ブルージェイズは9日(日本時間10日)、生え抜きのブラディミール・ゲレーロJr.内野手と14年総額5億ドル(約728億円)の契約延長を結んだと正式に発表した。フアン・ソト外野手(メッツ)の15年7億6500万ドル(約1147億円)、大谷翔平投手(ドジャース)の10年7億ドル(約1019億円)に次ぐ歴代3位の高額契約には、賛否両論の意見が飛び交っている。
かつてレッズでGMを務めたジム・ボウデン氏は、「この契約延長は悲惨であり、スター選手の市場を永遠に変えることになる」と苦言を呈した。
■若手スター選手の相場も引き上げる結果に
米メディア『ジ・アスレチック』の記事によると、ブルージェイズとゲレーロJr.が結んだ契約は、2026年から39年までの14年総額5億ドルで、完全トレード拒否権付き、後払いなし、オプトアウト権なしのほぼ「生涯契約」になるという。
MLBアナリストのボウデン氏は、同メディアに「最近のMLB契約延長ランキング:どのチームが最高の取引をしたか?誰が過払いしたか?」と題して記事を投稿。ゲレーロJr.の契約に言及し「ブルージェイズは、2年前に3億ドル程度で契約延長できたかもしれない中で待つことを選択し、それが大きなコストとなった。フランチャイズの顔を打線の中心に残せた点は幸いだが、5億ドルかかったのは頂けない。球団側が遥かに大きなリスクを背負い、市場が永遠に変わってしまった」と私見を述べた。
ボウデン氏は、ゲレーロJr.にソトや大谷ほどの価値はなく、比較対象はブライス・ハーパー内野手(フィリーズ)や、フェルナンド・タティスJr.外野手(パドレス)など3億ドルから3億5000万ドルほどの選手であるとし、20代中盤から後半のスター選手の相場を大きく引き上げてしまった点も指摘した。
この恩恵を受けるのは、今季終了後にFAとなるカイル・タッカー外野手(カブス)で、総額5億ドル以上、あるいは6億ドルに達する可能性もあると記事では予想している。強豪ひしめくア・リーグ東地区を勝ち抜くには、生半可な補強では立ち向かえない。生え抜きスラッガーのブルージェイズ残留で、ゲレーロJr.中心のチーム作りが本格化しそうだ。