「最近、なんだか体がだるい」「階段を上るのがしんどい気がする」――そんな変化を感じたら、もしかすると“筋肉の衰え”が始まっているサインかもしれません。
筋肉は、使わなければあっという間に落ちてしまいます。そして落ちた筋肉をそのままにしておくと、見た目の変化だけでなく、姿勢の崩れや疲れやすさ、ケガのリスク増加など、体全体のパフォーマンスに影響が出てしまうことも。
この記事では、「筋肉がかなり落ちている人」によく見られる特徴と、そこからどうリカバリーしていけばよいか、株式会社Luceの管理栄養士・望月 理恵子先生が解説していきます。
筋肉が落ちたらどうなる? 考えられるデメリット
望月さん:筋肉が落ちることで、私たちの体にはさまざまな変化が現れます。
- つまずきやすい(体を支える筋肉が弱くなるため)
- 疲れやすい(代謝や血液の流れなどが悪くなり、疲労物質が滞るため)
- 太りやすい(基礎代謝が落ちるため)
- 血糖値が上がりやすい(筋肉はブドウ糖を取り込んで、血糖をコントロールする役割があるため)
たとえば、体を支える筋力が弱くなることでつまずきやすくなったり、血流や代謝が低下することで疲れやすくなったりすることがあります。
さらに、筋肉量の低下によって基礎代謝が落ち、太りやすくなる傾向も。加えて、筋肉は血中のブドウ糖を取り込んでエネルギーとして使う役割があるため、筋肉が少ないと血糖値が上がりやすくなるという影響も考えられます。
筋肉量が少ない状態が続くと、日常生活に支障をきたし、病気の発症リスクを高める恐れもあります。
- 老化に拍車がかかる(寝たきりになる等)
- バランス感覚がなくなり転倒しやすくなる
- 骨折しやすくなる
- 生活習慣病を発症しやすくなる
自分の“筋肉の衰え度”をセルフチェックしてみましょう。
あなたの“筋肉の衰え度”をチェック
「筋肉が衰え始めた人」の特徴
- つまずきやすくなる
- 疲れやすくなる
「筋肉がかなり落ちている人」の特徴
- つまずき、すぐ骨折する
- 血糖値が高い
- 風邪や肺炎など病気にかかりやすくなる
- 手足が冷たい
- 顔色が悪い
- 太りやすい
- 汗をかきにくい
望月さん:筋肉が少ないと、運動機能だけでなく健康にも悪影響となるため、筋トレ等の対策をおすすめします。
「筋肉がどんどん落ちる」NG生活習慣とは
望月さん:次のような栄養・運動・休息不足でバランスの悪い生活習慣は、筋肉がどんどん落ちやすい傾向にあります。
筋肉が落ちるNG生活習慣
- 欠食が多い(朝ごはんを食べない等)
- 食生活に偏りがある
- 運動習慣がない
- ほとんど座って生活している
- 寝る時間を十分に確保できていない
- 不規則な生活を送っている
落ちた筋肉をとり戻すリカバリー術
対策① 「タンパク質」と適度に「糖質」を摂る
望月さん:タンパク質が不足すると筋肉を作ることができません。
また、糖質が不足すると、タンパク質が体を動かすエネルギー源として使われてしまうため、筋肉の減少につながります。
なお、食事はあくまでも3食とって、栄養のバランスを意識することが前提です。「朝ごはんを抜く」「タンパク質だけとる」のは控えましょう。脂肪の蓄積につながり、体によくない影響を及ぼします。
対策② 筋トレを習慣づける
望月さん:落ちた筋肉を戻すには、筋トレが欠かせません。まずは「スクワット」や「プランク」を続けてみるとよいでしょう。
筋トレの王道「スクワット」の効果とやり方|正しい姿勢、フォームの種類、回数
体幹トレーニング「プランク」の効果とやり方。初心者はまず30秒から!
対策③ 十分な睡眠時間を確保する
望月さん:1日7~8時間程度は睡眠時間を確保しましょう。睡眠時に分泌される「体を作るホルモン」は、筋肉を作るうえで重要です。
監修者プロフィール
健康検定協会理事長 望月 理恵子
株式会社Luce代表取締役、管理栄養士、山野美容芸術短期大学講師、服部栄養専門学校特別講師、小田原銀座クリニック栄養顧問、日本臨床栄養協会評議員。サプリメント・ビタミンアドバイザーなど、栄養・美容学の分野で活躍。多くの方が健康情報を学ぶための健康検定協会を主宰するとともに、テレビ・雑誌などで根拠ある栄養学を提供・監修をしている。「栄養学の◯と×」、「やせる時間に食べてみた!」など著書も多数。
<Edit:編集部>
※本記事は、Medicalook(メディカルック)で掲載されていた内容を移管し、加筆・修正したも