日本の伝統色を知る
日本の伝統色「長春色」とは……
灰色がかった紅紫色で、穏やかで落ち着いた印象を与える色です。この色名は「常春(とこはる)」を意味し、中国原産のバラ科の庚申薔薇(こうしんばら)の別名である長春花に由来します。19世紀後半のヨーロッパで人気を博した、色褪せたバラの色を表す「オールドローズ」に色が似ていることから大正時代初期にも流行しました。その落ち着きと品の良さから女性向けの衣服や小物によく使われた色です。
長春色 = ちょうしゅんいろ
薔薇自体は中国から輸入され、平安時代に「そうび」と呼ばれ貴族に観賞用として親しまれました。「長春色」は、ちょうしゅんいろと読みます。
DIC 日本の伝統色:R191 G103 B102 #BF6766/長春色(ちょうしゅんいろ)
「日本の伝統色を知る」とは
美しい日本の伝統色、その漢字の読み方、色の背景なども合わせてご紹介していきます。いにしえから紡いできた日本の感性をともに味わってみましょう。
参考図書:「美しい日本の伝統色」PIEインターナショナル刊、「365日にっぽんのいろ図鑑」暦生活著 玄光社刊