敗者復活!? 最後のサバイバルが幕を開ける
あの衝撃の開幕から、まさかこんな結末を迎えるとは……! 恋愛強者たちが生き残りをかけて火花を散らしたABEMAの恋愛リアリティショー「ラブパワーキングダム~恋愛強者選挙~」。最終回まで見届けた筆者は、確信した。これは、やはり単なる恋リアじゃなかった。序盤から「愛より票が大事!?」なんて衝撃的なルールを突きつけられ、モテるだけじゃ即退場もありえるシビアな世界。そんな中迎えた最終回は、まさに予測不能の連続だった。 まだ興奮冷めやらぬ筆者が、最終決戦の模様を語り尽くしたい。
7話で導入された敗者復活制度。自分が応援されるかどうかを試される、他人への投票方式は、まさにこの番組の残酷さを象徴していた。そんななか、見事復活を遂げたのは、ひろき(28)とレイカ(26)! 脱落中に別室ですべて観察していたという、チート級のアドバンテージを引っ提げてのカムバックは、まさにゲームチェンジャーでしかない。
特にすごいのは、レイカの覚醒っぷり。やはり、一度落ちた者は強い。駆け引きなんかは抜きにして素直に参加者と向き合う様は、まさに女王の風格。一方のひろきは、かつて想いを寄せていたあかね(30)との再会で、複雑な感情を抱え始める。一度ドン底を見たことで、人間関係の本質に気づかされる展開はドラマチックだ。
これはガチ恋?それとも票稼ぎの策略?
暫定キング・いっせい(23)とクイーン・アオイ(27)に与えられた特権、それはお泊まりデート。いっせいが選んだのはみほ(31)、アオイが選んだのはあり(30)だった。この密室での一夜が、またもや視聴者の心臓を鷲掴みにする。
いっせいとみほのイチャイチャっぷりは、もはや公然の秘密か? 「付き合ったら一緒にお風呂入る?」なんて甘い会話から、まさかのキスまで飛び出す展開は、完全に二人だけの世界。
一方、アオイとありの二人から醸し出される、大人な雰囲気も甘やかで濃い。ベッドでの語り合いやバックハグ、アオイの口から飛び出す「ここまで残っていると疑われるよね」発言などは、どこまでが本音でどこからが計算なのか読めない。この予測不能な展開こそ「ラブキン」の真骨頂といえる。
ゲーム放棄宣言!? 涙必至のめるの手紙
そんな駆け引きが渦巻く状況で、一筋の光を見せたのがめる(26)だった。いっせいに宛てた手紙で、自分の素直な気持ちを涙ながらに伝える姿は、視聴者の涙腺を刺激する。
「疑心暗鬼にさせてしまってごめんね」「正直な気持ちを伝えたい」めるの勇気ある告白に、いっせいも心を打たれたようだ。「素直なめるがいちばん良い」と返す展開は感動でしかない。何よりも票至上主義のこの世界で、“ゲームを降りる”という選択をしためるは強い。
さらに、めるはけいいちにも正直な自分の気持ちを伝えた。その潔くも誠実な様子に、けいいちも「気持ちいい振られ方だった。恋っていいなと思った」とコメント。どちらも、お互いに本気で向き合ったからこそ、導かれた本音だった。
「モテ」の定義が変わる? 人間としての愛され力が試される
そして迎えた最終回。これまでの「1人3票」制から一変、「本命の1人」へのFinalモテVOTEとなる。 最後の最後で、票が「戦略から純粋な想い」へと変わる瞬間だった。
誰かの涙に心を動かされたり、手紙の言葉に胸を打たれたり、最後まで誠実だった人に惹かれたり……。あかねがありに初めて涙ながらに想いを伝えたり、協定を裏切られても自分らしさを貫いたみさきの姿も、まざまざと思い返される。
めるが女子部屋で語った「ここでの“モテ”って、恋愛じゃなくて、人間としての愛され力だと思う」という言葉は、まさに核心を突いていた。 結局、キング&クイーンの称号よりも、「誰が本当に愛されたか」「誰が信頼されたか」のほうが、ずっと心に残っている。
票をたくさん集めた人がイコール幸せとは限らないのが、この番組の深いところだった。泣きながら想いを伝えた人、自分の未熟さを認めて謝った人、票が少なくても気持ちを貫いた人……それぞれの姿が、勝者以上に輝いて見えた瞬間も多かった。
「ラブキン」が教えてくれたのは、「人に好かれるテクニック」ではない。「人を信じる力」の大切さだった。
票の向こう側にあった、かけがえのないもの
「ラブパワーキングダム」は、確かに恋愛リアリティショーだった。でも、そこで繰り広げられたのは、単なる恋愛ゲームではない。
票という厳しいルールのなかで、それでも「この人といたい」と願う気持ち、信じること、伝えること、傷つきながらも前に進むこと……。それらすべてが、恋という名の人間ドラマだった。
この番組を通して、少しだけ人の本音を信じてみようと思えた方も多いんじゃないだろうか。たとえ、それが票という結果に繋がらなかったとしても。だって、本当に大切なものは、きっと票の数じゃ測れないものだから。
(北村有)