北米の主要スタジオが一堂に会し、今後公開される作品のプレゼンテーションを行なう世界最大級の映画見本市「シネマコン2025」が、現地時間3月31日から4月3日にかけてラスベガスで開催。人気シリーズの続編など注目のビッグタイトルの最新情報が次々と発表された。本稿ではそのなかから、ホラージャンルの作品をピックアップ。2025年と2026年には、いったいどんなホラーが控えているのか。各スタジオ別に紹介していこう。
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ユニバーサル・ピクチャーズ
まずは『ゲット・アウト』(17)や『NOPE ノープ』(22)のジョーダン・ピールが製作を務めた“フットボールホラー”『Him』。怪我で戦線を離脱した将来有望な大学フットボール界のスター選手(ティリク・ウィザーズ)が、憧れていた伝説のクォーターバック(マーロン・ウェイアンズ)からトレーニングに誘われ、僻地にある悪魔的な屋敷に足を踏み入れていく物語。北米では9月19日の公開が予定されている。
また、ジェイソン・ブラム率いるブラムハウス・プロダクションズ製作の4タイトルの情報も一挙に発表。公開順に紹介していくと、大ヒットを記録した『M3GAN/ミーガン』(22)の続編となる『M3GAN 2.0』(6月27日北米公開)、スコット・デリクソン監督とイーサン・ホークが再タッグを組み、ブラムも「前作よりさらに怖い」と太鼓判をおす『Black Phone2』(10月17日北米公開)。
さらにブラムハウス最大のヒット作となった『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(23)の続編で、エマ・タミ監督とジョシュ・ハッチャーソン、マシュー・リラードが続投。新たにマッケンナ・グレイスも加わる『Five Nights at Freddy's 2』(12月5日北米公開)の初映像に加え、シネマコン会場限定で『M3GAN/ミーガン』のスピンオフで、妻を亡くした男性が手に入れたAI人形サラの恐怖を描く『SOULM8TE』(2026年1月2日北米公開)の初映像も上映された。
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
ディズニープラスで配信され好評を博した『プレデター:ザ・プレイ』(22)に続く「プレデター」シリーズの最新作となる『Predator: Badlands』(11月7日北米公開)は、シリーズで初めて捕食者プレデターが“善”の側として描かれる異色作になることが明らかに。
『ザ・プレイ』に引き続きダン・トラクテンバーグ監督がメガホンをとり、エル・ファニングが主演を務める同作。ファニングが演じるのは、群れから追放された一体のプレデターと手を組み強大な敵に挑む主人公。また、同じくトラクテンバーグ監督が手掛けるもう一つの「プレデター」作品が、アンソロジー形式のアニメーション映画『Predator: Killer of Killers』としてこの夏に配信公開されることも、シネマコン終了後に発表されている。
パラマウント・ピクチャーズ
1990年代に一世を風靡したスラッシャー青春ムービーの代名詞「スクリーム」シリーズの最新作『Scream 7』のプレゼンテーションでは、特に目新しい発表はなかった。すでに伝えられている通り、シドニー役のネーヴ・キャンベルをはじめ、“レジェンド”キャストがカムバックを果たす同作は、2026年2月27日北米公開。まだカムバックがウワサ段階のキャストも複数いるため、今後の続報に注目しておく必要がありそうだ。
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
3部作として展開することが明らかにされている、「28日後…」シリーズの続編『28年後…』。ウイルスの漏出から生き残り、厳重に警備された小さな島で暮らす生存者が、新たな恐怖に遭遇する様を描く第1弾の『28年後…』は6月20日(金)に日米同時公開。そして第2弾となるニア・ダコスタ監督の『28 Years Later: Bad Temple』は2026年1月16日(金)に北米公開を控えている。
今回のシネマコンでは、会場限定で『28年後…』の新たな映像が公開され、『28 Years Later: Bad Temple』の編集作業が現在進められていることが明らかに。また、完結編となる第3弾でメガホンをとることが報じられているダニー・ボイル監督は、資金調達に苦慮しており制作に着手できていないことを説明。第3弾の公開はもう少し先になりそうだ。
他にも同スタジオでは、原作ゲームの恐怖感を忠実に再現する新たなアプローチで描かれる「バイオハザード」シリーズの最新作にしてリブート版が待機。2026年9月18日に北米公開される見通しだ。さらにデヴィッド・F・サンドバーグ監督の『Until Dawn』(4月25日北米公開)や、「ラストサマー」のリブート版『I Know What You Did Last Summer』(7月18日北米公開)、そして「インシディアス」シリーズの最新作が2026年8月21日(金)に北米公開されることなども発表されている。
ライオンズゲート
“ホラーの帝王”スティーヴン・キングが最初に執筆した作品として知られる名作ながら、これまで一度も映像化されてこなかった「死のロングウォーク」を、「ハンガー・ゲーム」シリーズのフランシス・ローレンス監督が映画化する『The Long Walk』が、9月12日に北米公開されることが決定。
『リコリス・ピザ』(21)のクーパー・ホフマンや、『ジョジョ・ラビット』(19)のローマン・グリフィン・デイヴィス、『エイリアン:ロムルス』(24)のデヴィッド・ジョンソンら注目の若手キャストに加え、「スター・ウォーズ」シリーズのマーク・ハミルが絶対的権力者である少佐役として出演する同作。プレゼンテーションに参加したジョンソンは、昨年夏に行われた撮影が劇中さながら毎日20キロメートル前後を歩く過酷なものだったことを振り返った。
また昨年秋に製作決定が伝えられている、2000年にクリスチャン・ベール主演で映画化されたブレット・イーストン・エリスの小説「アメリカン・サイコ」をルカ・グァダニーノ監督が再映画化する企画についても続報が。ビデオメッセージで登場したグァダニーノ監督は「非常に順調に仕上がっている」と脚本の進捗状況を明かし、主人公であるパトリック・ベイトマン役のキャストについて「非常にエキサイティングな俳優たちと交渉を進めている」と言及。続報に乞うご期待。
ワーナー・ブラザース
ユニバーサルモンスターの傑作『フランケンシュタインの花嫁』(35)を、マギー・ギレンホールがメガホンをとり独自の解釈を加えてミュージカル調のダークホラーとして再映画化する『The Bride』は、既報の通り2026年3月5日に北米公開。
クリスチャン・ベールがフランケンシュタインの怪物を、ジェシー・バックリーが花嫁を演じる他、ピーター・サースガードやアネット・ベニング、ジェイク・ギレンホール、ペネロペ・クルスらが共演。IMAXでも撮影が行われたのだとか。
また、シネマコンの開催前に最新の予告映像が解禁された「ファイナル・デスティネーション」シリーズの最新作『Final Destination: Bloodlines』(5月16日北米公開)は、同会場内で7分間の新規フッテージが公開された模様。1960年代に起きたタワー倒壊事故を発端に、何十年にわたって“死”を回避してきた家族が描かれていく同作。久々のシリーズ最新作で、どこまで進化を遂げているのか注目が集まるところ。そして、「バイオハザード」のリブート版が控えるザック・クレッガー監督の新作ホラー『Weapons』(8月8日北米公開)のファーストルック映像も会場内限定で解禁されたようだ。
リメイクや続編、往年の人気ホラージャンルであるモンスターものやゾンビものから現代的な恐怖を描く作品まで、バラエティに富んだラインナップが揃ったハリウッドメジャースタジオのホラー作品。どれも日本上陸が待ちきれない!
文/久保田 和馬