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塗るだけで消化不良が解消する!?SNSで再注目されるヒマシ油。

  • 2025.4.16
膨満感によって、日常生活に支障をきたすことも。photography: MilanMarkovic/Getty Images

TikTokでは数ヶ月前から、ヒマシ油を使ってお腹をマッサージすることで、消化不良が解消されるとユーザーが絶賛している。

お腹の張り、胃の重苦しさ、げっぷ、ガス......。食後の不快な症状に悩まされることが多い人もいるのではないだろうか。こうした胃の不快感は一般的に「膨満感」と呼ばれるが、時に日常生活に支障をきたすこともある。 そのため、消化不良を解消するためには、ソーシャルメディアで奇跡的と紹介されている方法など、あらゆる手段を講じる必要があるだろう。

最近では、ヒマシ油の消化促進効果がすごいと、TikTokで話題になっている。アメリカの美容看護師であるミランダ・ウィルソンは、2024年6月、トウゴマ(ヒマ)の種子から採取される植物油をへそに直接たらして、マッサージをする動画を投稿。彼女はこの行為が消化を促し、お腹をフラットにする鍵になると主張している。この動画は拡散されるや、これまでに700万回以上再生され、SNS上でトレンドを巻き起こした。

口からの摂取で下剤効果あり⁉

へそ周りをマッサージして腸の健康を改善するのは、目新しいことではなく、アーユルヴェーダでは、この行為を「ナビ・チキツァ」と呼んでいる。アーユルヴェーダによると、へそ(ナビ)は生命の重要なエネルギーポイントであり、オイルを吸収する腺があると考えられている。ただしこの説は、現在のところ科学的根拠に基づいていない。

また、ヒマシ油には下剤効果があり、無作為で選ばれたわけではない。2023年12月にナショナルジオグラフィックのウェブサイトに掲載された記事で、フランクフルトのゲーテ大学の薬理学教授であるステファン・オッフェルマンズ氏は、ヒマシ油を「最も古い薬のひとつ」と定義している。彼は、紀元前1550年のエジプトにまつわる医学論文で、当時の医師たちが下剤として、あるいは陣痛を誘発するためにヒマシ油を処方していたと報告した。彼はナショナルジオグラフィック誌の取材に対し、ヒマシ油の有効成分であるリシノール酸が筋肉の収縮を引き起こすことが、陣痛を促進する要因になると説明している。

しかし、便秘に対する効果は、医師の指示のもと、カプセルに入れて口から摂取した場合にのみ実感できるという。オッフェルマンズ氏は、厳重な監督下で摂取すべきであるとも勧告し、この植物油を不適切に摂取すると副作用が生じ、腸粘膜を刺激する可能性があると注意を促している。では膨満感を抑える対策として、へそ周りにヒマシ油を塗るというのは実際のところどうなのだろうか? 消化器専門医のアレックス・エーガル医師は、その行為には何の効果もないと断言する。「理由は簡単です。へそから腹腔や消化管への経皮経路はないからです」

マッサージとバランスの取れた食事が鍵。

一方、腹部のマッサージは消化不良の不快感を軽減するのに効果的だ。「マッサージによって腹部の筋肉がほぐれ、腸内のガスの排出が促されます」とエーガル医師は説明する。また、ヨーグルトや発酵食品等に含まれる健康に良いとされる微生物のプロバイオティクスは、腸内フローラのバランスを整えることで症状を緩和するという。「有害な細菌が過剰に増殖し、ガスが過剰に発生することで腸内フローラのバランスが崩れることがあります。プロバイオティクスは、栄養素に有害な細菌が付着するのを防いだり、腸内のpHを調整したり、免疫システムを刺激したりと、さまざまなメカニズムで有害な細菌を排除するのに役立ちます」

膨満感を軽減するには、何よりもまずその原因を考えることが大切だ。ストレスを感じていないか、何か薬を服用しているか、食事は十分にバランスが取れていると言えるだろうか......?

たとえば、過度に加工された食品を過剰に摂取すると、マイクロバイオーム(微生物叢)のバランスが崩れやすくなる。また、ラクトース(乳糖)やグルテンは、人によっては膨満感やガスを引き起こす原因に。「Fodmaps(小腸で消化・吸収されにくく、大腸で発酵しやすい糖質の総称)などの発酵性食品も要因となり得ます」と、エーガル医師は付け加える。それでも改善しない場合は、医師に相談するようにしたい。

From madameFIGARO.fr

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