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腹式呼吸をするよりずっと効果的…「人前で緊張レベルMAX」の人がゆるめるべき体の部位

  • 2025.4.11

緊張せずに人前で話すにはどうすればよいか。心理カウンセラーの佐藤健陽さん・加藤隆行さんは「腹式呼吸は心身の安定にとって有用な呼吸法だが、恐怖感知レベルが高い人がやると、恐怖を高めてしまうことがある。呼吸法が合わない人は首を回して後頭部をゆるめるとよい」という――。

※本稿は、佐藤健陽・加藤隆行『緊張やわらぎメソッド 「失敗したらどうしよう…」が「まぁなんとかなる!」に変わる80の方法』(小学館クリエイティブ)の一部を再編集したものです。

上手く話そうとすればするほど空回りしてしまう
うまく話すな! 出てくる言葉を声に出そう

頭が真っ白になってしまったとき、上手に話そうとすればするほど空回りしてしまいがちです。お笑い芸人さんならまだしも、凡人である我々は自分にそこまで期待してはいけません。「どうしよう……」と悩むよりも、等身大の自分のままで居続けることの方がはるかに大切です。なぜなら人は変えられない自分を変えようとすること自体が苦しみの元になるからです。まずうまく話そうとしてはいけません。そして、途切れてもいいのでそのとき出てくる言葉を声に出してみましょう。相手に共感することから始めてもいいかもしれませんね。少しでも言葉を発することができれば、人はやがて落ち着きを取り戻していきます。

トラウマケアなどにも使われる身体療法
両側性タッピング
タッピングとは体を指先などで軽く叩くことで身体感覚に意識を分散させ、ネガティブな感情や感覚、思考を軽減する療法。緊張時に偏った自律神経バランスを整えられます。 方法
1 座っている状態のまま、机の下で両手を両膝(両もも)の上に置く
2 そのまま膝(もも)を指先で、左右交互にトントンと軽く叩く
3 ゆっくりしたり、少し速めてみたり、自分が心地良いスピードを探して行う

出所=『緊張やわらぎメソッド』(小学館クリエイティブ)
成果報告の原稿を一言一句暗記したのに、結局声が震えて失敗した
要点だけをメモして、相手に理解してもらうことを心がけよう

結論としては、「一言一句暗記したからこそ失敗した」といえるでしょう。その背景には、止むことのない不安と恐怖が原動力としてあります。それに突き動かされて、どれだけ準備して練習しても、不安と恐怖はなくなりません。だから何とかしてそれを鎮めようと、完璧な準備をしてしまうのです。すると次第に、不安と恐怖の僕となっていき、日常生活でも振り回されるようになり、目の前の大切なことを見失います。準備を目的にするのではなく、目的遂行に集中する必要があります。わかりやすく伝えるために要点や起承転結のポイントをメモしておく。5W1Hや映像をイメージして話す。意識の向けどころを変えるのです。

出所=『緊張やわらぎメソッド』(小学館クリエイティブ)


「役立つ」という軸で自分の価値をつくる
他者への貢献を目的とする

アドラー心理学では、「誰かの役に立てていると思えたときにだけ、自らの価値を実感することができる」としています。成果報告は必ず周りへの貢献となります。どうしたら参加者のために役に立つ報告になるかという視点で内容を準備してみましょう。「間違えちゃダメだ」、「周りからどう思われるだろう」と保身的に考えているときよりも、自然に伝えたいことが出てくるはずです。

話を挟むタイミングがわからない
ハ行言葉を前振りにしてペースを合わせよう!

これはいわゆる「コミュ障タイプ」の人にはあるあるのことだと思います。場の空気に入っていけなかったり、自分が言った一言への周りの反応を恐れます。このときの対処法として「ペーシング」が使えます。「ペーシング」とはカウンセリングスキルの一つで、相手とペースやテンションを合わせることで対話をスムーズにするものです。それが合っていないと、何を言っても空回りしかねません。だから、まるでカウンセラーにでもなったかのように、会話の合間合間で「へー」「ふーん」「ほぉ」といったハ行言葉を実際につぶやいたり、あるいは「うんうん」とうなずいて、ペースを合わせてから言うと、話しやすくなるでしょう。


相手のしぐさや行動とシンクロする
ミラーリング効果

相手のしぐさ、行動に同調することで、相手も自分も親近感や好意を抱きやすくなります。相手が行う、「腕を組む」「髪を触る」「うなずく」などの動作を意図的に真似すると、相手と自分という分離した意識から解放されていき、徐々に緊張がゆるんできます。カウンセラーである著者もクライアントとの緊張を解くためによく使う方法です。気づかれないようさりげなく、やりすぎには注意。

出所=『緊張やわらぎメソッド』(小学館クリエイティブ)
プレゼン中に話していたら、喉が詰まって声が出なくなった
佐藤健陽・加藤隆行『緊張やわらぎメソッド』(小学館クリエイティブ)
状況ではなく、役割や目的を意識しよう

大勢が見ている場でのプレゼンは、緊張しやすい人にとっての強敵。喉が詰まる仕組みとして、人間は過度に恐怖を感じると、リスクを減らすため無意識に生命機能をシャットダウンさせます。呼吸も血流も最低限の活動になって気道が狭くなり、喉が詰まります。この状態から回復するには一定の時間を要するため、そこに即効性のある方法を求めることは非生産的。それであれば、喉の詰まりの改善に取り組むのではなく、求められている自分の役割や目的に集中しましょう。プレゼンで伝えるべきこと、話の展開の仕方などに集中。意識のベクトルを、自分の状態ではなく、この先の状況に向けると緊張は自然とゆるんでいきます。

出所=『緊張やわらぎメソッド』(小学館クリエイティブ)

猛スピードで働く頭をゆっくりに
会話のスローダウンを意識する
緊張時にはその場から逃げ出したいと思うため、話すスピードが速くなっています。だから「ゆっくり話す」ことを意識するだけでも、冷静さを取り戻し緊張が解けていく効果があります。 ポイント
1「ゆっくり話す」と何度か唱え、自分に浸透させてから話す
2 いつも思い出せるよう「ゆっくり話す」とパソコンなどにメモを貼る
3 緊張で話が止まったら「待たせてもいい」と考える

プレゼン前に腹式呼吸を試してみたら、ますます呼吸が苦しくなった
呼吸法は適材適所で使っていこう

腹式呼吸は心身の安定にとって有用な呼吸法ですが、恐怖感知レベルが高い人は、肋骨を固めて呼吸を止めがちです。それは悪いことではなく、危険への対処なのですが、その状態で呼吸法を意図的にすると、脳が興奮してかえって恐怖を高めてしまいます。呼吸法が合わないのであればサッサとやめましょう。そんなときは自分の内側に意識を向けるより、外の世界に意識を向けてみましょう。人は危険なときに顎を引き首を固めますが、安全なときにはほぐれます。だから意図的に顔を上げて周囲を見回す。そしてホッとするもの、揺れるものを眺めましょう。

首の最上部、第1・2頚椎をゆるめ、副交感神経優位に
首を回しながら後頭部をゆるめる 方法
1 斜め45度上を見て後頭部に重心を置き口を軽く開ける
2 首をゆっくり左右に動かしながらボーッと眺め続ける
3 そのまま3分程度、後頭部と目をゆるめていく

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