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沖縄旅行のベストシーズンはいつ? 旅行前に知っておきたい気象情報を解説

  • 2025.4.10

国内旅行先として人気の高い沖縄県。温暖な気候や美しい海、豊かな自然、多彩な文化など、様々な魅力があるリゾート地です。

年中通しておだやかな気候のイメージがある一方、時期によっては長雨や台風の影響を受けることがあります。せっかくの旅行が天候のせいで台無しになる可能性もあるため、できるだけベストシーズンを狙っていきたいと考える人も多いでしょう。

この記事では、沖縄旅行を計画するにあたって事前に知っておきたい気象情報や沖縄の気候の特徴を紹介します。

沖縄の気象情報

沖縄は北緯24度から28度に位置し、周囲は暖かい黒潮が流れる海に囲まれています。亜熱帯海洋性気候に属し、海洋の影響を受けやすく、高温・多湿であることが特徴です。

また、年間の降水量が多いのも特徴の一つです。特に降水量の多い梅雨時期と台風シーズンについて解説します。

梅雨入り

沖縄の平年の梅雨入りは5月10日ごろ、梅雨明けは6月21日ごろです。

梅雨入りと梅雨明けは年によって異なります。21世紀に入ってからだと、最速の梅雨入りは2011年4月30日、最遅は2018年6月1日です。一方、最速の梅雨明けは2015年6月8日、最遅は2019年7月10日です。

沖縄旅行で梅雨の時期を避けたい場合は、4月末から7月頭ころまでを避けた日程を検討すると良いでしょう。

台風シーズン

以下は、1951年~2024年の間に沖縄・奄美に接近した台風の数をまとめた表です。

接近の定義は、台風の中心が鹿児島県の奄美地方・沖縄県のいずれかの気象官署等から300kmに入った場合です。

※気象官署は「名瀬、沖永良部、久米島、那覇、名護、南大東島、宮古島、与那国島、西表島、石垣島」

・台風の接近がまったくない月:1月、2月、3月
・台風の接近がほぼない月:12月、4月
・2年~3年に平均1回のペースで台風が接近している月:5月、11月
・1年~2年に平均1回のペースで台風が接近している月:6月、10月
・毎年平均1~3個の台風が接近している7月、8月、9月

上記の表からも分かるように、沖縄の台風の接近が特に多い月は7月~9月で、ほぼ毎年のように接近しています。特に8月に関しては、2008年に台風の接近がなかった以外は毎年接近しています。

また、近年の傾向としては、以下のように10月の台風接近数がやや増えています。

・1960年~1979年の台風接近数:11個
・1980年~1999年の台風接近数:17個
・2000年~2019年の台風接近数:26個

2000年以降の10月は、平均すると毎年1個以上の台風が接近していることになります。これは地球温暖化によって10月になっても海水温が十分に下がりきらず、台風が発生しやすい状態が続くことが理由の一つとして考えられます。

沖縄旅行のベストシーズンはいつ?

気象の観点から見ると、沖縄旅行のおすすめシーズンは台風の影響が比較的少ない11月~5月です。一方で、この期間は比較的曇りや雨の日が多いという特徴があります。

11月~2月は大陸から吹き出す冷たい季節風の影響により、沖縄では曇りや雨の日が多くなります。これは冬の日本海で曇りや雨の日が多いのと同じ原理です。

また、5月の後半になると、梅雨入りして曇りや雨の日が多くなるため注意する必要があります。

3月~5月前半の梅雨入り前までは、低気圧の接近によって雨が降る日と、移動性高気圧に覆われて晴れる日が数日の周期で変わります。また、3月下旬から4月にかけては海開きのシーズンとなり、気温も上昇してくるため海のアクティビティも楽しめます。

台風シーズンに沖縄に行く場合の注意点

沖縄では梅雨明けしてから本格的な台風シーズンに入ります。

7月~9月は台風のリスクが高い月である一方、台風がなければ太平洋高気圧に覆われ、晴れて観光にも最適なシーズンです。

しかし、沖縄に行くタイミングで台風が接近するかどうかは、現代の予報技術をもってしても旅行予定の数日前~2週間前にならなければわかりません。そのため、数週間前~数か月前に沖縄旅行を予約する場合だと、予約したタイミングではその日に台風の影響を受けるかどうか事前に予想できません。

沖縄旅行で台風が接近して困るのは、「台風接近で飛行機が飛ばず沖縄に行けない」「沖縄滞在中に台風が接近して帰れなくなった」「沖縄滞在中に台風が接近して何もすることがない」

などです。

費用面の対策としては、旅行プランや航空会社、ホテルのキャンセル規定を確認しておきましょう。台風接近が理由でも旅行のキャンセル料が発生する場合は、旅行キャンセル保険に加入しておくのも対策の一つです。

また、沖縄滞在中に台風が接近して帰りの飛行機が飛ばない場合、ホテルを探し、泊まるための宿泊費が発生します。このような場合に備え、航空機欠航補償が付帯されている旅行プランに申し込むのもよいでしょう。航空機欠航補償は台風で飛行機の欠航や遅延が生じた場合に、一定額の宿泊費が支払われる補償です。

また、台風から離れていても高波の影響で海のアクティビティは禁止となる可能性が高いため、屋内施設で安全に過ごせる場所も探しておきましょう。台風が最接近し警報が出るような状況だと屋内施設も閉鎖になりますが、台風から離れていれば屋内施設は開いている場合もあります。

また、台風によっては当日まで進路が読めず、直前に飛行機の運航・欠航が決まるような場合もあります。沖縄旅行が近づいて台風の影響を受ける可能性がある場合、最新の台風情報や航空会社の運航情報などをこまめにチェックしましょう。

沖縄の台風は強力で長期間にわたって影響を及ぼすケースも多いため、台風の影響を受ける可能性が高く不安に感じる場合は、安全のために早めにキャンセルを検討することも大切です。

〈執筆者プロフィル〉

田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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