【漫画】一度は保健所へ収容された老犬たち…著者と保護犬たちのかわいらしい物語に「心が温まりました」の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、tamtamさんのコミックエッセイ『たまさんちのホゴイヌ2』(世界文化社)より、『Chapter3 お爺 「異色のコンビ」』をピックアップ。本作は『たまさんちのホゴイヌ・ホゴネコ』シリーズの第3弾として発売中。本記事ではtamtamさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
犬猫の保護活動を行う著者・tamtamさんが描くコミックエッセイ
人通りの少ない海岸沿いで衰弱しかけている1匹の老犬。飼い主は現れず、老犬は保健所へと移送されることになった。
老犬の汚れた体を見た保健所の職員さんたちは、「大変だったね」と老犬を撫でる。そんな老犬は、保健所の職員さんたちに“かいちゃん”と名付けられた。名前の由来は、「海にいたからかいちゃん」だという。
かいちゃんは、保健所の職員さんたちによる熱心なケアの甲斐あって、みるみるうちに元気を取り戻していった。
しかし、保健所は次々と犬たちが収容されてキャパオーバー。その上、かいちゃんには元の飼い主も現れず、新しい里親の声がかからないという厳しい現実が突きつけられていた。
そして、かいちゃんは殺処分の対象になってしまったが…。
本作は、X(旧Twitter)でも大きな反響を集めており、「世界中のワンちゃん、猫ちゃんが幸せになりますように…」「犬や猫をこれから飼おうとしている方々に読んで欲しい」「心が温まりました」「色々と考えさせられる」「感情が揺さぶられた」などの声が寄せられている。
旅先で拾った猫がきっかけで感じた「限りある命に向き合いたい」という思い
――シリーズ第三弾となる本作『たまさんちのホゴイヌ2』の発売が決まった時の率直な感想をお教えください。
まさか本当に2が出版されるとは思っていなかったので、素直に驚きました。『ホゴイヌ1』では私が自分の人生を持って伝えたいこと全てを書かせていただいたつもりだったので、2を書くとき、自分は読んでくれる人にどんなことを知って欲しいのか、どんなことを伝えたいかをものすごく考えました。
――犬猫の保護活動に携わるきっかけとなったエピソードがございましたらお教えください。
学生の時に、旅先で猫を拾ったんです。ガリガリに痩せ細って、薄汚れた猫で、拾った地名から「たんば」と名づけました。小さなたんばを迎えた私の生活は光が差したように明るくなったのを今でも覚えています。そのたんばは、猫白血病により、我が家に来て2週間ほどで亡くなってしまいました。それでも、たんばのくれた光は消えることはありませんでした。限りある命に向き合いたいと思ったのがきっかけに繋がっていると思います。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
異色のコンビは老犬と子犬が両方我が家に来た時のお話なのですが、作中にその2匹が眠るシーンがあるんです。歳をとって残りの余生を過ごす老犬と、犬生が始まったばかりの子犬。対照的な2頭に見えるけど、寝顔はどちらも天使!!境遇が違えど、安心して眠る姿を見れることは、私にとってすごく幸せを感じられる瞬間でした。
――保健所から犬猫を預かり里親を探す「一時預かりボランティア」をされているとのことですが、どんな時にやりがいを感じますか?
里親さんから近況報告をいただく時が一番やりがいを感じています。我が家は多頭飼育で、やはり保護して間もない子や病気を患っていたり、精神的に不安定な子のケアに集中してしまいます。大切な家族の一員として迎えられ、幸せそうな姿を見れること以上のやりがいはないと思います。
――tamtamさんの作品は、柔らかいタッチと優しい色づかいで描かれており、犬や猫たちへの愛情を感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
ありがとうございます。強いていうのならば、表情や仕草に意識しています。犬猫は言葉を話すことはありませんから、感じていることを仕草や表情に表します。嫌なことは嫌、嬉しいことは嬉しい、その時々で伝わる感情をしっかり描き表したいと思っています。
――最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。
今回登場する4つのホゴイヌ達は、一度は“人“から手放された過去を持つシニア犬です。そして、彼らのことを思い、最後の最後まで懸命に向き合い続けてくれだ”人"がいます。“感動系”と言う名のオブラートに包みつつ、様々な”家族”の姿を描かせていただきました。たまに一緒に悩んでみたり、たまにクスッと笑ってみたり、たまにホロッと涙を流してみたり、たまに優しい気持ちになってみたり…読んでくれる人全てに、彼らの優しさや温もりが伝わるように描かせていただきました。忘れそうな感情を思い出させてくれる彼らのお話、たまに読み返してもらえると嬉しいです。