Text by 井上大輔(編集部)
昨季、MLBで史上初の50ホームラン50盗塁の偉業を成し遂げたロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平。
2023年末にドジャースと10年総額7億ドル(1022億円)という当時スポーツ史上最高額の契約を締結したことは世界的な話題になった。
今季中には投手としてのプレーを再開する予定で、ふたたび二刀流としての活躍が期待されている。
『TMZ Sports』によれば、元ドジャースのジェリー・ヘアストン・ジュニアは、こんな発言をしていたそう。
「リオネル・メッシに無礼を言うわけではない。パトリック・マホームズ、ニコラ・ヨキッチにも無礼をするつもりはない。だが、今この地球上で最高のアスリートは大谷翔平だと思う」
メッシはサッカー、マホームズはアメリカンフットボール、そして、ヨキッチはバスケットボール界のスーパースターだが、大谷はそれ以上の存在とのこと。
また、『ESPN』の野球解説者カール・ラベックも放送でこんな発言をしていたそう。
「世界的に見て、大谷翔平より有名な選手はいないと言える。彼はイチローを超え、このスポーツをプレーしたすべての選手を凌駕した、国際レベルで。
モハメド・アリに敬意を表するが、この男(大谷)はおそらく世界的に最も有名なスポーツ選手かもしれない」
これに対して、『EssentiallySports』は、「大谷を史上最高のアスリート(アリ)と比較したことで、ネットは大混乱に陥った」と伝えていた。
「大谷が世界的なアイコンなのは間違いない。フィールドで信じられないような偉業を成し遂げ、MVPの栄誉と7億ドルの契約を獲得し、東京からロサンゼルスまでファン層を広げている。
しかし、それで彼が最も世界的に認知されたアスリートと言えるのだろうか?このあたりから、議論は本物というより、演出のように感じられるようになった。
というのも、国際的な名声とは、単にスタッツだけでなく、メディアにおける存在感や文化的な影響力によるものだからだ。
例えば、メッシを考えてみよう。5億人以上のSNSフォロワーとワールドカップ優勝のタイトルを持つ彼は、サッカーが行われるほぼすべての国で認知されている。
クリスティアーノ・ロナウドは?彼も紹介の必要がないもう一人の世界的レジェンドだ。
そして、ポップカルチャーの重要人物となったNBAのレジェンド、レブロン・ジェームズ。これらのアスリートはCM、ドキュメンタリー、映画で有名な存在だ。
大谷はエリートではあるが、彼が主に認知されているのは、サッカーやバスケットボールに比べて歴史的に世界的知名度が低い野球界でのことだ。
国際的影響は、メディア報道や日本の広告だけにはとどまるものではない。
そのスポーツを知らなくても、言語や国を超えてファンがどれだけ顔を認識できるかによる。
大谷の台頭は否定できない。しかし、野球界の『あの男』であることと、世界の『あの男』であることの間には明確な違いがある」
野球界のあまりの大谷推しにアメリカ国内でも一部で違和感が感じられているようだ。
ちなみに、Instagramのフォロワー数はロナウドが全世界1位の6.5億人、メッシは2位の5億人。大谷は932万人となっている。