三角筋は肩の丸みをつくる重要な筋肉。鍛えることで肩幅が広くなり、たくましい逆三角形の体を作ることができます。逆に肩の筋肉が弱いと、体型が崩れるだけでなく、肩こりやケガの原因になることも。
今回は、三角筋を鍛えることで得られるメリットと、衰えることで生じるデメリットについて、パーソナルトレーニングジム STUDIO KOMPAS(スタジオコンパス)のトレーナー・山岸慎さんが解説します。
三角筋を鍛えると、どんなメリットがある?
三角筋は、肩の丸みや広がりを形成する筋肉で、鍛えることで体全体のシルエットに大きな変化をもたらします。
とくに上半身の印象を引き締め、逆三角形のラインを強調するには欠かせない部位です。
シルエットが変わる
三角筋が発達すると肩の輪郭がはっきりし、ウエストとの対比で上半身がより引き締まって見えます。Tシャツやノースリーブを美しく着こなしたい方にとって、重要なポイントです。
肩の機能が改善しやすい
三角筋が弱まると、腕を上げる動作をする際に本来の主働筋である三角筋ではなく、代わりに上腕二頭筋(上腕前側)が過剰に働くようになります。
これによって肩甲骨の位置が不安定になり、肩関節の機能が低下しやすくなります。結果として上腕三頭筋(上腕裏側)の活動も低下し、二の腕のたるみにも繋がる可能性があります。
三角筋をしっかり鍛えることは、これらの動作バランスを整え、機能性と見た目の両面にメリットをもたらします。
女性も三角筋を鍛えるべき理由。痩せて見えます!
三角筋を鍛えることで、背中や二の腕の印象が大きく変わります。肩まわりに立体感が出ることで、自然とウエストも細く見え、ボディライン全体が美しく整います。
先述の通り、三角筋が弱いと上腕二頭筋が過剰に働き、肩甲骨の動きに悪影響が生じやすくなります。
これが続くと、首・肩まわりの緊張が高まり、二の腕のたるみや背中のもたつきといった見た目の問題にも繋がります。
三角筋を鍛えることで、肩関節の動きが安定し、肩甲骨の正しい位置が保たれやすくなります。その結果、スッキリとしたボディラインを作る土台になります。
次:三角筋が衰えるとどうなる? 考えられるデメリット
三角筋が衰えるとどうなる? 考えられるデメリット
三角筋の衰えは、体の動作や姿勢に大きな悪影響を与えます。
- 腕を上げる動作に必要な前鋸筋(ぜんきょきん:脇の下の肋骨から肩甲骨までを繋ぐ筋肉)が弱くなる
- 僧帽筋上部や上腕二頭筋が過度に働いてしまう
- 肩関節の安定性が低下し、姿勢不良や慢性的な肩こりの原因になる
こうした事態が続くと、体に不具合を引き起こすだけでなく、思うように筋肉が発達しない原因にもなります。
とくに、姿勢が崩れるとボディラインも理想から遠ざかってしまうため、三角筋をしっかり維持・強化しておくことが大切です。
トレーナーが選んだ、三角筋を鍛えるなら「この筋トレ」
自重筋トレなら「パイクプッシュアップ」
回数:10〜20回 × 2〜3セット
1. 四つん這いになり、手は肩の真下に置く
2. 足を伸ばして、重心を上半身側に寄せる
3. 肘を曲げながら体をゆっくりと前側に倒して、床ギリギリまで額を下げる
4. 地面を手で強く押して、元の姿勢へ戻る
ウエイトトレーニングなら「ダンベルオーバーヘッドプレス」
回数:5〜8回 × 3〜5セット
1.ベンチの角度を70〜90度にして、背筋を伸ばしてぴったりつける
2.肘が90度になる高さでダンベルを構える(手のひらは前向き)
3.息を吐きながら、肘を伸ばして頭上へダンベルを押し上げる
3.頭上で一瞬キープし、ゆっくり元の位置に戻す
三角筋がなかなか筋肥大しないときに考えられる理由と対処法
三角筋がなかなか成長しないと感じる場合、以下の2つが主な原因と考えられます。
負荷が不足している
三角筋は普段から使われやすい筋肉のため、成長させるにはある程度の強い刺激が必要です。ショルダープレスなどの多関節種目を高重量で行うことで、筋肥大に必要な刺激を与えることができます。
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腕を上げる動作に問題がある
三角筋を効率よく鍛えるには、「肩甲上腕リズム」と呼ばれる肩甲骨と上腕骨の連動した動きが正しく行われている必要があります。
前鋸筋(ぜんきょきん:脇の下の肋骨から肩甲骨までを繋ぐ筋肉)の活動量が低下していたり、肩甲骨の安定性が不足していたりすると、この連動にエラーが起き、三角筋に十分な刺激が入らない状態になります。
このような場合は、前鋸筋の活性化を目的としたトレーニングを取り入れ、肩甲骨の安定性を高めることが効果的です。
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監修者プロフィール
トレーナー山岸 慎
2011年からトレーナーとして、モデル・アーティスト・俳優のサポートを行う。現在はJリーガーなどトップアスリートをはじめ、運動初心者まで様々な身体レベルの方のトレーニング指導を行なっている。所有資格NSCA-CSCS
・パーソナルトレーニングジム STUDIO KOMPAS渋谷南平台
・ストレッチリラクゼーションサロン ESL(エッセンシャル ストレッチ ラボ)
<Edit:編集部>