【写真】村山彩希について「背中で語ってくれる先輩」と語った八木愛月…など撮り下ろし18枚
20周年イヤーに突入したAKB48が4月2日、65thシングル「まさかのConfession」をリリースした。発表時はAKB48史上初の“研究生センター”で、リリース日に昇格した18期生・八木愛月(やぎ・あづき)、そして6月15日(日)にAKB48を卒業、今回が最後のシングルとなる村山彩希(むらやま・ゆいり)にインタビュー。後編では、13年半の活動の中で劇場公演出演回数の歴代1位を記録するなど、グループを支えてきた村山のことを中心に話を聞いた。
八木愛月、村山彩希は「背中で語ってくれる先輩」
――八木さんにとって、村山さんはどんな先輩ですか?
八木:私たちにはっきりとダメ出しとかをせずに、本当に背中で語ってくださる先輩だなって。
最初にチーム4さんの公演に前座で出演させていただいた時、そこでゆいりーさんのソロの「コイントス」を初めて見て、劇場公演への憧れが強くなり、さらに公演に出たいって思うようになりました。
AKB48の道しるべっていうんですかね。本当にゆいりーさんがいてくれたからこそ、劇場公演を自分も楽しんでできているし、劇場公演の大切さを改めて分かることができたし、本当になんかもう…AKB48の命です(笑)。
村山:そんなことない。いなくなるよ、命が(笑)。
――確かに村山さんは劇場公演の出演回数が歴代1位で、“シアターの女神”とも呼ばれています。特別な場所ですよね。
村山:私から劇場を取ったら何もないです(笑)。本当に人生捧げてきたレベルでやってきてしまったので、卒業した先、劇場公演がない自分をちょっとまだ想像できないというか。そこがやっぱり寂しいところですね。辞めたくないなとも思うし、でも後輩たちの勢いを感じるからこそ自分ももっと成長しなきゃなと感じさせてもらっているので、これからの劇場を託すために、あと3カ月ぐらいいろいろ教えていきたいなと思います。
村山彩希、卒業曲「ゆいりー」は「唯一無二な曲」
――そして、今回のシングル(TYPE-A)には「ゆいりー」という楽曲が収録されます。これまでメンバーの名前の入った楽曲や、卒業するメンバーにソロ楽曲が贈られたことはありましたが、卒業のタイミングでメンバーの名前が使われた楽曲はこれまでなかったですよね。
村山:そうですね。「ゆいりー」は卒業曲というかソロ曲みたいな感じで発表されているので、「わるきー」みたいな曲を想像されている方が本当に多くて(笑)。でも、めちゃめちゃバラードなんですよ、これが。“THE卒業ソング”っていう感じになっています。
正直、自分の名前が入った歌詞を自分で歌うってちょっと恥ずかしいなとも思ったんですけど、曲を聴いた時にイントロから涙が出るぐらい、卒業を実感させていただける歌詞を頂けて。
2018年の楽曲でセンターをやらせていただいた「それでも彼女は」という曲があるんですけど、そのアンサーソングにもなるような歌詞になっているんです。「それでも彼女は」は、彼女自身の名前は別に世に知られずに、歴史にも残らなかったっていう感じの世界観なんですけど、「ゆいりー」っていう名前が歌にも残って、形にちゃんと残って卒業していったよっていう、アンサーソングっぽくなっているのがすごくエモいというか。ぜひ聞いていただきたいです。
――秋元さんからAKB48を支えてきた村山さんへのプレゼントですよね。
村山:そもそも卒業ソングを頂けるとは思っていなかったので。実は別の仮タイトルがあったんですよ。そこから変更して「ゆいりー」を持ってくるのがまた、これは先生の何かしらの意図があるんだなと思って。
私が私の歌を歌うというより、“ゆいりー”という架空の人物がいて、村山彩希が“ゆいりー”にも感謝をするみたいな、ちょっと“ゆいりー”を客観視して歌っている曲なので、自分がアイドル“ゆいりー”に感謝するっていう歌でもあるし、みんなで歌ってもらっても感動できるというか。
八木:(小声で)歌いたい…。
村山:ふふふ(笑)。私は唯一無二な曲だなという気がしていて、とても感謝しています。
人生の半分在籍…村山彩希「全部を教えてくれたのがAKB48」
――卒業曲をもらうと、いよいよ卒業が近いと実感するのでは?
村山:そうですね。発表した時は「まだ半年ある」と思っていたんですけど、あと3カ月もないですから。あっという間に来るんだなぁと思いますし、「最後の◯◯」とか、卒業に向けて何かがあると改めて気合が入りますね。
――改めてAKB48として活動してきた13年半はいかがでしたか?
村山:どこを振り返りましょう(笑)。あっという間でした。コロナもあったんですけど、やっぱり人生の半分はAKB48にいたっていうことには変わりないので。でも、自分的にAKB48にいて本当に人が変わったというか。入る前と今じゃ全然180度違うし、人間関係や社会的な礼儀など全部を教えてくれたのがAKB48だったので、ここから先は外の世界に出ても恥ずかしくないように、OGとしてしっかり活動していきたいなと思います。
――やり残したことなどはないですか?
村山:実はあるんですよ。野中美郷さんが劇場公演48回連続出演をやったことがあったんです。今は5回連続とかでも割とすごいというか、「5回連続だよ」ってなるんですけど、私もやったことあるのが15回くらいで。その野中さんの記録を塗り替えて辞めたかったです。これはどうあがいても無理でした。
――野中さんが活動していたのは10年以上前ですし、今は状況が違うので難しいですよね。
村山:でも、めっちゃ悔しいです。
――卒業後のことについては発表されてないですよね?
村山:何もしてないですね。決まってはいるんですけど、まだ言えてなくて。芸能活動は続けます。
――これまでは大人数でしたが、一人での活動となると大きく変わると思います。
村山:もう怖すぎて嫌です。メンバーに会えなくなるのがシンプルに寂しくて。さっきもずっと「嫌だ」ってメークさんにも言っていたんですけど。
あと、近い存在から刺激をもらえるということがなくなりますよね。今後一人になっても、舞台とかきっとやると思うんですよ。その中でまた新しい刺激をもらえるという意味ではうれしいんですけど、やっぱり味方がいないというか、ちょっと心細さはありますね。不安です。
村山彩希、ファンの熱さに「昔のAKB48のスタイルがまた戻ってきた」
――村山さんは先程、AKB48の若いメンバーは「パンチが強い」と言っていましたが、20周年という節目を迎え、新しいAKB48を打ち出しているグループをどう見ていますか?
村山:まだプレイヤーとして見ているんですけど、客観視してみると、先輩側と呼ばれる16期までのメンバーとそれ以降のメンバーだと、やっぱり思うことはあるんですよ。いいところと、もっと良くなるんじゃないかなって思うところもあるので、そういうことはコンサートのリハ期間とかにちょっとずつ伝えていきたいなとは思っています。
でも、やっぱり時代が違うなとも正直思うので、ちょっと難しいところではあるんですけど、心配なところもあるので、そういうところはサポートしつつ、一人一人にもうちょっと向き合い方というか、「こうした方がいいんじゃない?」というのは言っていきたいなと思っています。
――期待することもいろいろあると思います。
村山:なんでもできそうですよね。何をするにも楽しそうで、それはファンの方も箱推しというか、研究生公演とかを見に行きたくなるだろうなとも思いますし、ファンの方も熱狂的というか、誰よりも声の大きさで思いをメンバーに届けにいこうみたいな、昔のAKB48のスタイルがまた戻ってきたのかなって。
後輩たちには、これからももっと「AKBINGO!」があった時代みたいにバラエティー面とか、もっといろんな才能を開花してほしいなとは、いちファンとして思います。
八木愛月「新しいAKB48の歴史をまだまだまだつなげていきたい」
――託された八木さんは、今後のAKB48をどうしていきたいですか?
八木:先輩方が受け継いできてくださって、今こうして20周年を迎えられたのはもちろんですけど、先輩方に甘えるだけではなく、自分たちで新しいAKB48の歴史をまだまだまだつなげていきたいなって思います。それこそ最新の「ここからだ」公演という、今の私たちが作り上げた第一歩があります。新劇場もできましたし、まずは新公演をしっかり毎回毎回気持ちを込めてやりたいと思います。
そして、新しいファンの方にも新劇場に来ていただいて、来ていただいたら「この子いいな」っていう子が絶対に一人は今のAKB48にいるので、そういう方の心をしっかりガシッと掴みたいです。今みんなの心が一つになって、倉野尾(成美)さんがおっしゃっていたように東京ドームという目指す場所は一つになっていると感じるので、AKB48全体で今できることを、目の前のことを全力でやろうっていう気持ちです。
まず、5月に春コンサート、ゆいりーさんの卒業コンサートがあるので、一つ一つのことを全力でやって、「やっぱりAKB48だな」と思っていただけるコンサートにすることが私たちにできること。どんどん、どんどん大きなステージに立っていけるように、全員で頑張っていきたいなと思っています。
村山彩希「歌って踊ることは止めたくない」
――では最後に、個人の目標を教えてください。
八木:まだまだ本当に未熟な自分なので、トークだったりパフォーマンスだったり、いろんなところをとにかくスキルアップしていきたいです。
個人のお仕事ではモデルさんとしてランウエーに立ってみたい憧れがあるので、それを目標に頑張りたいです。個人の活動で私を知っていただいて、AKB48をもっと知っていただける入口のような存在になりたいなと思います。
村山:私はいろんな経験をまだまだしていきたいので、最近は楽器に挑戦するとか音楽にもっと触れていきたいと思っています。
「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」などのイベントを通して、自分の中でいろいろ変わったところがあったので、作詞とか作曲にも憧れが生まれました。またいつかそれがAKB48への恩返しになったらなと思っています。
もちろん、歌って踊ることは止めたくないので、これからもステージに立ち続けながら、お話し会だったり、握手会とかファンミなどお客さんと会える機会をもっと大事にしていきたいです。これからも応援よろしくお願いします。