丸山隆平が主演を務めるヒューマンサスペンス『金子差入店』(5月16日公開)。このたび、監督が語る丸山の魅力をとらえた新場面写真と撮影現場メイキング写真を解禁となった。
アジア最大規模を誇る第29回釜山国際映画祭のコンペティション部門<NEW CURRENTS(ニューカレンツ)>に正式出品をはたした本作。描かれるのは、厳しい審査や検閲がある差入のルールを熟知した職業「差入屋」を営む男とその家族の絆。様々な事情から面会に行くことができない人たちに代わって、面会室へ出向くこともある差入屋店主の金子(丸山)は、伯父から引き継いだ住居兼店舗で、妻子とともに暮らしていた。ある日、金子の息子の幼なじみが見ず知らずの男に殺害される。金子や彼の家族が事件のショックから立ち直れないでいたとき、犯人の母親から差し入れの代行と手紙の代読を依頼される。そんななか、金子自身の過去があらわとなり、家族の絆を揺るがしていく。
今回、丸山の新境地を感じさせる場面写真が新たに解禁となった。さらに、撮影中に40歳の誕生日を迎えた丸山がお祝いの‟差し入れ”に笑顔を見せるメイキングカットも特別解禁されている。本作が8年ぶりの主演映画となった丸山。丸山がアイドルの色を封じて挑んだという本作は、これまでのイメージをがらっと変える役どころ。監督と脚本を務めた古川豪は、丸山演じる主人公、金子の役柄について、「我が子が生まれた瞬間に感じた、『なにがあっても絶対に、自分が生きている限り、この子を守り続ける』という強い想いを、金子から息子の和真への想いに注ぎ込んでいます」と語っている。その想いを丸山に託すと決めたのは、「役者として新たな挑戦をしたい」と語る丸山の顔から、真剣勝負のステージに立ちたいという想いを感じたからだった。丸山に脚本を送ると早々に「こういう役を演じたかった」と2人の想いが合致したという。クランクイン前から金子を演じるにあたり何度も話しあいを重ねた丸山と古川。互いの生い立ちや人生観などを話していくうちに、古川の丸山への印象は「繊細で凝り性、その上勉強家で非常に尊敬できる人」となっていった。金子に古川自身を投影させていると考えた丸山は、役作りの一つとして古川の観察を始め、現場スタッフから歩き方がそっくりだと言われるほどの再現率をみせた。
この度解禁となった新場面写真では、身近に起きた凄惨な事件や差入屋という仕事に対しての葛藤を抱えながらタバコをくわえる姿と、出所直後に息子の和真(三浦綺羅)を強く抱きしめる、金子の過去が垣間見えるシーンがとらえられている。あわせて公開されたメイキングカットには丸山隆平の誕生日当日に撮影された撮影現場の様子が。花束を抱え、古川監督と写真付きのバースデーケーキとともに満面の笑みを見せる姿が切り取られている。
40歳(撮影当時)という節目の誕生日を8年振りの主演映画撮影中に迎えた丸山。年を重ねるごとに新たなことに挑戦し続け、監督やスタッフからの絶大な信頼と期待を受ける彼の新境地を劇場で目撃して欲しい。
文/鈴木レイヤ