たんぱく質不足は美容と健康の大敵。今こそ見直したい摂取量
毎日十分な量のたんぱく質を摂取するのは、意外と難しいと感じることが多い。フルウェル・ファーティリティの創設者であり、栄養士のアイラ・バーマーは「たんぱく質は、体内のすべての細胞を作り、修復するために欠かせない栄養素です」と話す。「酵素やホルモンの生成、免疫機能のサポート、栄養素の運搬など重要な役割を果たしています」と続ける。
実際、たんぱく質不足に悩んでいるのは私だけではない。意識しているかどうかにかかわらず、アメリカの多くの女性がたんぱく質不足に陥っているのが現状だ。バーマーは「たんぱく質が不足すると、体のさまざまなシステムや機能に悪影響を及ぼします」と警鐘を鳴らす。たとえば、筋力の低下や体のだるさ、髪や爪がもろくなる、感染症への抵抗力が落ちる、集中力の低下など、どれも避けたい症状ばかりだ。
「一日にどれくらいのたんぱく質が必要なのか」という疑問について、バーマーはシンプルな目安も教えてくれた。「運動習慣のない成人の場合は、体重1キログラムあたり1グラムを目安にしてください」とアドバイスする。「運動をしている人なら、体重1キログラムあたり1.6〜2.2グラムを目指しましょう。65歳以上の方は、1キログラムあたり1.2〜1.5グラムが理想的です」と続ける。
たとえば体重が165ポンド(約72.5キログラム)ある場合、1日に必要なたんぱく質量はおよそ145グラムになる計算だ。たとえば体重が165ポンド(約72.5キログラム)だと、1日に必要なたんぱく質量はおよそ145グラム。「思っていたよりハードルが高い……」と思ったそんなあなたに、たんぱく質をもっと手軽に摂るためにバーマーが作成してくれた「積極的に食べたい食品リスト」をシェアしよう。
- 魚 高たんぱくな種類を選んで、毎日の食卓にプラス
魚といっても、たんぱく質の含有量は種類によって異なる。アメリカ食品医薬品局(FDA)が「健康的」と認めている魚は36種類以上あるが、その中でも特にたんぱく質が豊富なのが次の4つだ。
・マグロ 100グラムあたり24.4グラム
・サーモン 100グラムあたり25.92グラム
・タラ 100グラムあたり19.36グラム
・サバ 100グラムあたり25.45グラム - ヘンプシード 小さな粒に秘められたパワーフード
小さな粒ながら、ヘンプシードの栄養価は驚くべきものだ。大さじ2杯で、卵白2個分に相当するたんぱく質を含み、さらに9種類すべての必須アミノ酸(これは珍しい)、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸も同時に摂ることができる。 - 卵 黄身までしっかり食べたい完全栄養食
バーマーは「卵はぜひ毎週の食事に取り入れてほしい食品ですが、黄身も一緒に食べることが大切です」とアドバイスする。大きめの卵1個には、およそ6グラムのたんぱく質が含まれている。「卵には、脳や肝臓、胆のうの健康をサポートするコリンも豊富に含まれています」と続ける。 - ナッツバター 手軽だけど、頼りすぎには注意
ですが、主要なたんぱく源としては期待しないでください」と話す。「たんぱく質を少し補うには役立ちますが、必要量を満たすには、どうしても量やカロリーがかさみ過ぎてしまいます」と続ける。たとえば、赤身の牛肉3オンス(約85グラム)分のたんぱく質(175キロカロリー)をピーナッツバターで摂ろうとすると、7杯(約679キロカロリー)も必要になってしまう。 - キヌア グルテンフリー派にも嬉しい完全植物性たんぱく質
グルテンフリーやプラントベース、ホールフード中心の食生活をしているなら、キヌアはぜひ積極的に取り入れたい。「この穀物のような種子は、植物性食品では珍しく、すべての必須アミノ酸を含む完全なたんぱく源です。1カップでおよそ8グラムのたんぱく質を摂ることができます」とバーマーは説明する。「さらにマグネシウムや食物繊維も豊富です」と付け加える。 - ギリシャヨーグルト 濃厚&高たんぱく、ヘルシー派の新定番
通常のヨーグルトよりも発酵時間が長く、より濃厚でクリーミーな食感が特徴のギリシャヨーグルト。その健康効果は、従来のヨーグルトをはるかに上回る。「栄養面で見ると、ギリシャヨーグルトは通常のヨーグルトよりもたんぱく質が圧倒的に多く、しかも炭水化物は少なめです。たんぱく質量は約2倍にもなります」と、NYUランゴーン・ヘルスの臨床栄養士ヘザー・ホドソンさんは話す。さらに、骨や歯を強く保つために欠かせないカルシウムの優れた供給源でもある。 - カッテージチーズ SNSでも話題、腹持ち抜群の高たんぱくスナック
最近、SNSでも人気が再燃しているカッテージチーズも注目株だ。「カッテージチーズは、たった半カップで12〜16グラムのたんぱく質を摂ることができます」とバーマーは話す。選ぶときはラベルをチェックするだけでOKだ。「カッテージチーズには、消化がゆっくり進むカゼインたんぱく質が含まれていて、筋肉の修復と成長をサポートします。腹持ちも良く、カルシウムも豊富です」と続ける。 - プロテインパウダー 美と健康を支える頼もしい味方
たんぱく質の摂取量を増やしたいなら、プロテインパウダーやコラーゲンペプチドを食事にプラスするのもおすすめだ。「コラーゲンペプチドは、手軽で吸収率が高く、効果的に体内のコラーゲン量をサポートしてくれます。特に、年齢とともに自然とコラーゲンの生成量が減少していくので、積極的に取り入れる価値があります」とバーマーは話す。「食事に取り入れることで、若々しい肌や丈夫な関節、結合組織の健康を保つのに役立ちます」と続ける。 - 牛肉 栄養価で選ぶなら、やっぱり赤身肉
バーマーは「牛肉の持続可能性についての議論はとても複雑で、別の機会に詳しく触れるべきテーマですが、純粋に栄養価だけを見れば、牛肉は非常に優れた選択肢です」と話す。「たんぱく質源の中でも群を抜いて栄養密度が高く、ぜひ週の食事プランに取り入れてほしい食品です」と続ける。
Text: Margaux Anbouba Translation: Makiko Yoshida
FROM VOGUE.US
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