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ご飯や汁物、おかずはスプーンと箸で使い分けて。韓国の食文化&食事マナー

  • 2025.4.11
韓国の食文化&食事マナー (C)TheGhan/PIXTA(ピクスタ)

ネイティブの気持ちと一緒にフレーズを学ぶ、今までにない韓国語学習!

翻訳アプリで訳してみてもどこか違和感が…。教科書通りに訳しても何かがおかしい…。それは、ネイティブの真意や慣習、文化的背景を十分に理解できていないからかもしれません。

SNS総フォロワー数100万人超えを誇るBANGTAN LAB管理人のヨンファさんは、日本生まれ、韓国在住23年目。韓流ブームの最前線で、数々の韓流イベントの通訳、日韓企業の通訳翻訳などを経験してきました。

本記事では、ヨンファさんによる、ネイティブの気持ちを知り、より深くコミュニケーションを取るための実践的なヒントを紹介。 留学や推し活をはじめ、さまざまなシーンで役立つ、韓国語を学ぶすべての人にとって大切なニュアンスが学べます。

※本記事はコ・ヨンファ(著)、ハン・ソヘ(監修)の書籍『大切な人と気持ちがつながる韓国語』から一部抜粋・編集しました。

韓国の食文化~食事&お酒マナー入門~

韓国の食事文化は「みんなで食べる」ことを大切にしています。家族や友人と食卓を囲み、会話を楽しみながら一緒に料理をシェアするのが基本スタイル。ここでは、韓国の食事やお酒の文化、そしてそのマナーについてご紹介します。

■食卓の三位一体、국(クク)、 밥(パプ)、 반찬(パンチャン)

韓国の食卓では、국(汁物)、밥(ご飯)、そして반찬(おかず)の3セットが基本中の基本です。とくに반찬の豊富さは韓国ならでは。キムチやナムル、煮物など多彩なおかずが並び、しかもお店ではおかわり自由のことが多いです。日本の定食ではメイン料理が目立つ一方、韓国では반찬の品数やクオリティが食卓の満足度を左右します。

ご飯と汁物とおかずがセットで提供されるお膳を「밥상(パッサン)」といいます。

ご飯と汁物とおかずがセットで提供されるお膳 (C)コ・ヨンファ、ハン・ソヘ/KADOKAWA

■숟가 락(スッカラク)と젓가락(チョッカラク)(スプーンと箸)の使い分け

韓国では숟가락(スプーン)でご飯や汁物を食べ、젓가락(箸)はおかずを取るために使います。このスプーンと箸の使い分けは、日本にはない文化ですね。さらに、器を手に持たず、テーブルに置いたまま食べるのも特徴的。これは儒教の影響で「器を持つのは無作法」とされているためです。日本の「茶碗を持つ」という食事の文化とは対照的でおもしろい違いですよね。

■発酵食品の魅力と包んで食べる(쌈・ッサム)文化

韓国料理に欠かせない発酵食品も特徴のひとつ。김치(キムチ)、된장(トェンジャン・味噌)、고추장(コチュジャン・唐辛子味噌)など、これらが料理に深みと旨味を与えています。また、상추(サンチュ)や깻잎(ケニプ・エゴマの葉)でお肉やご飯をくるんで食べる「쌈」というスタイルも韓国独特ですね。焼き肉やビビンバをさらに美味しく、ヘルシーに楽しむ方法として人気です。

■これを知ればもっと楽しめる、食事のマナー

韓国の食事には独特のマナーや習慣があります。日本との違いを知り、韓国の文化をより深く理解すると、もっと食事を楽しめます!

まず、先述したように밥や국の器を手に持つのは無作法とされているのでテーブルに置いたまま、숟가락や젓가락を使って食べるのが基本です。日本では茶碗を持つのが礼儀とされるため、最初は戸惑うかもしれませんが、すぐに慣れるでしょう。

そして、食卓では、最初に目上の人が箸をつけてから食べ始めるのが礼儀です。若い人や目下の人が先に食べ始めるのは、無礼とみなされる場合があります。会食の際は目上の人の様子を見ながら、失礼のないように気を配るとよいでしょう。

韓国では、料理を少し残しても失礼にはなりません。とくに外食時には、無理して完食せず、自分のペースで食事を楽しむことが重視されます。ただし、家庭の食卓では全員が適量を取り、できるだけ無駄を出さないよう心がけることがマナーとされています。

ヨンファMEMO

韓国に住み始めて驚いたことの一つが、親戚の家で鍋を囲んで、スプーンを直接鍋に入れて食べるスタイルでした。最初は少し抵抗がありましたが、慣れてくると、小皿に取り分けるよりも美味しく感じるようになってきて(笑)。実際、外国人留学生の友達も最初は戸惑っていましたが、次第にみんな同じ鍋を分け合う韓国流のスタイルに自然と馴染んでいきました。この食べ方は、なんだか一体感が生まれて楽しいんです。最近は取り皿を使うようになってきましたが、機会があったら一度体験してみてくださいね!

食事に関するフレーズもいくつかご紹介しましょう。代表的なものに、「잘 먹겠습니다(チャル モッケスムニダ)」(いただきます)がありますが、これは「ご馳走になります」という意味なので、単に食べ始めるときには使いません。「잘 먹었습니다(チャル モゴッスムニダ)」は、いつでも使えます。

맛있게드세요(マシッケ トゥセヨ).

美味しく召し上がってください。

진짜맛있어요(チンッチャ マシッソヨ)!

本当に美味しいです!

・本記事に登場する主な単語は、日本語訳を付け加えながら、できるだけハングル表記にしています。同様に、映画やドラマ、曲のタイトルも、韓国語タイトルを掲載し、邦題を補足しています。これを機に、ぜひハングル表記も覚えてみてください。

・発音表記は、連音・鼻音化などの発音ルールに則っていますが、あくまでも目安としてご活用ください。

・本記事は、2025年1月現在の情報です。

著=コ・ヨンファ、ハン・ソヘ/『大切な人と気持ちがつながる韓国語』

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