1. トップ
  2. おでかけ
  3. 香港の隠れた桜名所。大仏で有名なゴンピンで出会う、悠大な春の自然。

香港の隠れた桜名所。大仏で有名なゴンピンで出会う、悠大な春の自然。

  • 2025.4.10

日本への旅行熱が高い香港では、人口753万人でありながら2024年には過去最高の268万人の日本を訪れている。中でも桜シーズンは人気が高く、満開の桜を背景にした結婚写真を撮影するために、わざわざ撮影チームを連れて訪日するカップルも珍しくないほど。

そんな香港にも、実は桜の名所が複数ある。そのほとんどが都心からかなり離れたエリアにあるため、知名度や人気はあまり高くないものの、春先になると地元のメディアが、「桜を見に日本に行けない人は、地元で花見を」と特集を組むこともある。

3月下旬のゴンピンではさまざまな桜が開花中。

香港で見られる桜の種類は多種多様。沖縄よりも南に位置する香港では、日本ではほとんど見かけることのない寒緋桜や広州桜など、ピンクの花びらがかわいらしい八重のタイプが主に植樹されており、開花時期も種類によって12月から5月までとまちまちだ。

山の上でさらに256段の階段を上ってたどり着く天壇大仏。
大仏までたどり着くと、山と海に囲まれた風光明媚な風景が眼前に広がる。
ゴンピンの桜の間からは、大仏の左側面が見える。

そんな香港の桜の名所の中でも最多の400本が植えられているのが、空港があるランタオ島の中央に位置する昴坪(ゴンピン)。ここは、標高479mの木魚山山頂に座り、ゆったりと香港を見下ろす天壇大仏で知られる有名観光地だ。天壇大仏は、鎌倉大仏の約3倍超となる高さ34mという迫力で、座像の大仏としては世界一の高さだという。

観光客が集うゴンピンビレッジ。

最寄り駅からの交通手段として人気が高いのが、ゴンピン360と呼ばれる絶景自慢のケーブルカー。頂上駅で降りてから、レストラン、カフェ、お土産店がならぶゴンピンビレッジを通り抜けて、さらに階段をひたすら上って大仏にたどり着くのが定番の観光コース。しかし、実は桜を見ることができるのは、頂上駅からビレッジと反対側に出た、人の流れがほとんどない、ランタオ島の有名なハイキングトレイルに向かうルートの入り口があるエリア。

ここで桜は、小さな川沿いと、整備が行き届いた道の両側に、1本ずつ柵で囲われて植えられており、それぞれに通し番号が振られている。

桜は一本ずつ柵で囲われ大切に育てられている。

400本の中には、前述の寒緋桜、広州桜に加えて、日本でおなじみのソメイヨシノや、早咲きで知られる伊豆の河津桜など、色や花びらの形状、開花時期もまちまちな桜が含まれている。一度に咲き誇って花見にぴったりという雰囲気ではなく、常にちらほらと、何かしらの桜が少しずつ咲いているという状態になっている。

大仏への交通手段となるケーブルカーのゴンピン360。

しかし、香港にいることを忘れる豊かな自然に囲まれた静かなエリアで、遠くに大仏、近くにケーブルカーを背景に愛でる華やかな桜の花は、やはり格別な美しさ。香港でも有数のパワースポットである天壇大仏を春先に訪れる際には、ぜひ少し足を伸ばして、プチ花見を楽しんでほしい。

元記事で読む
の記事をもっとみる