友人や家族など身近な人が出産すると、新しい命の誕生を祝って贈り物などをするのが一般的ですよね。しかし、中にはさまざまな理由で心からお祝いできない人もいるようです。今回は友人が興味深いエピソードを聞かせてくれました。
友人の出産でお祝いムードに
先日、大学時代からの友人グループの1人、美穂(仮名)が第1子を出産しました。
グループLINEは祝福のメッセージで溢れかえり、私も赤ちゃん見たさにすぐにでもお祝いに行きたい! と思いました。
美穂も私たちに会いたいと言ってくれて、体調が落ち着いた頃にみんなでお邪魔することに。
出産祝いのプレゼントを何にするか楽しく話し合い、準備は順調に進んでいたのですが……。
埋もれてしまった誕生日
そんな中、メンバーの1人である恭子(仮名)だけは納得できていないようでした。
プレゼントが決まり、あとは当日を待つばかりというある日、お祝い用に美穂以外で作ったグループLINEに、恭子からありえない言葉が。
「みんな赤ちゃんのことばっかり! 私の誕生日だって近いのに、誰も覚えてないの?!」
たしかに恭子の誕生日ももうすぐなのですが、今年は赤ちゃん誕生という一大イベントで、恭子の誕生日の話題は少し埋もれてしまっていました。
エスカレートする自己中発言
私は「美穂のお祝いが落ち着いたら、改めてお祝いしようね」となだめるように返信しましたが、恭子は納得せず。
「出産したからって偉そうに!」「私の誕生日もちゃんと祝ってよね!」と、どんどんエスカレートしていく言葉に、他のメンバーは呆れ果ててしまいました。
お祝い会とその後
そして、美穂のお祝い会当日。
恭子は不機嫌オーラ全開で登場し、投げやりな態度。終始不機嫌で、場の雰囲気を壊し続けました。
あまりにもひどい態度に、ついにリーダー格の麻衣(仮名)が、静かに、しかし強い口調で恭子に言い放ちました。
「恭子、誕生日は毎年来るけど、新しい命の誕生は奇跡で一生に一度だけ。大人の誕生日と、赤ちゃんの誕生を比べるのはおかしいでしょ」
恭子は、ハッとしたように麻衣を見つめ、不貞腐れたように俯きました。その場にいた全員が、麻衣の言葉に共感していました。
その後、恭子は大人しくしていましたが、少し後味の悪い終わり方になってしまい、美穂には本当に申し訳なかったです。
もともと恭子には身勝手なところがありましたが、この一件で他のみんなも我慢の限界を迎えたらしく、今は距離を置いている状態です。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2025年2月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。