四角いブロックだけで構成された世界の中で、自分の好きなようにものづくりや冒険が楽しめる世界的大人気ゲーム「マインクラフト(通称:マイクラ)」。いまや世界中で世代も性別も超えてプレイされ、アパレルやおもちゃなどの関連商品の展開だけでなく、小中学校の教材にも活用されるなど、ゲームの枠を超えた一大ムーブメントを巻き起こしている。
【写真を見る】まさかの焼き鳥自動製造機まで!ゲームを再現しすぎなマイクラワールド
この“マイクラワールド”を、ハリウッドの豪華スタッフ&キャストで完全再現して、まさかの実写映画化した『マインクラフト/ザ・ムービー』が、いよいよ4月25日(金)に日本上陸する。先駆けて公開を迎えた北米では、初日から3日間で興収1億6300万ドルを突破するメガヒットを記録!『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)を超えて、ゲームを原作にした作品としても、ファンタジーアドベンチャー映画としても歴代1位のオープニング成績を叩きだすなど、全世界で“マイクラ現象”が拡大中だ。
日本でも小中学生やゲーム好きの間では超有名!だけど、実は“マイクラ”という言葉を聞いたことがあるぐらい…な人も少なくないのでは?そこで本稿では、今年のゴールデンウィークにみんなで観に行くのにぴったりな本作をより楽しむために、マイクラの魅力を徹底的に紹介していこう!
できないことはなにもない!クリエイティブ力を刺激する“自由な世界”
スウェーデンで2009年に開発され、2011年に正式リリースされた「マインクラフト」。2014年には「世界で最も売れたインディーズゲーム」としてギネス世界記録に認定され、2023年には全世界売上本数が3億本を突破し、その勢いはいまも衰えることを知らない。
マイクラの世界は、基本的にすべてが四角いブロックでできていて、キャラクターや動物も四角い姿をしている。このブロックには、土、木、水など大量の種類があり、これが組み合わさることで林や池に、さらには草原や集落といった様々な景色を生みだしている。
ここで重要なのは、このブロックのほとんどはアイテムとして入手ができ、自由に使うことができること。プレイヤー自身の“クリエイティブ力”を駆使することで、家を建てたり、新しい道具を作ったり…と、自分だけのオリジナルの世界を作り上げることができるのだ。“やりたいことをなんでもできる”、この自由度こそがマイクラの最大の魅力なのである!
仲間と共にサバイバル!著名人の多くも魅了される世界観
映画につながるポイントとして、もう一つ、“サバイバル”という要素がある。世界の真ん中でなにも持たずスタートするマイクラの世界では、ゾンビやクリーパーといったプレイヤーに襲いかかってくる敵キャラクターがいる。そんな世界で、文字どおり生き残るために、安全を確保するために拠点となる家を作ったり、時には敵とも戦いながら、アイテムを求めて世界中を探検していくことになる。
そして、友人や家族と一緒に遊ぶことができるのも人気の要因。みんなで協力して“サバイバル”したり、お互いの“創造力”を駆使して巨大な建物を作ったり、多数の人が集まり役割を決めてマイクラの世界で生活してみたり…。ゲームの中でコミュニティを形成できるのも、魅力のひとつとなっている。また、やり方一つでもその人の性格が出ることから、バラエティ番組やゲーム実況動画などでも頻繁に取り上げられ、狩野英孝やHIKAKINといった著名人の多くも、マイクラに魅了されているのだ。
ただのゲームではない!?マイクラが広げる、子どもたちの可能性
「どうやったら実現できるのか?」を想像し、プロセスを調べたり考えたりしながら実行していくことは、従来のゲームにはなかった点。これが教育分野にも活用できることが認められ、プログラミング教育、情報教育、協同学習などの教材として使えるようにした「教育版マインクラフト」もリリース。海外では必修科目に加えようという動きも出ているのだとか!
日本でも小学生向けにマイクラを使ったプログラミング教室が人気を博していたりと、もはや「ゲーム」という遊びには収まりきらない領域に。楽しみながら想像力や実行力、プログラミングスキルを養う、まさに子どもたちの可能性を無限に広げてくれる次世代のツールといえるだろう。
ハリウッドの王道を行く、異世界転送ファンタジー超大作!
そんな「マイクラ」の“クリエイティブ”と“サバイバル”の2つの要素を活かしながら、GWにみんなで観たくなる、異世界転送ファンタジー超大作へと昇華させたのが『マインクラフト/ザ・ムービー』だ。物語は、スティーブ(ジャック・ブラック)が完璧な日々を謳歌するマイクラワールドに、ギャレット(ジェイソン・モモア)とナタリー(エマ・マイヤーズ)&ヘンリー(セバスチャン・ハンセン)姉弟、そしてドーン(ダニエル・ブルックス)の“非リア充”4人が転送されてくるところから始まる。
イメージしたものをなんでも創りだせる四角いマイクラワールドを冒険する彼らに迫るのは、次々と現れる四角いモンスターたち。さらに、危険たっぷりでなにも創造できないし喜びもない、黄金を掘るだけの世界“ネザー”を根城にしたマルゴシャ率いる四角いブタのピグリン軍団も襲来!ピグリン軍団からマイクラワールドを守るため、ギャレットたちはクリエイティブ力を駆使してサバイバルを繰り広げていく。
個性豊かな5人が、四角い世界を守るために奮闘!
マイクラを知らなくとも、誰もが観ながらハッピーな気持ちになれるエンタメ大作に仕上がった本作だが、プレイしたことがある人なら、この“転送先住民”のスティーブの姿を見ただけで、思わず笑みがあふれてしまうだろう。水色のシャツにブルーのパンツという「マイクラ」を象徴するデフォルトスキン(=キャラクターの姿)の一つであるスティーブを、そっくりそのままでジャック・ブラックが熱演!より一層マイクラワールドへの没入感を高めてくれる日本語吹替版では、山寺宏一が担当し抜群のコメディセンスとハイテンションな演技に期待が高まる。
ピンクが大好きで、1980年代にゲームチャンピオンだったギャレットを演じるのは、まさかのジェイソン・モモア!屈強なキャラクターを演じ、アクアマンでのヒーローの印象も強いモモアだが、ギャレットはまったく正反対のキャラクター。この真逆さに、多くのモモア出演作で吹替を担当し、本作でも吹替を務めた安元洋貴も「蓋を開けてみたら…予想していたよりも何倍もハイテンションでした笑」と、困惑しつつも楽しく収録したという。
ほかにも、発明家を夢見るクリエイティビティあふれる少年のヘンリー(吹替:村瀬歩)、たった一人の弟ヘンリーを守るしっかり者のナタリー(吹替:生見愛瑠)、移動動物園の園長ドーン(吹替:斉藤貴美子)と、マイクラワールドで冒険をする5人はみな個性豊か!それぞれがどんな役割で活躍するのか?劇場でその勇姿を確認してほしい。
リアルな質感をプラスして、完全再現されたキャラクターたち!
自由さゆえに決められたストーリーがない「マイクラ」を映画として描くにあたり、やはり重視されたのはその世界観の再現度の高さだ。「この映画は、無数にあるマインクラフトの物語のうちのひとつ」と、ゲームのクリエイティブディレクターの一人であり、本作の製作にも携わったトルフィ・フラン・オラフソンが語る。
おなじみのミツバチや、主人公をサポートしてくれるオオカミのデニス、ゲーム内ではレアキャラとして知られるピンクのヒツジ、さらには愛らしいパンダまで、登場する動物たちは四角い見た目の“マイクラらしさ”を保ちながら、それぞれにリアルな質感がプラスされて愛らしさが倍増!おもわずグッズがほしくなってしまうかも?
ほかにもマイクラには欠かせないキャラクターが数多く登場するが、注目したいのは唯一現実世界に逆転送されてしまう村人・ニットウィット。予告の最後では車に跳ね飛ばされてしまっているが、大きな頭と鳴き声のような声が完全再現されているのがポイント。吹替版では人気動画クリエイターで多くのマイクラ動画も投稿しているHIKAKINが担当するのだが、いったいどんな声を披露してくれるのか!?
マイクラの顔のような存在で、近付くと爆発するクリーパーに、弓を放つガイコツのスケルトンなど敵キャラたちもしっかり再現。敵であるピグリン軍団も、ゲーム版と同様にネザーで大群を形成している。キモカワな見た目に反して、意外と厄介な存在の軍団を率いるのはチャンガスだ。どこか抜けていて、どこかポンコツなチャンガスの吹替は、マイクラを愛するリアクション芸人としてもお馴染みのお笑い芸人、狩野英孝が演じている。
そしてもちろん、マイクラワールドを生き抜くための剣やツルハシに焼き鳥自動製造機まで、あらゆるアイテムがスクリーンいっぱいに拡がる!マイクラのアイテムは実際にグッズ化されるほど人気を集めているが、これを使ってリアルに戦う姿を見ることは、子どもたちの夢とも言える?
ゴールデンウィークは、マイクラワールドに飛び込もう!
日本語吹替版では、ほかにもHIKAKINの実兄であるSEIKIN、マイクラのゲーム実況で人気のトップ動画クリエイター“ドズル社”や“日常組”、“カラフルピーチ”のメンバーも参加。マイクラファンにとっては見逃せない。また、IMAXほかラージフォーマットでの上映も決定しており、“マイクラワールド”に転送されたかのような没入感が味わえるはずだ。
マイクラ経験者もそうでない人も、思わず好奇心と探究心がくすぐられるエンタメ性の高さで、映画館を出たら、きっとすぐにでもマイクラをプレイして自分だけの世界を創りたくなること間違いなしの『マインクラフト/ザ・ムービー』。今年のゴールデンウィークは映画館で、超絶楽しいマイクラワールドに飛び込もう!
文/久保田 和馬