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休職のずっと前から助けを求めていたのに。軽視されたままの心の病気

  • 2025.4.15

休職というと、世間的にはあまり良いイメージを持たれない。実際に休職することになるまで、私もそう思っていた。休職することが悪いということではなく、単にマイナスな評価を受けてしまう行為という印象。家庭の事情で、病気で、怪我で、心の病気で……。

◎ ◎

私も前職で気持ちがどんどん追い込まれてしまって、早く休みたかった。逃げ出したかった。

休職という選択肢を取るためには、一筋縄ではいかない。特に心の問題だと。一般的には、病院の診断書ありきでしか認められにくいものだと思う。

少し休みたいのであれば、有給をとる選択肢だってあるけれど、職場によっては(違法だけど)取らせてもらえなかったり、言い出しにくかったり、そもそも業務量が多過ぎて休めなかったり。たとえ1、2日なら有給を取れても、それだけで改善するほど、心の問題は単純ではないと私は思う。むしろ、中途半端に休んでしまうと、次に出社する日を意識してしまい、ゆっくりできないことだってある。

私は、辛くて辛くて、休職する前に、涙ながらに人事総務の担当者や社内のキャリアカウンセリングを受けたこともあった。異動したい、人を増やしてほしい。それでも改善されなかったから、休職という選択肢を取らざるを得なかった。

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今では当たり前になっている、年に1度のストレスチェック。結果がよくなければ、社外のカウンセリングを受けられるというものらしいが、その時にはもうすでに私の心は疲弊していて、体調的な自覚症状もいくつもあった。正直に、むしろ結果が引っかかって欲しいという思いで、嘘にはならない程度に、少しオーバー目にチェック。

結果は、問題なし。

ストレスチェックの項目を見ていると、目に見えて長時間労働をずっと強いられているとか、体調不良とか、そういった本当に仕事が今できているのが不思議に思うほど、極端な、辛い思いをしている人の本当にひと握りしか、カウンセリング対象にはならないのではないかと感じた。

表向きは、比較的有休も取りやすかったし、年間休日も多い方だし、その時点では残業もさほど多くない私は、問題ないのだろう。社内で頼るものがなくなった私は、自分が限界だと思うまで耐えるしかなかった。そして耐えた末に、病院で診断書をもらい休職。

果たして、休職ってこれでいいのだろうか。追い込まれた末の休職で、戻る気にもなれず、 結局は退職。

休職する前に、もっと定期的に社内で気心が知れた人と面談が出来ていたら、何か変わっただろうか。自主的にでも、外部のカウンセリングを受けられていたら、何か変わっただろうか。

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心以外の病気や、家の事情で休める制度はもちろん大切だと思う。

でも一方で、心の病気はまだまだ軽視されていると感じる。私自身に問題がなかったのかと言われるとそうではないだろう。きっと私にも、改善できることはあった。でも、それ以上に変えられない環境があった。

きっと私のように、なかなか口に出せないけれど、辛い状況にいる人はたくさんいるのだと思う。

そういった潜在的に心を病み始めている人を早め早めにすくい上げることはできないのだろうか。少なくとも私は、もっと早い段階から、休職するずっと前から助けを求めていた。

実際に全てをすくい上げることは難しいし、全て会社に求めるのも違うかも知れない。

でも、社会として会社として、見捨てないように動いている、動くつもりはあると、姿勢を見せることは必要ではないかと思う。それだけでも救われる人はいるのだと思う。

■mariとりんごのプロフィール
旅行好き。漫画、本好き。

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