英国滞在時の警護を巡り、内務省を相手取り訴訟を起こしているヘンリー王子。4月9日(以下、現地時間)にロンドンの王室裁判所を退廷する際、『ピープル』に対し、ショックを口にした。「消耗するとともに、圧倒されています。裁判で法的開示されたことにより、いちばん恐れていたことが現実になりました……本当に悲しいです」
2020年1月にヘンリー王子夫妻が王室を離脱したことを受け、王族・要人警備執行委員会(RAVEC)は同年2月、王子一家の保護のレベルを引き下げることを決定した。王子はこれを不服として、英内務省を提訴。昨年2月、高等法院は政府の決定に違法性はないとして王子の申し立てを退けたが、王子はこの判決を不服として控訴している。
4月8日に始まった2日間にわたる非公開の審理で、王子の弁護団は、RAVECが標準的な手続きを踏まずに、王子一家を「特例措置による不当で劣悪に扱い」、セレブや元首相を含む「その他要人」に分類される人々に提供されるべき保護から除外したと主張した。同メディアによると、王子側はRAVECには父チャールズ国王の側近ら王室メンバーが含まれており、警護体制のはく奪は、王子一家を支配し、王室復帰を強いるために行われた意図的な策略だと見ているようだ。
ヘンリー王子は、亡きエリザベス女王に公務を続けながら海外で暮らすことを提案した際、一家の警護継続が了承されたと話す。王子一家の「効果的な警護」の必要性を支持するエリザベス女王の手紙も、これまでの裁判で明らかになっている。4月9日の審理では、ほかにもいくつか王子の「懸念」を裏付けする証拠が開示されたとみられる。「隠蔽されていることが明らかになれば、人々は衝撃を受けるでしょう」と王子はショックを隠さない。
なお、判事3人は判決を保留しており、判決の言い渡しまで数週間かかるとみられるが、妻メーガン妃や、5歳の息子アーチー王子、3歳の娘リリベット王女の安全に関わる問題であるため、王子は結果にかかわらず、闘いを止めないことを明確にしている。
Text: Tae Terai
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