社会人になると社内の人間だけではなく、取引先との付き合いもあるなど、マナーや立ち居振る舞いに気を遣う機会が増えますよね。今回はそんな取引先とのお付き合いで、同行した新入社員とまさかの赤っ恥をかいてしまった経験のある筆者の知人、Mさんのお話です。
新入社員と取引先へ
Mさんは当時、小さな商社で営業の仕事をしていました。
アットホームで社内の雰囲気もよく、Mさんは3つ年上の先輩にみっちりと営業のやり方を教え込まれました。
Mさんが入社してからは数年新入社員を採用することがありませんでしたが、ある年やっと待望の新入社員が入ってきたのです。
「よろしくお願いします!」
後輩として入って来たのはきびきびと動いてやる気に溢れた男性。
Mさんは先輩から新入社員にしっかり営業の基礎を教え込むように言い渡されたため、かつて先輩がそうしてくれたようにひとつひとつ丁寧に仕事を教えていきました。
「Mさん、得意先に同行して」
ある日、Mさんは先輩から新入社員を取引先に同行させるように言われました。
手土産を買ってきてもらったら……
「じゃあ手土産買ってきてくれる? 〇〇屋のお菓子詰め合わせ」
Mさんは新入社員に近くの百貨店で手土産を買ってきてもらい、一緒にお得意様の会社へ向かいました。
「いつもお世話になっております、この度新入社員が入社しまして……」
新入社員を紹介しながらMさんが手土産を渡そうと、紙袋から菓子折りの箱を取り出した瞬間でした。
「あっ!!」
紙袋から一枚の紙がひらりと飛び出し、お得意様の足元に落ちました。そこにははっきりと「領収書」という文字と金額が書かれています。
「領収書?」
笑いを堪えながらお得意様は領収書を拾い、Mさんに渡してくれました。
「も、申し訳ございません!」
慌てて謝罪したものの、ばっちり金額を見られてしまった事実は変えられません。
Mさんは得意先を出てすぐ新入社員に「お渡しする袋には領収書を入れないように」と教えたそうです。
思わぬ赤っ恥でしたね。領収書も大事な書類なので、保管はしっかりしましょう。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2025年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。