Text by 石井彰(編集部)
世界で最も収益の多いクラブの一つであるバルセロナ。これまで数多くのスター選手を大金で獲得してきたが、その一方でフリーエージェントでの0円獲得も成功させてきた。
今回は『Football Transfers』から「バルセロナの歴史上最も成功したフリーエージェントでの獲得選手」をご紹介する。
フィリップ・コクー
加入元:PSVアイントホーフェン
加入年度:1998年
オランダの名門PSVアイントホーフェンからフリートランスファーでバルセロナに加入したフィリップ・コクー。彼はすぐにクラブの中核を担う存在となり、あらゆるポジションをこなすユーティリティープレーヤーとして名を馳せたほか、攻守にわたるバランスの良さが光った。
バルセロナに在籍した6シーズンで31ゴールを記録。クラブが低迷期にあったことからリーガ優勝は1回だけであったが、外国人選手として当時の最多出場記録を更新した。バルセロナの歴史に深い足跡を残している選手だ。
マルク・ファン・ボメル
加入元:PSVアイントホーフェン
加入年度:2005年
ファン・ボメルがPSVアイントホーフェンから加入したとき、クラブは彼の卓越した守備力とボール奪取能力に大いに期待した。求められていたタフでハードなプレーを武器に、1シーズン目でCLとリーガの2冠を達成している。
しかし怪我やチーム内での立場の影響で出場機会が限定され、2006年にはバイエルン・ミュンヘンへと移籍していった。短期間の活躍にとどまったものの、そのプレーは非常に衝撃的なものだった。
ヘンリク・ラーション
加入元:セルティック
加入年度:2004年
スウェーデンの名ストライカーは長くセルティックでプレーしたレジェンドだった。そしてベテランになってから新たな挑戦を胸に抱き、2004年にバルセロナへとフリートランスファーで加入した。
最初のシーズンでの出場は16試合にとどまり、ケガにも苦しんだ。しかし2006年のチャンピオンズリーグ決勝では途中出場からインパクトを残し、クラブにヨーロッパ王者のタイトルをもたらした。
ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト
加入元:アーセナル
加入年度:2003年
ジョバンニ・ファン・ブロンカーストはアーセナルから期限付き移籍で加入し、翌シーズンにフリーで正式に契約を結んだ。当時のフランク・ライカールト監督のもとで左サイドバックとしての才能を発揮した。
彼の在籍中にクラブは黄金期を迎え、数々のタイトルを獲得した。4年間で5つの主要なトロフィーを手にしたあと、2007年に幼少期のクラブであるフェイエノールトへと帰っていった。
ルイス・エンリケ
加入元:レアル・マドリー
加入年度:1996年
1996年に最大のライバルであるレアル・マドリーからフリーで加入したルイス・エンリケ。サポーターからは十分に評価されなかったと語っていたが、それでも8シーズンに渡って300試合以上に出場し、109ゴールをあげるなど、チームの攻撃の要として大活躍した。
その中で7つのトロフィーを獲得し、2004年に現役を引退。さらに2014年には監督としてクラブに復帰し、わずか3シーズンで9つのタイトルを獲得するなど、選手としてだけでなく指導者としても伝説を築いた。
イルカイ・ギュンドアン
加入元:マンチェスター・シティ
加入年度:2023年
2023年夏にマンチェスター・シティからフリーで加入したイルカイ・ギュンドアン。7シーズンにわたってイングランドで輝かしいキャリアを積んだが、新たな挑戦としてバルサへの移籍を選んだ。そしてスペインでの初年度はワールドクラスのパフォーマンスを維持し、チームの攻守の要として貢献した。
しかし、クラブの厳しい財政的状況もあって1年後にマンチェスター・シティへと復帰することになり、残念ながら活躍はわずかな期間のみで終わってしまった。