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『ボヘミアン・ラプソディ』以来のラミ・マレック主演作『アマチュア』が2位に初登場!オスカー俳優の集客力はいかに?

  • 2025.4.15

4月11日から4月13日までの全国映画動員ランキングが発表。公開6週目を迎えた『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(公開中)は、春休みが終わっても衰え知らず。週末3日間で観客動員14万2000人、興行収入1億8100万円を記録し、シリーズ6年ぶりとなる6週連続No.1を達成。これで累計成績では動員340万人&興収40億円突破。平日や次週末以降の成績次第では、『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』(23)を抜いてコロナ禍以降最大のヒット作となる可能性も充分だ。

【写真を見る】『ボヘミアン・ラプソディ』以来初めての主演作!受賞作から次の主演作まで6年以上もあくのは異例?

オスカー受賞からのブランクは過去40年で最長?ラミ・マレック待望の主演作が公開

【写真を見る】『ボヘミアン・ラプソディ』以来初めての主演作!受賞作から次の主演作まで6年以上もあくのは異例? [c]2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

さて、今週大きく取り上げたいのは、2位に初登場を果たした『アマチュア』(公開中)。『ボヘミアン・ラプソディ』(18)で第91回アカデミー賞主演男優賞に輝いたラミ・マレックが、最愛の妻の命を奪った国際テロ組織にたった1人で挑むCIA分析官を演じた同作は、初日から3日間で動員11万892人、興収1億6387万1700円を記録。春休みシーズンを『映画ドラえもん』と共に牽引した『ウィキッド ふたりの魔女』(公開中)の“6週連続2位”を阻止することに成功した。

このオープニング成績を『ボヘミアン・ラプソディ』と比較すると、わずか3分の1程度。とはいえ同作は日本歴代興収ランキングで第23位にランクインするほどのメガヒット作なので、参考にするのは少々酷かもしれない。そもそも日本は世界のなかでも特筆して“クイーン人気”が凄まじいことで知られており、『ボヘミアン〜』は「ラミ・マレックだから」ではなく「クイーンだから」大ヒットしたことはいうまでもない。

『アマチュア』が『ウィキッド ふたりの魔女』を破り、2位で初登場! [c]2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

そもそもマレック自身、海外ドラマ「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」などで一部には知られていたとはいえ、『ボヘミアン〜』以前の知名度はかなり低いものであった。それがフレディ・マーキュリー役として世界中に認知され、オスカーを受賞し、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)で悪役を演じたり、クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』(23)にも出演するなど、一躍スター俳優の仲間入りを果たしたのである。

ところが、よくよく考えてみれば『ボヘミアン〜』以降に主演を務めた作品は(主要アンサンブルに含まれる作品は『リトル・シングス』や『パピヨン』などがあるが)今回が初めて。アカデミー賞主演男優賞の受賞者で、受賞作から次の主演作まで6年以上もあいた俳優は過去40年近くのあいだで1人もいないはずだ(ざっと調べたところ『アマデウス』のF・マーリー・エイブラハム以降、ダニエル・デイ=ルイスの5年が最長であった)。

『マトリックス』でおなじみ、ローレンス・フィッシュバーンも参加 [c]2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

すなわち今回の『アマチュア』は、スパイ映画という人気ジャンルではあるが、ようやくマレックのスターとしての力量を純然と測ることができる作品の到来ということになる。数字のうえでは決して爆発的ではないものの、ローレンス・フィッシュバーンらベテランとの演技合戦は概ね好評であり、興行的にもラージフォーマット上映が高稼働とのこと。堅実に「ラミ・マレックだから」で観客を呼べる俳優になりつつあることが窺えるスタートと捉えてもいいのではないだろうか。

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章』『ブリジット・ジョーンズの日記』が初登場!

先述の通り“6週連続2位”を逃した『ウィキッド ふたりの魔女』だが、それでも週末3日間で動員9万2000人、興収1億5700万円と、前週比80%近い成績をキープし3位にランクイン。累計成績では動員182万人&興収28億円を突破。それぞれ200万人&30億円という大台突破も迫ってきている。

『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』が6位に初登場 [c]西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会

初登場タイトルはほかに2作品。6位にランクインしたのは、1980年に公開されたヒット作『ヤマトよ永遠に』に新解釈を加えて再構築した全26話を7章に分けて上映する『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』(公開中)。昨年7月公開の第一章は8位スタート、昨年11月公開の第二章は10位スタートだったので、現時点でシリーズ最高位のオープニングに。次の『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第四章 水色の乙女(サーシャ)』は10月10日(金)に公開。

また10位には、世界的ベストセラー小説をレネー・ゼルウィガー主演で映画化した人気シリーズ9年ぶりの第4作となる『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』(公開中)がランクイン。夫を失いシングルマザーとして子育てと仕事に追われるブリジットが、29歳の年下男性や、子どもが通う学校の理科教師と距離を縮めていく姿が描かれる。ブリジットの元恋人のダニエル役を演じるヒュー・グラントが、21年ぶりにシリーズ復帰を果たしたことも大きな話題に。

大絶賛に包まれ拡大上映がスタート!『教皇選挙』が7位に浮上 [c] 2024 Conclave Distribution, LLC.

前週6位に急上昇した『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』(公開中)は、さらに順位を一つ上げ、公開8週目にして初のトップ5入り。累計成績では動員51万人&興収12億円を超えた。そして作品の完成度の高さが口コミで広がりつづけている『教皇選挙』(公開中)は、この週末から上映館を拡大。前週の10位からいっきに7位まで順位を上げている。

以下は、1~10位までのランキング(4月11日〜4月13日)

1位『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』

2位『アマチュア』

3位『ウィキッド ふたりの魔女』

4位『片思い世界』

5位『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』

6位『ヤマトよ永遠に REBEL3199 第三章 群青のアステロイド』

7位『教皇選挙』

8位『白雪姫』

9位『ファーストキス 1ST KISS』

10位『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』

今週末は、いよいよ劇場版「名探偵コナン」シリーズの最新作『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』(4月18日公開)がスタート。日本歴代2位のオープニング成績を記録した『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(24)から1年。シリーズ最多の522館(IMAX55館、MX4D12館、4DX62館、DolbyCinema9館含む)で上映される今年は、どんな記録を打ち立てるのか、大いに注目したい。

文/久保田 和馬

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