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【柚香光】劇団☆新感線主演という大役に大抜擢! 舞台俳優としての第一歩【前編】

  • 2025.4.11

今回、柚香さんは2025年劇団☆新感線45周年興行・初夏公演、いのうえ歌舞伎 【譚】 Retrospective 『紅鬼物語』に主演されます。退団後お芝居としては初の舞台出演とあって、キャスト発表時にはSNSがざわめいたほど。真っ赤なオールインワンに身を包んで颯爽と登場された柚香さんに、舞台出演への抱負やこれからのお仕事についてお伺いしました。

鬼であり、母であり、妻である役柄で新しい“柚香光”像への挑戦

宝塚歌劇団 花組 柚香光さん
VOCE

柚香さんがずっと好きでご覧になっていたという劇団☆新感線への初出演です! 外から見ていた新感線と、中に入ってみてとの違いはありますか?


柚香光さん(以下、柚香さん)

実際にこうして本読みからスタートさせていただきましたが、これからお稽古が始まり、いろんなことを教えていただきながら、皆さんと時間を過ごしていく段階です。なので、まだドキドキしているのですが(笑)。 新感線の舞台を観ていたとき温かい空気感や華やかさ、エネルギーとかパワーをずっと感じていて、その温かさは劇場にいらっしゃるお客様にも感じていました。


VOCE

分かります! 劇団☆新感線はいつも出演者の方々と客席が一体化している雰囲気があります。


柚香さん

そしてその温かいイメージは劇団にもありまして……。初めて皆さんと顔合わせをした日から感じていて、皆さまが両手を広げて「ようこそ!」と言ってくださっている雰囲気も印象的でした。観ていたときの印象と今の印象はかなり通じるところが多くて、これから頑張るぞという気合が入っています。


VOCE

今回は『紅子』という鬼を演じるそうですが、最初の印象はいかがでしたか?


柚香さん

今回の新感線の作品に【鬼】という役で出られるのはすごく嬉しかったのですが、さらにこんなに素敵な【紅子】という役だということに感謝しました。物語も面白くて、読んでいるうちに心を動かされる場面がいくつもあります。演出のいのうえ(ひでのり)さんもおっしゃっていましたが、生々しくて少しグロテスクで、この物語がどういうふうに舞台で息づいていくのかが、とても楽しみです。


VOCE

【鬼】という役を演じることで、どんな新しい柚香さんをファンの方にご覧いただけそうですか?


柚香さん

ただ【鬼】というだけでなく、彼女は妻であり、母親でもあるんです。その役どころは私には今までなかったものなので、そこは新鮮な新しい面を見せられるのではと思っています。あとは、新感線の世界観や音楽、照明の使い方など、そういったものによっても、私の新しい面をどんどん引っ張り出していただけるんじゃないかと思います。


VOCE

今までの宝塚歌劇団とはまったく異なる方々と一緒だというのも、きっとポイントですね。


柚香さん

はい。ご一緒する皆さまと演技をすることで、また新しく見える面もあると思うんです。何面も違う面を楽しんでいただければ!


VOCE

妻で母親でもあり、そして鬼でもある……と、なかなか難易度が高そうなお役だと思いますが、そこに向けての役作りはどんなふうにされますか?


柚香さん

自分でイメージを膨らませる前に、まずは平安時代の貴族や農民の暮らしから調べるという土台作りを行っています。妻、母親、鬼といういろんな立場が絡みあっているのも複雑ですし、架空の存在を演じるのも難易度が高いのは確かです。演出のいのうえさん、脚本の青木(豪)さんが頭に描いていらっしゃるものを柔軟に取り入れることが必要だと思いますので、そこをしっかり確認しながら、役を作っていこうと思っています。


気合も十分、体力も自信があるのでいのうえさんの千本ノックも楽しみ!

VOCE

ポスタービジュアルもとても素敵でした! お衣装を纏ったときの感想を聞かせてください。


柚香さん

真っ赤な平安時代のお着物に、下は長袴だったのですが、それだけでグッとおとぎの世界に心が寄っていく感じがありました。あと、赤い衣装のパワーを感じましたね。赤い色は本当にすごくエネルギーを持っていて、この色を纏うだけで気持ちが変わるのが分かります。今は紅子の色の赤……、というか紅色、深紅という色をすごく大切に思うようになっています。


VOCE

柚香さんと言えば、身体能力の高さやダンスの実力にとても定評があり、宝塚在団中もそれが魅力のひとつだったと思いますが、柚香さん自身が考えるご自身の魅力は何だと思われますか?


柚香さん

一回見たらなかなか忘れない顔ってよく言われるんです(笑)。あと、華やかさもあると言っていただくことが多いです。印象的な自分の個性があるというのは、自分にとって大切にしなくてはいけないモノだと思っています。


VOCE

印象的なお顔立ちに、ファンの方々は皆さん魅了されていると思います!


柚香さん

ありがとうございます。姿かたちもそうですが、自分の感性による芝居や歌、踊りも大切にしなくてはいけないですよね。何かを聞いたときに自分の中に湧き上がってくるもの、それを見たときに自分がどんなふうに感じて、どう表現したいのかという“感受性”の部分が自分の大切な部分だと思うので、それも大切にしていきたいです。


VOCE

劇団☆新感線はミュージカルではないですが、歌って踊って殺陣もあり、というハードな舞台になることが多いですが、ご自身の中でどこまで準備が進んでいますか?


柚香さん

わー。そうですね……。気合は十分です!(笑) 気合はしっかり入っていて、「よっしゃ! やるぞ!」という感じでエンジンをふかしているのですが、まだまだこれからなので……。頑張ります!


VOCE

いのうえさんの演出には有名な【千本ノック】があると聞いていますが、それも楽しみですか?


柚香さん

はい! そういう体力系には自信があるので(笑)、やる気満々で受けるつもりです!


次に控える『BURN THE FLOOR(バーン・ザ・フロア)-COLOR MY HEART-』では思わず踊りたくなるようなダンスの世界へ

宝塚歌劇団 花組 柚香光さん
VOCE

『紅鬼物語』が終わるとすぐに『BURN THE FLOOR(バーン・ザ・フロア)-COLOR MY HEART-』への出演も控えていらっしゃいます。すでにダンスレッスンも始められているとか……。共演者の方々とお会いになった印象をお聞かせください。


柚香さん

ダンサーの皆さまもカンパニーの皆さまも、すごくハートフルな感じがします。そして、踊りというもの、ダンスというものをすごく愛していらっしゃるんです!


VOCE

まさに柚香さんと同じですね。


柚香さん

ダンスを大事にしていて、かつ、日常の中にダンスが自然と出てくると言いますか……。コミュニケーションを取るときには、自然と身体が踊り出すという感じです。目が合って、「やあ!」という延長で踊り出したりされるんですよ。


VOCE

まさに、ダンスが生活の中心にあるような印象です。


柚香さん

男性と女性もそうですし、男性同士、女性同士でもそんな感じ。会話をする流れで「今日はどう?」「調子いい?」と問いかける感覚で、踊り始めるんです。それが印象的でしたし、素敵だなと。コミュニケーションツールとして踊りを楽しんでいらっしゃるのがカッコよくて……。ボールルームダンスや社交ダンスはまさに社交界のコミュニケーションのための踊りですが、それを体感しました。


VOCE

『バーン・ザ・フロア』のこれまでの公演をご覧になった印象はいかがですか?


柚香さん

やはり“バーン”と名前がついているだけあって、実際にステージが燃え盛るような、ホットで熱く、焦げてしまいそうなくらい【火】が充満している印象です。客席降りもあって、そこでキャストのダンサーさんが踊ったりされるのですが、舞台上の熱気をそのまま客席に持って降りてこられるんです。お客さまを巻き込む“ウェルカム”の熱が高いカンパニーだと思います。


VOCE

そこに立たれる柚香さんを観ると、きっと一緒に踊りたくなりますね。


柚香さん

そうだと思います! 踊り出さずにはいられない、という気持ちになって、うずうずしちゃう公演になりそうです。そちらも、ぜひお楽しみに!


劇団☆新感線の舞台に立つんだ!という柚香さんの緊張とワクワクした気持ちが伝わってくるコメントばかり! 得意のダンスや高い身体能力で繰り広げられるであろう殺陣を見せながら、柚香さんが所狭しと舞台上を駆け抜ける姿が早くも目に浮かぶようです。

後編ではガラリと質問内容を変えて、柚香さんのビューティ・ルーティーンに迫ります。毎日使っているアイテムや美容ハウツーについて伺います!

【柚香光さん・プロフィール】

柚香光(Ray Yuzuka)
1992年3月5日生まれ、東京都出身。2009年、宝塚歌劇団に95期生として入団。2014年に『ラスト・タイクーン』で新人公演初主演。2018年の『ポーの一族』より花組新2番手となり、2019年11月25日付で花組トップスターに就任。花組からは12年ぶりに誕生した生え抜きのトップスターとなった。自身初の東上主演作の再演となる『はいからさんが通る』でトップコンビ大劇場お披露目を果たす。『元禄バロックロック/The Fascination!』『TOP HAT』『うたかたの恋』『鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)』など、数々の話題作で主演を務める。2024年5月26日に惜しまれながら退団。お芝居としては退団後初の舞台が、今回出演する2025年劇団☆新感線45周年興行・初夏公演 いのうえ歌舞伎 【譚】 Retrospective 『紅鬼物語』。その後、7月には『BURN THE FLOOR(バーン・ザ・フロア)-COLOR MY HEART-』、12月~2026年2月には『十二国記 -月の影 影の海-』など大作への出演を控えている。

<作品紹介>
2025年劇団☆新感線45周年興行・初夏公演 いのうえ歌舞伎 【譚】 Retrospective 『紅鬼物語』

出演:柚香 光
早乙女友貴 喜矢武 豊 一ノ瀬 颯 樋口日奈
粟根まこと 千葉哲也
鈴木拡樹

右近健一 河野まさと 村木よし子 インディ高橋
山本カナコ 礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ
村木 仁 川原正嗣 武田浩二 他

【大阪公演】 SkyシアターMBS
2025月5月13日(火)~6月1日(日)

【東京公演】 シアターH
2025年6月24日(火)~7月17日(木)

撮影/楠本隆貴 スタイリスト/大園蓮珠 取材・文/前田美保

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