演。近年の主な出演作は、Netflix映画「シティーハンター」、映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」「七人の秘書 THE MOVIE」「LOVE LIFE」「ザ・ファブル」シリーズ、ドラマ「宙わたる教室」「スカイキャッスル」「PICU 小児集中治療室」、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」など多数

取材・文/高木明日美(シティリビング編集部)、撮影/大川晋児、ヘアメイク/井村曜子(eclat)、スタイリスト/申谷弘美

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