「ゴッドファーザー」シリーズや『地獄の黙示録』(79)など数々の名作を生みだしてきたフランシス・フォード・コッポラ監督が、1980年代より温めてきた夢の企画が、40年もの長い年月を経てついに完成。14年ぶりの最新作の映画『メガロポリス』が6月20日(金)より日本公開、IMAX上映されることが決定。このたび、ポスタービジュアルと予告編も解禁となった。
【写真を見る】『ゴッドファーザーPARTIII』の再編集版の公開に際し、オンラインインタビューに応じたフランシス・フォード・コッポラ
コッポラ監督が、自身の私財1億2000万ドル(約186億円)を投じ、壮大なスケールで創り上げた本作。彼が幼少期に観たH.G.ウェルズ原作の映画『来るべき世界』(36)より着想を得て、1980年代より脚本を構想していた。2001年にはニューヨークで台本読み合わせを実施。ロバート・デ・ニーロ、ポール・ニューマン、レオナルド・ディカプリオ、ユマ・サーマン、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ラッセル・クロウら名俳優たちが参加し、撮影準備を進めていたが、同年ニューヨークで9月11日の悲劇が起こり、企画は中断となった。2007年には支援も途絶え、一度は断念の危機に。しかしコッポラは決して諦めなかった。その理由として、「この作品は私の中でまだ孵化し続けていた。というのも、私は作り方を知らない映画を作るのが好きだからだ。作り方を知らなければ、映画が作り方を教えてくれる。それに耳を傾けると、とてもエキサイティングなんだ」と語っている。そして約300回にも及ぶ脚本の書き直しを経て、ついに2021年、彼は自身のワイナリーの一部を手放し、私財1億2000万ドル(約186億円)を投じて映画製作を再始動。85歳になるいま、まさに人生を賭けた渾身の一作を作り上げた。
本作の舞台は、富裕層と貧困層の格差が社会問題化したアメリカ共和国の大都市ニューローマ。古代ローマの叙事詩を現代のアメリカと重ね合わせたことについて、コッポラ監督は「アメリカが共和制ローマの再来であることは明らかだ。ニューヨークに行けば、ローマ時代の建物で埋め尽くされていることに気づかされるだろう。私の意図は、古代ローマを模倣した現代のニューヨークを舞台にしたローマ叙事詩を書くことだった」と語っている。
そんな記念すべき超大作に集まった俳優たちも超一流だ。天才建築家の主人公、カエサル・カティリナを演じるのは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)でカイロ・レンを演じ注目を浴び、『マリッジ・ストーリー』(19)では、アカデミー主演男優賞にノミネートされるなど、高い演技力が評価されているアダム・ドライバー。またカエサルと対立する新市長フランクリン・キケロには、『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89)などで知られるジャンカルロ・エスポジート、キケロの娘、ジュリアを「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズなどのナタリー・エマニュエル。そのほかにも、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ ヴォイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマンら豪華俳優たちが脇を固める。
今回解禁となった予告映像は、ドライバー演じる天才建築家カエサルが「時よ止まれ!」と叫び、自身の時間を止まる能力に気づくシーンから始まる。富裕層と貧困層の格差が社会問題となっているアメリカ共和国の大都市ニューローマを舞台に、カエサルは「夢に描いた都市をわたしは創りたい」と新都市、メガロポリスの開発を進めようとする。一方で財政難という課題を現実的に解決しようとする新市長のキケロは「夢など要らない。必要なのは救済だ」と真正面から対立する。また一族の後継を目論むクローディオ・プルケル(ラブーフ)の策謀にも巻き込まれ、カエサルは、絶体絶命の危機に直面する。映像には、古代ローマのコロッセオを彷彿とさせる荘厳なセットや、緻密に作り込まれた未来都市メガロポリスの映像など、コッポラ監督が描く壮大な世界観に圧巻される映像となっている。
そして日本版ビジュアルでは、物語の舞台となるカエサルの住むビルが中心にそびえ立ち、その周囲には本作を彩る個性豊かなキャラクターたちが描かれている。さらに、ひときわ目を引く鷲のオブジェは、本編の重要なシーンで象徴的に登場する。まさに作品の壮大な世界観を表現したビジュアルに仕上がった。
またムビチケ前売券(オンライン)は4月18日(金)より発売されることが決定。さらに発売より1週間、ムビチケ前売券(オンライン)通常1600円が1400円となるタイムセールを実施される。
40年の時をかけ、私財を投げ打ってでも完成させたかった本作の醍醐味とは一体何なのか?コッポラ監督がすべてをかけて挑んだ世紀の大作に期待が高まる。
文/鈴木レイヤ