小1だと約7割の子どもが正しくお箸を持てていないと言われています。(※)お箸の正しい持ちかたは食事のマナーというだけでなく、食べやすさ、疲れにくさといった観点からも、そして食卓を楽しく囲むためにも欠かせないスキルです。いつからどのように始めらた良いのかキッズマナー講師の彈正原由紀先生に伺いました。
※井間眞理子・中村恵子(2019)「学級における箸の持ち方の指導とその効果」『日本食育学会誌』
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学校では覚えられない家で教える余裕もない! 実は7割ができていない「お箸の持ちかた」、どう教えれば?
「ウチの子のお箸の持ちかたに自信がない」ママが大多数!
「注意すると怒ったり、“別にいいの!”とスネたり。本人が直したくならないと直らないし、食事が嫌いになるのも…と諦めモード」(Rさん・7歳の女の子ママ)
「正しい方法は理解してもやりにくいと言われて。何回言っても直らない。正しく持っていても、慣れているラクな持ちかたに戻ります」(Iさん・6歳の男の子ママ)
「自分もお箸の持ち方がおかしいので、上手に教える自信がない。お箸の練習をいつからはじめるのがいいのか分からなくて」(Aさん・2歳の女の子ママ)
「トレーニング箸を使っているけどそれしか使えずにいるのが悩み。普通のお箸はバラバラになっちゃって持ちにくいみたい…」(Sさん・5歳の男の子ママ)
食べさせるだけでも大変なのに お箸のスタートには腰が重い いつ、どうやってはじめる?
Q1.最初は何からはじめればいいのでしょうか?
A.「トレーニング箸は1歳半くらいの小さな子どもでも気軽に使えるものがあります。グーパーという手の動きだけで使うことができるのでお箸を使う感覚をつかみやすくなります。まずは“できた!”の気持ちを大事に、焦らず、子どものペースに合わせて進めましょう。
トレーニング箸から普通のお箸は、手の構造的に指をバラバラに動かせるようになる頃に普通のお箸へ移行できるようになります。年齢で言うと4〜5歳、年中さんの頃です。トレーニング箸と普通のお箸を交互に使うことで、手指の力を鍛えたり、お箸の持つ位置を確認しながら徐々に普通のお箸が使える機会を増やしていくイメージです。
トレーニング箸はリングを取り外せるなど、成長に合わせて段階的に使えるものがあるので活用してみてください」(指田さん)
Q2.お箸を持つ練習スタートはいつからがベスト?
A.「年齢に関係なく“興味を持ったとき”がはじめどき!大人が使っている箸をジッと見ていたり、手を伸ばして持とうとしたり、箸に興味を持ったタイミングでお箸を持たせてあげるのがおすすめです」(彈正原さん)
Q3.トレーニング箸以外に方法はありますか?
A.「トレーニング箸から普通のお箸に移行するには手指の力が必要です!トレーニング箸のみでは手指の力が鍛えられないので、積み木や粘土など、手指を使った遊びをたくさんすることもお箸の練習につながります」(指田さん)
お話を聞いたのは…
指田千陽さん
株式会社ケイジェイシー商品企画開発部。「エジソンのお箸」は「できた!」にいちばん近い箸として成功体験を重ねることで食べる喜びを育む製品。プライベートでは二児のママ。
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撮影/杉本大希 取材・文/塚本万智 編集/井上智明
*VERY2025年4月号『実は7割ができてない「お箸の持ち方」』より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。