筆者の友人T子の夫の口癖は「なんでも一番をめざせ」。
一人息子は習い事漬けの生活の中で次第に生活に異変が。
「このままでは息子は壊れてしまう」と危機感を感じたT子が下した決断とは?
夫の口癖は「なんでも一番をめざせ」
私の夫は営業マンとして社内で常にトップの成績で、自分にも他人にも厳しい人。
そんな夫の口癖は
「なんでも一番をめざせ」。
小学生の一人息子はそんな夫の教育方針のもと、英語にピアノ、習字と学習塾にサッカーと一週間すべて予定が詰め込まれ、夫からは
「どれも手を抜くな。一番になれ」
と叱咤激励される日々を送っていました。
期待に応えようとする息子→異変が
下校するとすぐにランドセルを置いて慌ただしく習い事に行く毎日で、友達と遊ぶ暇もありません。
それでも父親が大好きで、素直な性格の息子は
「お父さんにほめてもらいたい」
と健気に頑張っていました。
しかしある時期から、朝起きられなくなり遅刻が増えるように。
やっと起きても朝食を半分も食べられず、ささいなことでキレてイライラするように。
息子が壊れてしまう→夫に直談判
ある夜、息子の部屋へ行くと英語のテキストを開いたまま、ぐったり机につっぷして動きません。
「大丈夫?」
と驚いて駆け寄ると
「大丈夫。少し寝てからまた勉強する」
と言う息子。
しかし顔は真っ青。夕食もほとんど手をつけていません。
「このままでは息子が壊れてしまう!」
危機感を感じた私は夫に
「習い事を減らしてあげて。息子はとっくに限界を超えている」
とお願いしました。
子供らしい生活を取り戻した息子
「後悔するぞ」
と最初は抵抗した夫ですが
「子供には子供らしい時間も必要」
「一番を目指すのも良いけれど、ほっとできる時間を作らないとあの子は壊れてしまう」
と強く主張。
夫も根負けし、習い事は本人の希望を汲んでサッカーと英語のみに。
息子は習い事の宿題に追われることもなくなり、放課後に友達と公園で遊べるようになりました。
すると太陽の下で体を動かしたおかげか、質の良い睡眠も取れるようになって朝もすっきり起きられるように。
イライラしていた態度も、元の穏やかな性格に戻りキレることも無くなりました。
目先の「一番になること」にこだわるよりも、一度しかない子供時代を楽しく、心身ともに健康に過ごすことのほうがずっと大事だと感じる出来事でした。
【体験者:40代・主婦、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Sana.Y
医療機関に勤めるアラフォーワーキングマザー。新卒で化粧品メーカーに入社後、結婚出産を機に退職。現在は転職し子育てと仕事の両立に励む。自分らしい生き方を求め、昔から好きだった書くことを仕事にしたくライターデビュー。化粧品メーカー勤務での経験や、会社でのワーキングマザーとしての立ち位置、ママ友との情報交換を通して美容や教育、女性の生き方を考えた情報を発信している。